長崎県議会がイラク問題の
平和的解決を求める意見書採択

 2月25日、有事法制に反対する長崎県連絡会は長崎県議会に「イラク問題についての平和的解決を求める請願書」を提出しました。しかし2月28日、県議会はこれを審議することなく、独自に「対イラク問題における平和的解決を求める意見書」を全会一致で採択しました。連絡会としては、非常に不本位な内容ではあるが、平和的解決を求めるという請願の趣旨が活かされているとして3月3日、請願書を取り下げました。

対イラク問題における平和的解決を求める意見書

 国連安全保障理事会において、イラクの大量破壊兵器開発疑惑についてなされた国連調査団の追加報告によれば、イラク側の協力が依然不完全との見方である。
 このことを受け、国際情勢は対イラク問題をめぐり、更に緊迫の度合いを増している。
 イラクの大量破壊兵器の保有・開発疑惑は、日本を含む国際社会全体に対する深刻な脅威であり、共通の問題である。特に、我が長崎県は、被爆県として大量破壊兵器の参加を被った地として断じてこれを容認することはできない。
 我々は世界の恒久平和を願い、人命尊重の立場から国連憲章の理念のもとに平和的解決にあらゆる外交努力を払うことを強く望むのである。
 よって、国においては、イラクが大量破壊兵器全面廃棄の即時受け入れと平和的解決に向け積極的な外交を展開されるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定より意見書を提出する。

平成15年2月28日

長崎県議会


2003年2月25日

長崎県議会議長 池原 泉 様

イラク問題についての平和的解決を求める請願書

紹介議員   中田晋介        
請願人 有事法制に反対する長崎県連賂会
会長 原 章夫
連絡先 長崎市桜町7−7
TEL 823−9398

1.請願の趣旨
 イラクの大量破壊兵器査察問題に関して、日本国の平和原則及び国際世論に従い、あくまで平和的解決に向けた外交努力を尽くすよう求める意見書を、県議会として政府に提出していただくこと。

2.請願の理由
 昨年の11月、イラクは大量破壊兵器に関する国連安全保障理事会の決議を受け入れ査察を開始しました。2回の国連査察委員会の報告でも大量破壊兵器の存在は確認できず、査察は継続されています。しかし、米国は、武力攻撃の準備をすすめ世界は大きな不安と緊張に包まれています。
 国連憲章は、その目的の第1に、国際の平和及び安全を維持することと、国際的紛争を正義と国際法の原則にもとづく平和的手段によって解決することを掲げています。この目的達成のために、紛争の平和的解決を義務づけ、武力による威嚇または武力の行使を禁じています。
 今回の、米国が行おうとしているイラクへの攻撃は、国連憲章の国際平和秩序を蹂躙すると同時に、多くの罪のない市民が犠牲となり紛争が中東全体や世界各国へ拡大することが懸念されています。
 2月15日の1000万人が参加したといわれる世界的反戦行動やその前後に行われた国連での討論でも、圧倒的多数の国々が、査察の継続と平和的な解決を望んでいることが明らかとなりました。
 従って、政府においては、日本国の平和原則および国際世論に従い、イラク情勢に関して、あくまでも平和的解決に向けた外交努力を尽くすよう、貴県議会におかれましても、意見書を提出していただくよう要請いたします。

請願番号5
長崎県議会
15.2.25
14議第330号