インターネットニュース

札幌原爆訴訟が審理開始

 11月27日、札幌地裁で安井晃一さんの原爆症認定を求める裁判の第1回口頭弁論が、開かれ、80名の傍聴席は満席となりました。安井さんは自身の被爆体験と病歴を述べ、認定を求めるのは被爆後の健康への限りない不安、精神的悩みや生活格差を「原爆によるもの」と国に認めて欲しいからだと訴えました。
 高崎弁護団長は「国の被爆者行政は大きく立ち後れている。この訴訟を通して実態を明らかにし、現行の認定行政を正していきたい」と認定のあり方を批判しました。

第8次最高裁行動

 11月25日には、「原爆松谷裁判ネットワーク」による第8次最高裁行動がとりくまれました。
 午前8時半からの最高裁西門でのチラシ配布ではじまったこの行動は、約1時間、チラシととマイクで、最高裁の職員を対象に、厚生省の不当な上告によって最高裁で移った「原爆松谷裁判」の経過を訴え、最高裁が厚生省の上告を棄却するよう呼びかけました。
 全国から集まった上告棄却を求める署名の提出は段ボール箱一杯。個人署名26,581筆、団体署名149団体分、上申書5通でした。これまでに提出された署名は46万筆を超えました。
 このあと会議室で書記官と面会、参加者はそれぞれに一日も早い上告棄却の決定を要請しました。

京都原爆訴訟、大阪高裁第4回口頭弁論ひらかれる

 11月19日大阪高裁で第4回口頭弁論が開かれました。原告の地元である京都から京都被爆者懇談会、京都原水恊、現地大阪から大阪民医連、長崎からも支援する会2名がかけつけ傍聴参加は、12名でした。
 法廷では、前回にひき続き弁護団から尾藤、中島、久米の3名の弁護士による意見陳述がありました。(内容は榎並さんの傍聴記を参照)
 法廷終了後、報告集会が持たれ、弁護団から本日の法廷報告と国側の態度について説明がありました。参加者からは「原告のこれまでの勇気と粘りでここまで裁判が広がってきたお礼申し上げる」という発言もあり、毎回傍聴席をいっぱいにしていくことの大切さを確認し散会しました。
 次回の法廷は2月1日午前11時からです。関西地方の方々はぜひ傍聴参加をお願いします。

***京都原爆裁判を傍聴して***
 支援する会の牧山さんの要請で、第3回の審理から傍聴させてもらっている。
 前回の審理の時には厚生省側の代理人は、Aさんが苦悩の14年間の裁判をへて京都地裁での勝利しカルテも充分に閲覧、審理をしたにも関わらず、今までのカルテの再提出を要求し、70才を優に越え病弱なAさんの死を待つのがごとく、審理の引き延ばしをはかろうとした。
 今回の第4回の審理では、その戦法をかえてきて、Aさんの病名の「白血球減少症」に因縁をつけ、「減少については別の原因が考えられる、白血球2500を越えることが2回あった」と原爆との因果関係を否定するのにやっきであった。
 しかし、広島民医連の斎藤先生の意見書は「2500が2回あったにせよ、それ自体低位であり、すべてが標準値を下回っており、骨髄所見などから見ても、その原因が骨髄障害であり、原因は原爆以外に考えられない」と鋭く述べている。
 この件に関しても厚生省側は文句をつけるも、それを論破する根拠するもちえないかった。それは1.6キロの地点で「白血球減少症」で原爆症の認定を受けた人があるからであり、こちらの運動の中で暴露された厚生省の内規「半径2キロ以内」の被爆という点からも、彼らの論理は天に唾する以外のなにものでもない大きな矛盾をかかえたものである。
 全国では、松谷訴訟はじめ、京都原爆裁判、東京でも原爆裁判の民衆の火の手があがり、何とこの人はABCCでの記録の中に、1.3キロで被爆していることがわかった。
 北海道でもAさんと広島で同じ分隊で被爆した方の裁判が取り組まれようとしている。
 被爆者の命と証言を消そうとする自民党政府、厚生省との対決が全国に広がりつつある。大阪民医連としても大阪高裁でのAさんの裁判を地元として大きな支援の輪を広げていきたい。

大阪民医連社保平和部長 榎並憲治


東京原爆訴訟も審理開始

 原爆症認定を求める東数男さんの第1回口頭弁論が、11月9日東京地裁で行われ、支援する会から大塚事務局員が参加をしました。
 傍聴席は、東京・神奈川・埼玉などの30名をこえる日本被団協の代表で占められ、裁判を勝たせようとの熱気を感じました。
 審理の冒頭、東さんの陳述が行われ「爆心地から1.3キロの三菱兵器製作所で被爆。原爆の投下と同時に意識を失った。目が覚めた時は瓦礫の下であったが奇跡的に助かった。背中一面と後頭部に大けが、耳たぶは切れていた。その夕方、救援列車で大村の海軍病院まで運ばれ入院。その後、脱毛・下痢・高熱などの急性原爆症により生死の境をさまよった。母には『息子は死んだ。遺骨を受け取れ』と通知された。母がその遺骨を受け取った3日後、私が生きていることが伝わり再会できた。」と近距離で被爆をしたことと、混乱した当時の状況を述べました。
 国・厚生省の『東さんの病気はC型肝炎で、放射能によるものではない』との認定却下理由にたいし、弁護団の補充弁論では、慢性肝炎やC型肝炎などでの原爆症認定の6事例をあげ、認定を拒む理由は無い、と主張。また、国際司法裁判所が出した『核兵器の使用及び威嚇は国際人道法に違反する』との意見をもとに、各国の裁判所は判断をしている。被爆国の裁判所の判断を世界は注目している。被爆者にたいして「広く救済するという立場に立った判決」を出すよう求めました。
 終了後の報告会で、弁護団からは「東京地裁は政府のお膝元であり、運動が弱ければ国寄りの判決を出す傾向が強い」との指摘があり、支援連動の重要性が訴えられました。
 支援する会からは、松谷さんのメッセージを読み上げ、東京と長崎で連帯して頑張る決意を述べました。
 なお、次回法廷は1月26日午前10時からです。

福岡高裁勝訴2周年ロングラン署名



 11月5日、福岡高裁勝訴から2年、100万署名達成に向け、長崎市浜の町アーケードで8時間のロングラン署名活動が行なわれました。各団体から42名が参加、1,227筆の署名、募金18,474円が寄せられました。 「松谷さんも大変ですね早く厚生省が認めてくれればいいのに。」など市民の多くが足を止め、署名に応じました。また修学旅行生も松谷さんの話を聞くと、署名に快く応じていました。


署名用紙はここをクリック


不当な厚生省の上告に対し、怒りをもって抗議し、ファックスまたは葉書で上告取り下げを要求しましょう。
宛先: 厚生大臣 丹羽雄哉
    東京都千代田区霞ヶ関1-2-2
      03(3502)3090


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