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長崎地裁の勝利判決から5周年を迎える5月26日、最高裁での勝利判決をめざすシンポジウムが開かれ、支援する会の会員さんや市民、約100人が参加しました。
これは、98年度総会で「最高裁では法廷が開廷されないので、運動の節目を自らつくる」ことから計画されたものです。つどいはシンポジウム形式で、常に判決内容や厚生省の不当な上告理由を学習しようという試みです。
今回のシンポジストには原章夫弁護士(弁護団)、澤田昭二氏(名古屋大名誉教授)、高橋眞司氏(長崎総合科学大)を迎えました。原弁護士は地裁・高裁判決の意義、厚生省の上告理由、法廷でのたたかいについて語ってくれました。澤田氏は「国の唯一の拠り所としているDS86(放射線被ばく線量推定方式)が被爆者の被害の実態にあわないにもかかわらず、厚生省の判断基準にしている事を指摘して、松谷訴訟は核兵器はどんなに限定的に使用しても多大な被害を及ぼすことを明らかにするもので、核兵器廃絶への重要な裁判と話しました。最後の高橋氏は、「人間・被爆者・被上告人・長崎原爆松谷訴訟によせて」と題し話されました。むすびとして、この裁判は人間の視点を回復するということで自分(松谷さん以外の人)が松谷英子さんになりきって、支援していこう。あの日奪われた時を松谷さんに返していこう。法律に素人な感覚、発想をオリジナルでたたかおう。真面目ではない日本を真面目にできる裁判だと訴えました。
3氏の意見を聞いて会場から「今まで地裁・高裁と自分なりに一生懸命してきたつもりだったがシンポジストの話を聞いて、まだ松谷さんになり切っていないことに気がついた。日本を変えることのできる裁判だということに確信を持ち、がんばりたい。」との発言があり、会場いっぱいの参加者から同感の拍手がわきました。「勉強になってよかった」との声が相次ぎました。この確信をバネに100万署名運動を成功させましょう。
5月15日、東京で「原爆松谷裁判ネットワーク」が発足しました。このネットワークは日本原水爆被害者団体協議会と「支援する会」の呼びかけに応えて、全国の市民団体が連携し、最高裁での勝利をめざし、裁判支援運動をバックアップする『大応援団』となろうと発足の準備を進めてきたものです。
発足の会は日本青年館で開かれ、松谷英子さんも出席しました。参加14団体から日本生活協同組合連合会、日本青年団協議会、宗教NGO、原水爆禁止世界大会実行委員会、長崎原爆松谷訴訟を支援する会、 日本原水爆被害者団体協議会の6団体の代表が出席し、今後の具体的な取り組みについて協議しました。
ネットワークでは、最高裁の状況からすれば早急な対応が急務であり、全国民的に裁判を知らせ、100万署名行動を広げていくことを確認しました。
今の日本の状況の中で、共同行動をする意義はたいへん大きく、それぞれの団体の特色を生かした運動を展開すること、8月を一区切りとして署名目標の1/2もしくは2/3を集約すること、松谷さんの裁判から原爆被害を知ること、などの意見が出され、早急に各団体で討議し、対応することが申しあわされました。
発足後の学習会では、立命館大学の安斎育郎教授、弁護団の安原幸彦弁護士が「松谷裁判の意義と争点」と題して講演を行いました。
今後の具体的取り組みは、
ネットワークへの参加団体(98.5.15現在)
四国原水爆禁止大会へ行ってきました
5月9日、10日の両日、第44回原水爆禁止四国大会が高知県内で開かれました。この大会は唯一のブロック大会で四国四県から420名が参加しました。支援する会も3回目の参加です。
いつもながらの和気合い合いの熱気あふれる集会の中、土地柄のうかがえる様々な活動が報告されました。支援する会からは今までの経過と今後の運動への支援を訴えました。
交流会では、各県の方が「最高裁でも勝利しましょう」と次々と激励に。
2日目は米軍の低空飛行訓練機の事故現場へ現地調査に行きました。早明浦ダムの山奥で地上100〜120mの低空を時速800kmスピードで訓練。事故が起きないことの方が不思議なくらいです。国民に知らさずオレンジルートなどと日本の上空を好き勝手にされ、許せません。その後吉野川の河原で閉会集会が行われました。集会後、県内の平和行進がスタートし、本山町役場までの約5Hを支援する会代表として歩きました。
四国の皆さん、ありがとうございました。
上告棄却請求署名運動スタート
当面の目標は100万筆
5月晴れに恵まれた5月9日午後2時から、舞台を最高裁に移して初めての街頭宣伝・署名行動を長崎市の繁華街(ー橋)で取り組みました。
行動には松谷英子さん、横山茂樹弁護団長はじめ会員14名が参加。諸団体の行事が重なる中で「上告棄却要請署名」のスタートとしてはやや参加者が少なかったものの、第2土曜日の晴天とあって人通りが多く、1時間で署名212筆、募金4470円が寄せられました。
厚生省の上告理由書を引用した「戦争の犠牲はガマンすべきでしょうか」と見出しを付けたチラシを見て、正義感あふれる小中学生や若い人たちが積極的に署名に応じてくれる姿が清々しく、印象的でした。
「3時までここで署名していますから」と訴えていましたが、「アーケードの途中まで行ったけど...」と終了直前に汗を拭きながら戻ってくれたご婦人の誠意にも心が熱くなりました。
上告棄却署名は前回の署名数50万を上まわる100万を目標に全国へと広げていきます。支援する会としては第1次集約を、提訴から10年目の節目となる9月未を予定しています。