1.「ミサイル防衛」対応型への工事開始
3隻目の「みょうこう」(舞鶴基地配備)は09年2月6日に三菱長崎造船所の向島岸壁に接岸しました。「みょうこう」が長崎港にやって来るのは01年1月から8月にかけての定期検査以来です。
MD改造工事で寄港した新型イージス護衛艦「みょうこう」(09年2月7日)
改造工事ではイージスシステムをベースライン5からベースライン7(フェイズ1)に変更し、BMD3.6戦闘システムを搭載します。購入するSM3は9発で、うち1発は09年末までに日米合同の迎撃テストに使われます。
イージス艦の特別改造工事自体は約6週間といわれています。「みょうこう」は4月17日に一旦出港します。改造工事後の試運転に出かけたようで、その後、5月12日に戻ってきました。「みょうこう」は最終的に5月21日に長崎港を離れています。
2.迎撃テストを実施 コードネーム:星のライチョウ
9月7日、防衛省はイージス護衛艦「みょうこう」に付加した「BMD機能が有効に発揮できることを確認するため」の迎撃ミサイル発射試験を10月26日の週に、ハワイ・カウアイ島沖で実施することを発表しました。
「みょうこう」から発射されるSM3(ミサイル防衛庁ホームページ)
10月28日、「みょうこう」のSM3発射試験が、天候の関係で予定より1日早く行われ、標的ミサイルを迎撃したと報じられました。
JFTM-3(コードネーム:Stellar Raicho)と名付けられたテストでは、午後1時(日本時間)にハワイ・カウアイ島のミサイル評価施設から標的ミサイルが発射され、「みょうこう」のイージス・システムがこれを探知・追跡し、1時4分に1発のSM3ブロック1Aを発射しました。SM3はその約3分後に太平洋上空約160kmで標的を迎撃したといいます。標的は中距離弾道ミサイルで弾頭が分離されました。
一方、米海軍の巡洋艦レイク・エリーと駆逐艦ポール・ハミルトンも標的を探査・追跡し、迎撃シミュレーションを実施しました。
「みょうこう」はハワイでSM3を搭載して帰国する予定です。