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 ガラスの靴の行方

 6
 舞踏会への準備で忙しくなるとギュンターが言った通り、朝から支度をさせられたミュリエルは、昼じゅう彼に会うことができなかった。
 これまでも必要最低限、身ぎれいにはしていたものの、田舎で隠遁生活を送っていたせいであちこちの手入れが行き届いていなかったらしく、1日かけて頭から爪の先まで磨き上げられた。
 おかげで、彼に会えたのが、舞踏会へ向かう馬車の中という有様だった。

「昨日より更に美しくなられて、まさに目の毒ですね」
 ミュリエルはいつものお世辞に苦笑しながら、彼の方がよほど心臓に悪いと思った。
 夕べよりもかっちりと髪を纏め、正式な黒のテールコートを着込んだ彼は、大人の男の色気を纏っている。恋愛や色事に疎いミュリエルにも判るほど、彼は素敵で、数多の女性が放って置かないだろう事も容易に想像できた。
 向けられる優しい眼差しに、胸が詰まり泣きたくなる。彼の態度を勘違いしてはいけないと、ミュリエルは自分を戒めた。
 気を逸らす為に、馬車の窓から王城を見上げた。ゆっくりとした速度ではあるが、次第に近づいてくる城を目の当たりにしたミュリエルは首を捻った。
 往々にして夜会や舞踏会というのは、城下にある専用のホールや、主催する貴族の屋敷で行われるものだ。王城近くの侯爵邸からなら、城下へ向かうのだと思っていたミュリエルは、逆に向かう馬車を不思議に感じた。
「ギュンター様、どちらへ向かわれますの?」
「おや、申し上げていませんでしたか。今宵の舞踏会は王宮主宰なのです」
「……王宮の?」
 今更伝えられた事実に、ミュリエルは目を丸くした。
 貴族たちの間では、ほぼ毎夜のように会が催されているが、王族主催なら数年に一度、まして王宮を挙げての主宰となれば十数年に一度あるかないかだ。
 そんな大掛かりな舞踏会に出席するのだとは思っていなかったミュリエルは、驚きと共に恐れを感じた。
 青ざめ、緊張から身を硬くしたミュリエルに気付いたギュンターが、ふと微笑む。
「大丈夫ですよ。他所よりも規模が大きいだけで、やる事は同じ。ダンスをして談笑するだけです」
「でも……王族の方々がお出でになるのでしょう? 私が出席する訳には……」
 いくら伯爵家の娘と言えど、要職の担えないお荷物貴族に成り下がり、家の恥辱にまみれた自分が同席するなど許されるはずが無い。どうにか別の会に変えて貰えないかと口を開きかけたミュリエルは、彼に手を取られ言葉を飲み込んだ。
「何も気に病む事はありません。今宵の貴女はジラメネス家の息女では無く、アウデンルート家の名代である私の連れです」
「侯爵家の?」
「ええ。私はアウデンルート家の子息を名乗ります。王族であれば招待状も要らないし、連れの素性を確かめられる事も無いですからね」
「そんな事が……!」
 余りの事にミュリエルは絶句した。
 ギュンターと侯爵の関係の深さは知らないが、気心の知れた者だとしても無理がある。まして侯爵家は王家の縁者、見た事も無い人間が名代だと名乗ったところで追い返されるのは判りきっていた。
 ミュリエルの心配をよそに、ギュンターは落ち着いた様子で間近に迫った王城を見つめた。
「……できますよ。王族は紋章の提示を免除されています。無いものを有る事にはできないが、私は魔法使いですから、相手の印象を変える事は容易い」
 つまり、紋章を示す必要の無い王族に成りすまし、目くらましか何かの術で入場してしまおうという事らしい。
 方法も、それが可能だという事も理解できたが、やはり釈然としないミュリエルは首を振った。
「いけませんわ。そのような方法で参加する事に、何の意味がございましょう」
 毅然と言い切ったミュリエルに、ギュンターは僅かに驚いた後、苦笑した。
「何とも貴女らしいご意見だが、王子殿下を呼びつけて入れて貰うよりは良いと思いますよ。そんな事になれば、ただでさえ美しい貴女が悪目立ちしてしまう」
「え?」
「私は殿下とも知り合いなのです」
 にっと口の端を上げるギュンターに息を呑む。改めて彼の得体の知れなさを感じたミュリエルは、呆然と緑の瞳を見つめた。
 自分が想いを寄せる男は何者なのか……。
 魔法の否定されたこの国で、何故、彼が侯爵家や王族と懇意にしているのか……。
 判らない事だらけのミュリエルを乗せた馬車は、既に城門へと差しかかろうとしていた。

 城の敷地に立ち入ってしまえば、今更引き返そうとも言えない。結局、侯爵家の名を騙るか、王子を呼び付けるかの選択を迫られたミュリエルは、しぶしぶ前案を了承した。
 この10日間のほとんどをギュンターと共に過ごしてきたが、未だに彼が使う魔法がどんなものなのかが判らない。おとぎ話に出てくる魔法使いのように仰々しい呪文を唱えたり、意味の判らない紋様を書き付ける訳でも無いのに、いつの間にか彼の言う通りに事が進んでいく。
 今も、これと言って何もしてはいないのに、ただ彼が偽名を告げただけで会場へと案内されてしまった。
 初めて立ち入る王宮で、ミュリエルは落ち着き無くきょろきょろと辺りを見回した。
 光沢のある滑らかな石造りの大広間。3階分ほどの高い吹き抜けに、ホールからは直接立ち入れないバルコニー席が用意されている。遠目にも豪奢な作りの調度品から、そこが王族の指定席だと判った。
 あちらこちらに飾られた美しい花器と沢山の花々、王家の紋章入りの飾り布。光り輝くシャンデリアに絵画。そして、それらが霞んでしまうくらい着飾った貴婦人たち……。
 見渡したミュリエルは、ほうっと感嘆の溜息をつく。何もかもが美し過ぎて、色とりどりの石を詰めた宝石箱のように見えた。
「こちらだよ、ミュリエル」
 景色に心奪われていたミュリエルは、傍らから掛かった声と、取られた腕に驚いて顔を上げた。
 ギュンターはミュリエルの腕を自分のものに絡めると、余裕の笑みで会場を進んでいく。人前で腕を組んでいるという事実にどぎまぎしていたミュリエルは、引き摺られないように慌てて足を動かした。
 遠巻きにこちらを眺めていた来客たちが、何かを囁き合っている。手や扇で口元を隠しているため、何を言っているのかを知る事はできないが、自分とギュンターの素性が知れたのではないかと、ミュリエルは内心でうろたえた。
 会場の奥に辿り着くと、ギュンターは給仕から飲み物を受け取り、ミュリエルへと手渡す。
 小さく礼を述べたミュリエルは、未だにあちらこちらから向けられている何かを探るような視線と、内容の判らない囁きに慄いた。
「あ、あの……ギュンター様」
「ん?」
「先ほどから、色々な方に見られているのですけれど……」
「ああ。美しい君の噂をしているんだろう」
 それを言うのなら「美しい彼の、みすぼらしい連れ」の噂では無いのかと、ミュリエルは卑屈な気持ちになった。実際、よく観察してみれば、皆一様にギュンターを見つめてからミュリエルへ視線を移している。
 自分の容姿の引け目と、この場にいる後ろめたさから、ミュリエルは無意識に身を硬くした。
 と、高らかなファンファーレが広間に響き渡る。わっと上がった歓声に首を回せば、バルコニーに王家の方々が着席していた。
 この国では、貴族といえど当主でも無い限り国王に謁見する事はできない。その一握りの人間以外は、肖像画を眺めるのがせいぜいだ。
 ミュリエルは初めて見る国王一家に驚き呆然とした。
 ざわめきが落ち着いた頃、おもむろに国王が立ち上がる。さっと左手をかざしたのに合わせて、会場の全ての人間が頭を垂れた。
 ミュリエルも慌ててドレスを摘み上げ、僅かに腰を落とし、敬意を表した。
「我が王宮の舞踏会に、よう来てくれた。今宵は久方ぶりの無礼講。心行くまで楽しんで行かれるが良い」
 老齢と言っても差し支えない年齢ながら、張りのある声は現役の国王としての威厳に溢れている。
 控えめに流れ出した音楽に礼を解いたミュリエルがバルコニーを見上げると、こちらを見ていたらしい国王の瞳が優しく細められた。
「っ!」
 国王本人と視線を交わすなど恐れ多いと感じたミュリエルは、とっさに俯く。更なる緊張に晒された心臓が一度大きく鼓動を打った。
「ミュリエル、どうかした?」
 掛けられた声に、慌ててギュンターを振り返る。
「あ……い、いえ。陛下がこちらをご覧になっていた、気がして……」
 そう。多分、気のせい。
 偶然、自分の方へ目を向けた時に、あちらの話題に合わせて微笑んだだけだろう、とミュリエルは結論付けた。
 ギュンターは、すっとバルコニーへ目を向けると肩を竦めて苦笑した。
「……あの方は、心配しすぎる所がお有りだからね」
「え?」
 まるで昔から国王を知っているような口ぶりに、ミュリエルは驚き目を瞬く。
 何でもない事を表すためにか、ギュンターは無言で首を振ると、ミュリエルの耳元へと口を寄せた。
「ミュリエル、私は用があるので少し席を外すよ」
「はい……?」
 急に彼と接近した事にドキドキしていたミュリエルは、話の内容を理解できずに聞き返した。
「私のいない間に、ライナルト王子がここに来るからね。ダンスに誘われたら、お受けするといい」
「……王子殿下が?」
 ライナルト殿下は、この国の第三王子だ。それは当然ミュリエルにも判っている。
 しかし、バルコニーにいるはずの殿下が何故ここへ来るのか。どうしてギュンターにそれが判るのか。彼はどこに行くのか。どんな用があるというのか……。
 疑問が多すぎて、何も聞く事ができないミュリエルは、ただぽかんとギュンターを見つめ返した。
 察しの良い彼の事、自分の混乱にも気付いているだろうに、何も答える気が無いらしい。
 ギュンターは柔らかく微笑むと「すぐ迎えに来る」と言い残して、人並みの向こうへと遠ざかって行った。
 思わず彼を引き止めそうになったミュリエルは、伸ばしかけた手を引いて握る。やがて、立ち歩く人の間に見え隠れしていた背中が、柱の影に隠れて完全に見えなくなった。
 慣れない初めての場所にいる心細さから、傍にいて欲しいと願う。いや、本当は彼への想いから、片時も離れたくないだけ。だが、彼を引き止める権利がミュリエルには無かった。
 彼の仕事は、自分を舞踏会に連れ出す事。ならば、既に義務は果たされたはずだ。その舞踏会でミュリエルが何を感じ、何を為すかは、彼に関係無い。
 煌びやかな場に高揚していた気持ちが、すうっと冷えていく。別れの時は既に始まっていたのだと、今更思い知った。

 華やかな会場の一角で、自分の両手を握り締め俯いたまま動くことすらできなくなったミュリエルは、痛みに震える心を必死で抑えていた。
 ゆったりとした優雅な音楽が流れるホールでは、既に何組かの紳士淑女がダンスに興じている。子供の頃に見た絵物語と全く同じ景色がそこにはあった。
 なのに、何故か心に響かない。気持ちを奮い立たせるため、幼い頃何度も空想した場面を思い返そうとしたが、夕べ庭園でギュンターと踊った時の記憶が蘇るばかりで、また辛くなった。
 ふいに、目の前がさっと蔭る。目線だけを動かしたミュリエルの前には、金色の髪と緑の瞳を持つ青年が立っていた。
「失礼。君がミュリエル殿かな?」
「あ、はい……ミュリエル、でございます」
 儀礼的に姓まで名乗ってしまいそうになったミュリエルは、自身がギュンターの連れだと思い出し口をつぐんだ。
 きちんと名を告げぬ無礼を気にもしていないらしい青年は、ミュリエルにぐっと近づいて顔を覗き込む。驚いて思わず仰け反ると、彼はいたずらの成功した子供のように、屈託の無い笑顔を見せた。
(あっ……)
 その笑顔に見覚えのあったミュリエルは、はっと目を見張る。どこがどう、とは上手く説明できないが、笑った時の顔がギュンターによく似ていた。
「僕が来る事を、ギュンターは言っていなかったかな?」
「えっ。そ、それじゃ……!」
 今、相対している青年こそがライナルト第三王子だと気付いたミュリエルは、ざっと青ざめ慌てて膝を折ろうとした、が、彼に手を取られ阻まれた。
「ああ、止してよ。僕がここにいるのは、他のお客人に内緒なんだ。本当はあそこにいなきゃいけないんだけどさ。見てるだけなんて詰まらないでしょ」
 後ろのバルコニーへ向けて顎をしゃくったライナルト王子は、首を竦めてくくっと笑う。
「……ええと、はい」
 想像していたよりもずっと気安い性格らしい王子に、ミュリエルは曖昧な言葉を返した。
「さて、どうしようか。ギュンターはダンスでもして待ってろって言ってたけど……踊る?」
「あ……よ、喜んで」
 余程の事情が無い限り、ダンスの誘いを断るのは失礼にあたると思い出したミュリエルは、ぎこちなく王子の手を取った。
 会場の広さの割に招待されている客が少ないのか、広間の中心が大きく空いている。先に踊っていた組の邪魔にならないよう、端の方に移動し、向かい合った。
 始まりの一礼をすると、近くの客たちからざわめきが起こった。
 ほとんど姿を現す事の無い王子の素性が知れた訳では無いだろうが、ギュンター同様に整った顔立ちの彼が人目を引く事は必至だ。そして当然、王子である事を知っている国王と王妃も見ている。
 色々な意味で失敗できないと感じたミュリエルは、表情が強張り、手に汗をかいていた。
 間近に寄り添い、軽く腕を重ねる。知らず小さく震えていたミュリエルに、王子がふと笑った。
「大丈夫。僕、ダンスだけはプロ級だから。任せておいてよ」
「よ、宜しくお願い致します」
 お互いにだけ聞こえるように囁く。優雅な調べに乗った王子と共に、ミュリエルも足を踏み出した。
 穏やかな水の流れを思わせる曲に合わせて、途切れなくステップを踏む。最初、緊張からぎこちなくなっていたミュリエルは、王子のリードのお陰もあって次第に落ち着いてきていた。
 いつかギュンターに言われたように、魔法ではなく自力でダンスを習得していて良かったと思う。あの努力があったから自分の力を信じられた。少しでも自信があれば、拙くても胸を張って踊る事ができる。
 いつの間にか、俯きがちだった顔を上げ、積極的に踊り始めたミュリエルに、王子が囁いた。
「……君みたいな可愛らしい人を連れて来るなんて、ギュンターも隅に置けないね」
「はい?」
「ギュンターの恋人なんでしょう?」
「!!」
 思いもよらなかった質問に驚いたミュリエルは、ステップを踏み違えてしまった。がくんと傾いだ身体にはっとしたものの、王子が引き寄せてくれたおかげで事なきを得た。
「あれ、違うの?」
「ち、違います……っ」
 実際何も無いのだが、ミュリエルは自身の想いを悟られた気がして、頬を染めた。
「おかしいなぁ。お披露目を兼ねて、婚約者を連れて来るって言ってたんだけど」
「こ……!」
(婚約者?!)
 真っ赤な顔で目を剥くミュリエルには気付いていないらしい王子が、ダンスを続けながら首を捻った。
「知ってると思うけど、父上はギュンターを息子同然に思ってるからさ。いい歳して結婚しないのを心配してるんだよ」
「国王陛下、が?」
「うん。王家から離れたとはいえ、父上にとっては大切な弟の忘れ形見だからね」
 王子から告げられた話に、ミュリエルは混乱する。精霊とギュンターの厚意によって舞踏会に招かれたのだと、今の今まで信じていた。確かに不可思議な点はいくつもあったが、それは全て魔法の為せる技なのだと思い込んでいた。
 導かれるまま、くるりくるりと広間を回りながら、ミュリエルは王子の言葉を思い返す。
 ……国王の弟の忘れ形見。つまりそれはギュンターが国王の甥という事だ。そして、目の前の王子とは、従兄弟同士となる。
 王子の言葉を疑う訳ではないが、そんな事があり得るのだろうかと思う気持ちも無くは無い。だが、演説の後の国王の思わせぶりな視線や、その後のギュンターの言葉。笑顔が似ている二人の青年。それらの全てが真実だと告げているかのようだった。
 流れていた音楽の曲調が、さっと変わる。最終楽章に入った事に誰もが気付いた。
「……ええ、そうでしたわね」
 ミュリエルは顔を上げ、優しく微笑む。
 何もかも知らない事ばかりで、ギュンターの意図も理由も判らなかったが、あえて話を合わせる事に決めた。
「それにしても、あのギュンターが手をこまねいているなんて驚きだな。貴女は難攻不落のようだね」
「そんな事は……」
 はぐらかす為に苦笑して見せる。難攻不落などではなく、ギュンターの側に恋愛感情が存在しないだけなのだが、王子は二人を恋仲だと信じ込んでいるらしい。
「まぁ、でも、それも時間の問題だろうけどね」
「え?」
 聞き返したミュリエルが答えを得る間も無く、音楽がぴたりと止んだ。
 迎えたダンスの終焉に気付いたミュリエルは、王子から離れ、慌てて慣例通りの礼を交わす。一斉に歓声の沸いた広間の中、ダンスの相手となってくれた事への感謝を伝える為にまた近づくと、王子はさっと片膝を床につき、ミュリエルの手の甲に唇を触れさせた。
「で、殿下っ」
 単なる感謝の証と判ってはいても、初めてキスを贈られたミュリエルはびくりと震えて、赤面する。そのまま固まっていると、立ち上がった王子が耳元で声を潜めて笑った。
「見て。すっごい怖い顔しちゃってさ。あんなに嫉妬するくらいなら、協力なんて頼まなければ良いのにね。……君、あんな狭い男で良いの?」
「あ……」
 王子の目線を辿ったミュリエルは、その先にギュンターを見つけ目を見張った。
 いつからそこにいたのかは知らないが、眉間に皺を寄せ、今まで見た事が無いほど機嫌が悪そうだ。
 ごく自然に見つめ合う形になってしまった二人の視線を遮るように、身を滑り込ませ立ちはだかった王子は、ギュンターに見えない位置でさっと片目を瞑って見せた。
「もしギュンターに愛想が尽きたら、僕のところにおいで。君のように可愛らしい方なら大歓迎だよ」
「……」
 是とも否とも言えずに、ミュリエルは王子を見上げる。
 思わせぶりな事を恥ずかしげも無く、さらりと言えるところも、ギュンターにそっくりだと思った。

   

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