このはなさくや図鑑 〜美しい日本の桜〜

桜の名所と銘木あれこれ−サイト管理者の旅日記

桜の誕生した場所、残されてきた歴史、桜に携わった人々。
そこを訪ねれば、その桜がもっと愛おしくなるものです。

南アルプス・仙丈ケ岳のクモイザクラ
 (赤石山脈・仙丈ヶ岳)
赤石山脈は、長野県、山梨県、静岡県に跨って連なる山脈です。
通称:南アルプスとも呼ばれています。

タカネザクラとクモイザクラを探す旅。
3度目のチャレンジでやっと花と出会えた。
感動の旅でしたね。
仙丈ヶ岳は、長野県伊那市と山梨県南アルプス市にまたがる
標高3,033 mの山です。
写真は馬の背、残雪が残ります。
道中、タカネザクラに出会えました。
花は散っており、高い位置にあったため幹のみです。

南アルプスでは、クモイザクラはタカネザクラと比べ
さらに標高が高い場所で自生します。
対面する甲斐駒とクモイザクラ、この個体は残念です。
花が散りかけていました。
今回も会えないか・・・
小仙丈ヶ岳の手前、森林限界付近にハイマツにまじって
咲いているクモイザクラの個体を見つけました。低木性の桜です。
写真は下記の図鑑から見てください。

クモイザクラは、タカネザクラの矮小化したものと分類されています。
葉柄は無毛ですが、小花柄には毛の有るタイプと
無いタイプがある他、タカネザクラと自生地が混在する箇所では
両種の中間的なタイプも見られます。
また、タカネザクラとの大きな違いは、葉の鋸歯の先端部分の
小腺体の有無であるといえます。
また、蜜腺位置も両変種を分ける特徴のひとつですが、
クモイザクラの場合は成葉がマメザクラと同様、葉の基部に位置し、
蜜腺に柄があるとされていますが、蜜腺が極小かあるいは
蜜腺の柄が不明瞭なものが大半であり、タカネザクラのように
はっきり葉柄上部にあるものが少ないようです。
高山植物はあまり詳しくはありませんが、
来たからにはしっかりと楽しんできました。
写真はコイワカガミの写真です。


クモイザクラは、日本の桜属中、最も高所に生きる桜です。
まさに「alpina」の名にふさわしい、南アルプス仙丈ヶ岳の
短い春を飾る美しい桜です。

この桜をもう少し知りたい方は、下記より桜図鑑をご覧下さい。
 
 クモイザクラ(雲居桜)
 タカネザクラ(高嶺桜・峰桜)
 
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文・撮影:藤原 このはなさくや図鑑
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