第26章 アイドルなら写真集も

「あれ?また髪型変えたんだ?」
 ゆうきが会うなり指摘する。ジーニアスごっこのためとは言えないなぁ・・・
「その髪型、けっこういいかも」
 れみの評価もいい。すると、れみはスマホを操作して、
「ほら、前に使ったプリチケメーカー、登録できるポーズが増えたみたいよ」
「確かに、コーデやポーズを選べるのは面白いけど、なんで急に?」
「これを利用して、作ったプリチケの写真で写真集作ったら面白いかなって思ったから。やっぱりアイドルは写真集でしょ」
「確かに、みんなで面白い写真撮るのはいいかもね」
「違うよ。私とゆうきは添え物的に入る程度で、うちの神アイドル様のソロ写真集だよ」
「ええーっ!何でまたわたしだけ?」
「いや、その髪型、グラビア映えしそうだし、そろそろ「グラドルのあみ」を確立して、お色気キャラ担当も引き取ってもらおうと」
 動機はともかく面白そうだし、やってみようかな。

「さて、まずはコーデをどうするかだね」
「とりあえず、ミックスコーデがいいかも。あと、私服とか」
「え、そうなの?」
「おしゃれなあの娘マネするより自分らしさが一番でしょ」
 確かに。自分だけの写真集になるかも。
 でも、どんなのがいいかな。ブリティッシュジェントルコーデにやきたてクッキーメルヘンワンピを合わせたのが結構違和感なかったかな…それとも…

「例えば…」
 私が考え込んでいると、れみがプリチケを適当にシャッフルした。
「じゃ、あみ。一枚引いてみよう」
「えっ?」
 わたしは驚きつつ一枚引いてみる。クラシックトランプシューズだった。
「あ、これ、白黒の縞々の靴下がかわいいやつだ」
「それを使う前提でミックスコーデを作るってことで」
「あ、なるほど。それは面白いかも」
 白黒ということは、モノクロっぽいコーデを合わせてみようかな。同じホリックトリックならホワイトスワントップスは合いそうだけど、ボトムスは何がいいかな…
 確か、3DSのプリティーリズムのコーデの中にいいのがあったかも。私服系もこっちから選ぼう。

 いざ、スタジオに来ると、結構いろいろな仕掛けもあるようだった。
「ねぇ、トリックアートみたいな写真もあるみたいよ」
 ゆうきが見つけたのは、一人の両手に二人が乗ってフィギュアを持っているように見える写真のスタジオだった。
「これ、面白そう!」
 わたしたちはなんとなく勢いだけで、ゆうきの手にれみとわたしが乗った写真を私服のままで撮ってみた。
「ははは。これ面白いから、写真集に入れようね」
「じゃ、チームの写真も撮っておこうか」
「今の手持ちだと、せいしゅんスクールコーデが3色あるよ」
「じゃ、みんなでそのコーデでいこう」
 わたしたちは3人でポーズを決めて写真を撮った。
「あみ、一応言っておくけど、本来はあみのソロだからね」
「う、バレたか」
 その後は、モノクロミックスコーデや私服で色々なポーズで写真を撮った。
 不思議なもので、やりはじめると結構楽しい。

 まぁ…後に冷静になって見るとちょっと恥ずかしかったりするんだけどね。


今回のプリチケ
     
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