第16章 どきどきハロウィンライブ

 わたしはゆうきとプリパラ内を散歩していた。
 10月ということもあり、どこもかしこもハロウィンの飾りが出ている。

 ちょうど、ライブ会場の出口にあるプリントスタジオでプリチケを取り出している3人組がいた。

「どうかな?」
「やった!タイミングばっちり!」
「やっぱりあそこでポーズだったね」

 どうやらプリチケの写真のポーズの話をしているようだった。
「どんなポーズなんだろうね」
「気になる〜、訊いてみようか」
 わたしはプリチケをみていたコに声をかけた。
「こんにちは。たまたま聞こえたんですけど、どんなポーズのプリチケなんですか?」
「え、あ、これです。これ。今流行ってるやつ」
 忍者みたいなポーズを取っている。そういえば、最近よく目にするなぁ。
「あ、確かに最近よく見るかな。ありがとうございました」

「ゆうきはあれ、何のポーズか知ってる?」
「多分あれだよ。先週、ラグビーで日本チームが大活躍したニュースで、何とかって選手がやってたやつ」
「五郎丸選手だったっけ」
「そうそう。その人。なんか、五郎丸ポーズが流行ってテレビでやってた」

 そこへれみが到着した。
「あみ、ゆうき、こんにちは〜。待った?」
「大丈夫だよ」
 れみが話を切り出した。
「実は私、今日のライブでやってみたいことがあるんだけど」
「あ、みんなで五郎丸ポーズやりたいとか?」
「えーっ?なんで判ったの?まさか、あろまさんに預言書見せてもらったとか?」
「いや、ハロウィン当日にもライブやるなら、今日だとそのくらいかなと」
「うーん、鋭い…」
「じゃ、今日はれみがセンターで五郎丸ポーズにチャレンジしようか」
「どうせなら、この前ゲットしたチームサイリウムコーデで合わせようよ」
「…そこまで気合入れる?ま、いいけど」

 出てきたプリチケは背景もハロウィンで、なかなかに面白く仕上がった。

 そして、ハロウィン当日。
「そういえば、今日のハロウィンライブはどうしよう」
「一応、ハロウィン用のコーデは用意したけど」
 わたしはふと、去年のことを思い出した。
「去年はハロウィン衣装をゲットできるライブがあって、それを使ったんだけど、今回は自分で作ったのがあるから」
「え?自作したの?」
「うん。3DSのソフトで、サイリウムコーデを自作するソフトが出たから、ハロウィンっぽいのを作ってみたんだ」
「えー、見せて見せて!」
「へへへ。ステージ登場までのお楽しみ」
「そういえば、今年はハロウィン衣装貰えるライブないのかな?」
「去年はかぼちゃのかぶりもの着たちっちゃな子がチラシくれたんだけど」

「それは蘭たんのことかにゃ?トリック・オア・トリートにゃ!」
 背後からかわいい声がかかる。かぼちゃのかぶりものの女の子だった。蘭たんという名前らしい。
「トリック・オア・トリート。去年チラシくれた子だよね」
「うん。ところで、蘭たんのこと、こわくないのかにゃ?」
「うーん、こわいというよりカワイイかな…」
「ガーン…まだまだ修行が足りないにゃ…」
 なぜか蘭たんはがっかりして行ってしまった。
「あの子、怖がらせたかったんじゃない?」
「怖がってあげればよかったな。かわいそうなことしちゃった」
「とりあえず、最高のハロウィンライブにしよう。さっきの子もきっと見てるから、楽しんでもらおうよ」
「うん。そうだね」
 突然、れみが話題を変える。
「ところで、あみ」
「どうしたの?」
「今日、オータムドリームの時の髪型にしたらどうかな」
「お祭りだし、なんとなく良さそうな気がするんだけど」
「OK、じゃ、それでいこうか」

 ハロウィンライブを終えて、プリズムストーンショップへ行くと、今年のハロウィンコーデが展示されていた。
 おばけとかが盛りだくさんの楽しいコーデでネコ耳もついていた。
「げっ…今年のコーデ、かわいい」
「あとでライブで確保しておいて、来年はこれでやろうか」

 気の長い話になりそうだなぁ・・・


今回のプリチケ

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