第5章 欲しかったコーデ

 わたしは一応デビュークラスに昇格もし、ゆうきとお揃いライブもしたし、だいたい目的は果たせたと思う。
 これからどうしようかと思いつつ、暇だったので今日もライブをしにやってきた。

 もう、やり納めになったかな、と思いプリズムストーンショップへ行くと、なんと、例の食虫…もとい花束のトップスが入荷。靴は初期に手に入れていたし、ヘアアクセもスカートもあるけれど、これまでなぜかトップスだけはどの色も全く入荷しなかったんだよね。
 一部色違いがあるものの、デザイン的にはフルコーデが揃った。そういえば、以前、例の『餓狼伝説スペシャル』というゲームをさせてくれた親戚の叔父さんが言ってたっけ。
「おっちゃんの子供の頃にはキン消しって『キン肉マン』の小さい人形が流行ってたけど、これが5色ずつあってな、色はバラバラでも、とりあえずキャラクターを一通り集めただけで、すごく達成感があったもんだよ」
 今、なんとなく、叔父さんの気持ちがわかったような気がした。

 わたしは迷うことなく、色混在花束コーデでライブをした。どうせ花束。ブーケは単色とは限らない!

 わたしはこのプリチケを大切に定期入れにしまった。これで、わたしのプリパラ体験は終わることに…なるのかな?

 数日後、わたしはゆうきに会おうとした。彼女は今日は経過観察で病院に行くことになっていた。
「歩くのキツかったら自転車で送ってあげようか?」
「助かる!あみ、ありがとう。持つべきものは親友だね♪」

 病院は毎度の事ながら混雑していた。
「あみ、近くにショッピングモールあるから、お茶でもしてきてね。私、リハビリあるから1時間以上かかるし」
「そう?悪いね」
「待っててもらう方が気を使うし、気にせず行ってきてね」

 わたしは近くのショッピングモールへ自転車で向かった。そして、カフェでコーヒーとチョコクロワッサンをトレイに載せて席についた。
 そして、前を見ると、プリパラの入り口があり、そこに張り紙があった。
「本日キャンペーン中。先着でカエルちゃんコーデプレゼント」

 なんと、ゆうきとかわいいね、って話をしたものの、一度も入荷すらしなかったカエルちゃんコーデ!
 カバンの中には定期入れが入っていた。ここにプリチケがある!
 わたしは優雅にお茶するつもりが、コーヒーを一気に飲み干し、クロワッサンも速攻で食べた。
 そして、プリチケ片手に歩き出す!

 どうやら、わたしのプリパライフはもう少し続きそうです。


今回のプリチケ
 
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