第41章 オールスターコーデ・プリティーリズム

「うーむ、次はプリティーリズム復活イベントか」
「思い出作りからどんどん時間が経つね…」
 最後の思い出作りからファイナルライブまで、かなり日があいてしまい、間延びした感じになってしまった。
「さすがに計画性なかったかなぁ…」
 そう言うあみにとみが思いついた事を口にする。
「あみって将棋とか弱そうだよね」
「自慢じゃないけど、弱いよ」
 平然と言うあみに対してれみは、
「弱いといいますか、おそらく藤井八冠に八百長でこの子勝たせてあげてってお願いしても、勝たせるのに一苦労するくらい弱いですね」
「あれほど将棋の強い人が「八大タイトルで全て勝つより、この方に敗れるのは難しく、まだまだ精進すべきと思いました」とかコメントしてるの想像すると面白いかも!」
「それはそれですごいかも…」
「全く褒めるつもりはなかったのですが…」
「確かにわたしは「過去の事は変わらない。未来のことは判らない」を座右の銘にして、「if」をすべてスルーして突っ走る性格だからね」
「それ、見ててすごくわかりますね」
「それはそれとして、思い出作り大会告知のあみの私服ミックス、あれ、あたしも着てみたいな」
「いいよ。貸してあげる」

 そんなわけで、とみが私服ミックスでライブしていると、みゃむからあみに呼び出しがかかった。
「デモ用のめちゃマジダンスの収録をするぞ」
 まつり、みゃむと最近ステージに立ったプリマジスタ四人でダンスを収録するのだが…
「あれ?いなりさんがいる!」
 いなりさんは別のプリマジスタと話をしていた。
「あら?いなりさんの知り合い?はじめまして。Koh★です」
「はじめまして。あみです」
「あみさんとはラーメン談義したりしたこともあります」
 あみはいなりさんのコメントで思い出したことがある。
「そういえば、この前、フレンチ風ラーメンの看板見かけたんですよね」
 すると、いなりさんが
「そこ、おいしいですよ。オマール海老ベースのスープで、追加で玉子取ってもいいかもです」
「ほう」
「余ったスープをライスにかけるとリゾットになるんですよ」
「それはおいしいSDGs!韓国チゲの店以外でそんなの初めてかも」
「確かに」
「しかし、詳しいですね」
「まぁ、色々食べ歩いているもので」
 話が弾んできたので、あみが提案する。
「せっかくの機会だし、3人でプリマジしますか?」
「いいですね」
 こうして、急遽ステージをすることになったのだが。
「やはり新曲ですかね」
「でも、コーデも出たばかりなので揃えるのは難しいかな…」
「いなりさんのはミックスコーデですよね」
「パッションエトワール、生足で脚を魅せる着こなしできないかなと実験中です」
「確かにそれはそれでいいですね!で、Koh★さんはプリマジチェックですか」
「いなりさんのコーデの雰囲気に合わせるなら、ちょうど揃ったシャイニングディーバプリンセスのリューメカラーにしようかなと」
「わたしはどうしようかな…」
「あみさん、言い出しっぺだから、センターで決めてくださいね」
「え、あ、はい!そういえば、オトメパズルってプリパラでゆいちゃんがカバーしてた気がするから、この前のプリパラのファンタジータイムサイリウムでいきます!」
 あみの返事を聞いていなりさんが、
「ということは、私だけミックスだけどいいのかな…?」
「似合っていればOK,OK!ですよ!」

 あみがステージを終えて楽屋に戻ると、既にステージを終えたとみも戻ってきていた。そしてれみとルミナリアさんと話をしていた。
「あ、あみさん、おつすれ様です!」
「ルミナリアさんもこれからプリマジですか?」
「私、今は4人ユニットやってて、みなさんとジョイントセッションしようかという話をしてたんですよ」
「面白そうですね」
「ちょっと、相方のバッちゃんを呼んできますね」
 ルミナリアさんと入れ替わりに別のプリマジスタが入ってくる。
「初めまして。ルミから話は聞きました。我は笑顔の絶えない誰もが輝けるプリマジを望むバッデスト。続いてゼロを紹介しますね」
 バッデストさんはそう言うと出ていった。そして、また入れ替わりに3人目のプリマジスタが入ってくる。
「キラキラときめけ一番星!私は慈愛のゼロ。よろしくお願いします」
「はぁ、こちらこそ…」
「では、ジョイントのトップバッターと交代します」
 ゼロさんもなぜか楽屋を去る。
「なんでいちいち呼びに出るのかな?」
「そういえば、最初に出たルミナリアさん、戻ってきませんね」
 れみがそう言うと、また別のプリマジスタが入ってきた。
「俺がトップバッターのムゲンだ。よろしく。で、俺とセッションするのは誰かな?」
「はい!あたしです。とみです」
 先日のライムさんといい、とみは男性プリマジスタとのデュオが多い。
「俺たちし今日は全員エレメンツコーデでいくつもりだけど、とみはどうする?」
 3人は手持ちのコーデを見た。たまたまラブエレメンツだけを持ってきていた。
「あたしたちはラブエレメンツをリレーします」
「なるほど。じゃ、行こうか」

 とみはデュオしながら、微妙な違和感を感じた。振り付けでハグされた感覚が、普段の女の子同士の感触に近かったりするのだ。しかし、とみは気にしないことにした。
 そして、曲が終わって楽屋に戻る途中でムゲンさんが
「楽しかったよ。でも、悪いけどちょっと失礼するよ」
 突然廊下を曲がって走って行った。とみは先に楽屋に戻ったが、あみとれみしかいない。
 と、ルミナリアさんがぱたぱたと走って戻ってきた。
「あっ!」
 急いでいたせいかルミナリアさんが躓く。
「大丈夫…?あら?」
 ルミナリアさんを助けに行ったあみが気づく。ルミナリアさんが何か落とした。
「複数のカード?」
「バレちゃいましたね」
 実は、これはMAGI☆Pさんの演出で、ルミナリアさんの一人4役ユニットなのだ。
「道理で一人ずつしかいないわけですね」
「ははは、すみません。じゃ、れみさんのお相手は慈愛のゼロでいきますね」
「そうですね。おそらく、あみとルミナリアさんのステージ用にとみはバッデストさんの前撮りのお手伝いでしょうね」
「よくわかりましたね」
 あみととみは以前こくてんさんとはくりさんとのライブで前撮りとの合成をやったことがある。小柄で髪も短いとみが投影用に踊るのには都合がいいのだ。
 れみとゼロさんのデュオの後はルミナリアさんとあみの隣でとみに投影された前撮りのバッデストさんという形で3人ステージをすることで、無時全員とのジョイントセッションが出来たのだった。

「さてさて」
 あみがコーデカードを机に並べながら言う。
「色々やってるうちにプリティーリズムのコーデも結構揃ったから、いよいよわたし達でオトメパズルのステージができそうだね」
「そうだね」
「コーデはどうしますか?ここはやはり歴代主人公のコーデでしょうか」
「わたしとしてはハッピーレインのコーデで完全再現希望かな」
「とみはどっちがいいと思いますか?」
「あたしは…あまり作品とは関係ないけど、この曲のジャケットの3人のコーデ、両側があみとれみが気に入ってるやつじゃない?これでやるのも面白いかなって」
「なるほど。それも捨てがたい!」
「あみのハードチェック、よくゲストに呼ばれた時に使ってたですし、私も確かにメルヘンカルーセルはよく着ましたね。でもどうしましょうか」
「よし。全部やっちゃおう!最初はとみがフォーチュンスターでセンター。わたしもれみもそれぞれがセンターで提案したやつでやろう」
「私がセンターの時は情熱のシンフォニアにすれば、ぱっと見が放送順になりますね」
「よし。決定!終わったら夕食はフレンチラーメン食べに行こう!」
「何それ?」
「この前看板を見かけたんだけど、いなりさんに聞いたらそのお店のラーメンおいしいって言ってたから」
「どこにあるんですか?」
「線路沿いにちょっと歩いて曲がったところだったと思う」
「そんないい加減な記憶でたどり着けるのかなぁ…」
 とみはポツリとつぶやいた。


今回のフォト
                                       
今回のソロ・デュオ・チームユニット

とみ


Koh★さん&あみ&いなりさん


とみ&ムゲンさん


れみ&慈愛のゼロさん


ルミナリアさん&あみ&バッデストさん


あみ&とみ&れみ


とみ&あみ&れみ


とみ&れみ&あみ


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