第35章 最後の大会と仲間の復帰

 あみはテレビに映るジェニファーを見ていた。
「へぇ、オレンジ一色に見えるコーデだと思ってたけど、ミックスにするとトップスのイメージも随分変わってくるんだな…」
 画面の中のジェニファーは
「私はプリマジに愛されている」
とコメントしているが、まさにその通りなんだろう。あみはジェニファーと同じコーデを試してみたが、
「街中歩くにはスカート短いから、ここだけはパンツにしてみるか」
 自分なりのアレンジでプリマジに出かけた。とみ達のコロナ療養明けまであと少し。今日もあみはソロ活動だ。

 プリマジに来ると、前回のワッチャで封印を解ける分に達したようで、大会の看板が解放された。ついにラスボス級の「おしゃれプリンセス」のコーデが手に入るのだ。
 スタジオに入るとひめめが待っていた。
「みんなのワッチャのおかげでプリンセスコレクションが開かれたわ!どうもありがとう!これからもっともっと沢山の素敵なコーデをみんなに届けていきたいわ!」
 ひめめの言葉にあみが頷く。
「フルコーデを集めて一緒におしゃれを楽しみましょう!」
 ひめめに送り出されたものの、課題曲はデュオ曲。
「パートナーとコーデはどうしようかな…」
 あみが考えながら進んでいくと、
「アナタもこのトップスの使い方をアレンジしているのね」
 丁度楽屋に戻ろうとしていたジェニファーがあみを見かけて声をかけてきた。
「あっ、ジェニファー!こんにちは。あの、もし良かったら、この後のデュオの相手お願いしてもいいですか?」
「オフコース!大会ということなら、私はダンシングディーバプリンセスでいいかしら?」
 あみは先日プリズムストーンで配布されていたリトルプリンセスを使う事にした。

 こうして、おしゃれプリンセスクイーンコーデを無事ゲットしたあみは、さっそくランウェイでお披露目した後、アフターパーティーでひめめとお揃いデュオをしたのだった。

 そして、ついにとみとれみが療養期間を終えて復活できる日がやってきた。
 朝から集まった三人はテーブルの上にプチブロックロボットを置く。
「そうそう、この子、飛行機とロボットの二通りに組めるんじゃなかったんだよ」
 とみはロボットのバックパックを取り外すと、くねくねと関節を曲げて変形させ、バックパックを機首に取り付ける。
「おお!トランスフォーマーみたいに変形するんだ?」
「これで税抜き100円って、すごく安いですね」
 れみも感心する。
「それから、ストライクフリーダムガンダムも作って来たよ」
 とみは鞄から箱を出し、中から完成したガンプラを取り出して、飾ってあったストライクガンダムと入れ替えた。
「これで3体ともすごい機体になったね」
「ほう、背中の8門の砲台を広げると千手観音みたいですね」
「腰の両側と両手にも銃があるから、一度に12の敵を撃てるから、確かに千手観音だね」
「まぁ、そもそも、観音様は救ってくれるわけで、戦うわけじゃないけどね…」
 とみがつっこみを入れる。
「今日は二人の復帰を見守るから、わたしは今日は休みにしようと思う」
「ここのところ、一人でがんばってたし、いいんじゃないですか」
「前にフィーアさんとライブする話してたけど、今日の夕方ならOKの返事来てるよ」
「それまでにも、久しぶりだし、プリマジしたいですね」

 そんなわけで、とみとれみはプリマジに向かった。
「あっ、れみさん、とみさん、久しぶりですね!」
「えっと…」
「あっ、イメチェンしたけどリーメルです。で、こっちはうずら」
「はじめまして。前にあみさんとはご一緒したんですけど」
「あ、マカロンの方ですね」
「そうです。今日は夏の名残を惜しむ浴衣ライブとかしようかなって思ってるんですけど」
「それなら私も色違いあるので、一緒にしましょうか」
「何色ですか」
「赤ですよ。サンゴ色」
 れみは未だにガンプラの影響でアスランの赤を選んでいるようだった。
「じゃ、あたしはリーメルさんと一緒にライブしようかな」
「そうですね。どんなテーマにしましょうか」
 そこへマーチングコーデを着たみるきが通りかかった。
「今、プリマジくじでマナマナ用のマーチングやプリマジチェックが出てるから、マーチングはちょっとしたブームなんだお。とみ達も一緒にマーチングプリマジするお?」
「私は今マーチングコーデを持ってますよ」
「あたしは…ははは、れみみたいだけど、赤なら今あるよ」
「みるきちゃんが黄色で私が青。とみさんが赤なら信号機マーチングができますね!」

 こうして、れみもとみもそれぞれでジョイントライブをしたのだった。

 それぞれのライブを終えて、れみととみは近くのフードコートでランチをした。
「あみがいないと簡単なランチになっちゃうね」
「これはこれでいいですけどね」
 二人は昼食を食べながら、
「そういえば、夕方のフィーアさんとはミックスコーデでやるんだよね」
「私はこの前にフィーアさんのコーデを見たのでそれに合うように組みましたよ。休み中に色々考える時間ありましたし」
「げっ…あたし何も考えてない」
「とみはセンターだから、私はフィーアさんとバランスを取りますけど、好きにやってもいいと思いますよ」
「うん…ちょっと食べ終わったら考えるために旅に出よう…」

 とみは独りでプリマジの前を歩いていた。「チコちゃんに叱られる」で、ぼーっと歩いていると、記憶が適当に結びついて閃くことがあるって言ってたし。歩きながら考えよう。
「ミックス…どうしようかな」

 どんっ!

 考え事をしながら歩いていて、誰かに肩が当たってしまった。
「あっ、すみません!」
「大丈夫ですよ…って、とみさん?」
 ぶつかってしまったのはクレアさんだった。
「何か考え事ですか?」
「うん…ミックスコーデを考えていて。そういえば、前にクレアさん、ミックスコーデを考えてた事ありましたよね」
「ええ。でも、あれは参考にならないかも」
「どうして?」
「あの時はコンテスト優勝のキャッチコピーが欲しくて、ワッチャが一番大きくなる組み合わせを計算してただけだから、見た目がかわいいとか、その辺りは全然考えてなかったんですよね」
「うう、そうなんですね」
「でも、コンセプトに沿って色と形を選んでいけば、最終的にはいいものができると思いますよ」
「そうですね。ありがとうございます。なんか、閃きそうな気がしてきました!」
「そういえば、今週のコーデのパンダチャイナしろくろ、とみさんに似合いそうだけど、買いました?」
「まだだけど、それなら買っちゃおうかな」
「それなら私、色違いを今持ってるからデュオしましょうか」
 そして二人でプリマジをしたのだが…曲が終わってきゃろんがコーデカードを投げたはずが、カードが消えてしまった。
「システムトラブルみたい…」
 こうして、クレアさんとのデュオを経て、とみもミックスコーデのレシピを決めることが出来たのだが、マイキャラルームを見ると…
「えっ?プリマジをした記録がない?」
 マイフォトも獲得ワッチャも消えていた。
「ええーっ?」
 がっかりしているとみにクレアさんが
「残念だけど、一緒にライブした思い出は消えないですから」
 とみは黙って頷いた。

 そして夕方。とみはれみ、フィーアさんと合流した。
「今日はよろしくお願いします」
「ようやく約束のプリマジができますね」
「フィーアさんに合わせるようミックスしてきたんですけど、どうですか?」
「すごく素敵だと思いますよ。センターのとみさんは明るい色でバランスも取れてますね」
 フィーアさんにミックスコーデを褒めてもらい、とみは心の中でガッツポーズをした。
「それじゃ、始めましょうか」


今回のフォト
                                          
今回のソロ・デュオ・チームユニット

ジェニファー


あみ&ジェニファー


あみ&ひめめ


れみ&うずらさん


リーメルさん&とみ&みるき


クレアさん&とみ


れみ&とみ&フィーアさん




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