第33章 プリマジ SEED Destiny

「ねぇねぇ、こんなの買ってきた!」
 とみがあみに見せたのはスナック菓子の袋のような梱包のガンプラだった。
「これ、工具も塗装もいらない初心者用って書いてあったから、あたしも作ってみようかなと」
「エントリーグレードのストライクガンダムだね。年明けに20年越しに新作映画やるSEEDってシリーズのだから、ちょうどホットだね!」
「そうなんだ」
「それ、1作目の主役ガンダムだから、わたしも次はSEEDのを作ろう!」
 あみはそう言うと、いきなりプラモデル屋に向かって歩き出した。
「えっ、いきなりですか?」
 二人の会話を聞いていただけのはずのれみも巻き添えだ。

「わたしは2作目のメインのデスティニーガンダムを作ろう」
「二人が作るなら、私も作りましょうか。これは、エールストライクって。とみが買ってきた子の仲間ですか?」
 れみが目の前にあった箱を指さす。
「仲間というか、背中に羽付けたバージョンだね。同じ機体だよ」
「あ、赤いのもありますね。いわゆるシャア専用ですか?」
「インフィニットジャスティスガンダムはアスランって、主人公キラの親友だったけど、敵軍で闘う運命になったキャラの機体だよ」
「じゃ、私はこの子にしますね。とみの子とライバルで飾れそうですし」

 こうして、とらいあんぐる☆ARTの最近ガンプラ部になりつつある作戦会議が始まった。
「そういえば、あみってこの前、チェックセットアップピンクとクラシックラビットブルーが同時に揃ったって言ってたのに、クラシックラビットブルー一度も着てないよね」
「そういえば、むしろそっちを狙ってませんでしたか?」
「うん。リーメルさんから、着てみたら意外と似合ってたので気に入ったからと合わせプリマジ誘われてたんだ。でも、わたしは揃ってなくて」
「なるほど」
「で、前に着てたエルザさんに話をしたら、今度こちらに来る時に都合があえば一緒にという話になってね」
「それで、狙っててやっと揃ったけど、エルザさん待ちになったんですね」
「うん」
「で、いつなの?」
「実はこのあとすぐ。だから、ちょっと行ってくるね」
 あみの場合、こんな事は日常茶飯事なので、れみ達も冷静だ。
「私たちはプラモデル作りながら待ってますね」
「うん。じゃ、帰りに差し入れ買ってくるね」
「あたしはチョコまみれカントリーマアムでいいよ」

 あみはプリマジスタジオに走った。すでにエルザさんは到着していた。
「お久しぶりです!」
 ちょうど、リーメルさんも到着したところだった。
「企画に乗ってくれてありがとう!デュオかと思ったら3人でできるなんて!」
「いやいや、わたしも何とかコーデ揃うの間に合って嬉しいし」
「あみさんに次いつこっちに来るかきかれた時、じゃ、頑張らないとって言ってたのはこのコーデを集めるって事だったんですね」
「うん。確かに似合ってるリーメルさん、青コーデの着こなしに定評のあるエルザさんとのステージ。わたしも気合入れなきゃ!」

 ステージを終えてエルザさんはさっそく旅立った。
「忙しい中、ありがとうね!」
「いえいえ。私も楽しかったので」
 と、リーメルさんの所には誰か迎えに来た。
「あれ?あすか?」
 あすかと呼ばれた子はあみに会釈した。
「八重からお噂は聞いています。最近チームに入ったうずらと申します」
 あれ?さっきはあすかって…?
「あ、本名はあすかだけど、うずらって名前でプリマジデビューしたんです」
「じゃ、うずらさん、折角だからデュオします?」
「え、いいですか?今あるコーデは…」
「あ、パステルマカロンなら合わせられますよ」
 こうして、つい2曲目に突入したため、あみが戻ると、とみのストライクガンダムはほぼ完成間近になっていた。
「ただいま。おっ!初めてにしてはすごく良く作ってるね!」
「一応、工具不要だけど、ニッパあるから綺麗に切れたし、れみが墨入れとか教えてくれたし」
「確かに、口のあたりなんて墨入れだけでぐっと見違えるもんね」
「でも、このガンダム、すごく見覚えがあるんですよね」
 れみのコメントにあみが答える。
「あれだよ、あれ」
 それは以前あみが大騒ぎして買ったセブンイレブン限定ガンプラだった。
「ああ、あの子の色違いでしたか」
「まぁ、あっちが色違いだけどね。さてと、わたしのは完成、追いつけそうもないな」
「まぁ、自分の家なんだし、夜にでも作れるよね」
「私のももうすぐ完成…のはずが、この背中に飛行機付けても、すぐ落ちるんですよね」
「どれどれ…あ、この胴体から背中に出てる銀色の部品、逆についてない?」
 れみが説明書を見る。
「あ、ほんと逆ですね。うわー、これはバラバラにしてからやり直しですね」
「幸い、接着しないキットだから」
 そして、れみもようやく完成したのだが、横でアドバイスしていたあみは自分のキットはほぼ手付かずだった。
「さて、この武器は盾の横にしまえるんですね…あれ?固い」
 あみがやろうとしても確かに合わせが悪いのか固かった。
「じゃ、その武器は手持ちにして、飽きたらはめ込みながらシールド組み直したら?」
 とみの提案に頷くれみだった。

 翌日。あみとれみは二人でプリマジに来ていた。
「赤いガンダム作って思い出しましたが、この前、バンキッシュハートの赤のシューズ、やっと出たんですよね」
「そうそう。今回初プレイの時に四人目のコーデメイツが持って来てくれたのに、100円玉探してたら時間切れになったやつ」
「他の3つがそのあとすぐ出たのに、頑なに靴だけ出なかったですもんね」
「さては、赤にはまったな」
「ですね。ぐおごごご…」
 そんな話をしていると、八重さんが来た。
「こんにちは!サイバーゲームの新色揃ったから、あうるちゃん誘ってピコピコライブやるんですけど、一緒にどうですか?」
 すると、れみが、
「サイバーゲーム、赤でいいなら私、参加します!」
「あ、ありがとうございます…」
 れみの勢いに驚きつつ、八重さんはれみを連れて行ってしまった。
「おーい、わたしとのバンキッシュ合わせはどうするのー!?」
 あみの声が楽屋に響いた。

 あみは結局、れみが戻ってからバンキッシュハートでライブしてから帰宅し、デスティニーガンダムを完成させて、画像をメンバーに送った。
「おおー、ちょうちょみたいな羽だね!」
 とみの感想を見てあみは改めて完成品を見る。ウイングにピンクの透明なエフェクトパーツを付けているのだが、ちょうちょに見えなくもない。
「華やかなガンダムですね。では、あみのプリマジでの華やかライブ、期待してます」
 れみからプレッシャーがかかる。
 よし、それなら、長い間のフレンドポイントで買ったプリンセスハッピーのドレスでプリマジをしよう!
 あみが募集をかけると、フィーアさんとまつりから参加の返事が来た。

 また合わせの場所に向かうと、フィーアさんが来ていた。
「こんにちは」
「ミックスしてないフィーアさん、ちょっと新鮮かも」
 あみは前もって準備しようとプロフカードを用意すると…
「あれ?プロフカードの忘れ物…?」
 あみは後で落とし物として窓口に預けようとすると、
「すみません…この辺りに」
 さっそく持ち主が現れたようだ。
「あなたの忘れ物ですか?」
「あっ、それです!ありがとうございます!」
「届ける手間が省けてよかった!あ、もし良かったら一緒にライブします?」
「え、ああ、じゃ、せっかくですので。私はうる」
「あみです。よろしくね」
 このようなやりとりをしていると、まつりが到着した。
「お待たせ。そこで知り合いのプリマジスタに会って話してたらギリギリになっちゃった」
「あ、ルミナリアさん!」
「まつりちゃんの待ち合わせって、あみさん?」
「じゃ、このまま華やかライブは5人でやろう!」

 同じころ、とみは大会2回目のステージに挑もうとしていた。
「みゃむちゃんのショコラティエが可愛かったから、あれ再現しようと思ったのに、あみもれみもいないか…」
 そう思っていると。初音さんと八重さんが通りかかった。
「あれ?さっきそこであみさんのプリマジ見かけたんですけど、一緒じゃなかったんですか?」
 とみが事情を話すと、
「それなら、私たちがティーパーティーコーデで一緒にいきましょうか?」
「それ、すごくいい!お願いします!」
 こうして、とみも自分のプリマジに向かったのだった。

 3人、それぞれにプリマジする機会がだんだん増えていくのかな?
 とみはふと思うのだった。


今回のフォト
                              
今回のソロ・デュオ・チームユニット

リーメルさん&あみ&にじのエルザさん


うずらさん&あみ


初音さん&れみ&あうる


れみ&あみ


あみ/うるさん&フィーアさん/ルミナリアさん&まつり


初音さん&とみ&八重さん




参考:今回のガンプラ
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