第26章 あみ、お休み中
「あみ、どうでしたか?」
ログインできないあみにれみが現状を聞いた。
「色々調べたら、システムトラブルで、新規にプリマジスタがプロフカードを作ると、その人の情報で直前にログインした人のデータを上書きしてしまうみたい」
「それって、直ったりしないんですか?普通、システムのバックアップとかありそうですけどね」
「うん。クレアさんが運営に問い合わせるといいってアドバイスくれたから、問い合わせしたんだけど、復旧に1週間くらいかかるって」
こうして、あみは問答無用で1週間お休みになってしまったのだった。
「どうしよう。この前買ったガンプラも作っちゃったし、暇だなぁ…」
「そういえば、前に虫ロボットがどうとかって話してましたよね」
「ああ、わたしの叔父さんが子供の時、遠足のお菓子におまけつきのがあった話」
聞くところによると、男の子向けのは光ファイバーの原理で羽を開くと集光クリアパーツが入っていて目が光って見える昆虫ロボットで、女の子向けはビニール製の着せ替え人形だったのだが、数が間違えていたため、叔父は着せ替え人形だったらしく、それでもレアキャラのヒロイン扱いにして昆虫ロボ戦争に参戦させていたという話だった。
「ある意味たくましい叔父様ですね」
「うん。でも叔父さんの話では、その着せ替え、背中に切れ込みの入ったワンピースをぷっくりした人形に着せるから、後ろから見ると背中の切れ込みが広がって下着が丸見えなので、当時の男子には刺激的なアイテムだったみたい」
「まさか、それで理由をつけてヒロインに…」
「事実はどうあれ、急に昆虫ロボットの話なんかして一体どうしたの?」
「今の戦隊、キングオージャーは虫のロボットが合体して人型のロボットになるから、食玩のミニプラだと暇つぶしに作ってもいいんじゃないかと思ったんです」
「なるほど。作って遊ぼうかな」
あみが休養中なので、とみは独りでプリマジに来た。
「あ、新しいプリマジくじ入荷してる!」
とみは試しに引いてみた。タンザナイトレディアントアビスプリンセスコーデだった。
「あみが復活したらきっと引くだろうから、その時に着ようかな…」
とみはそう考えて、この時はコーデは使わずに、そのまま着てきた服でプリマジをした。
一方、れみはというと…
「あ、大会やってますね。はばたきのプリンセスですか。あみの代わりにコーデを確保に行きますか…」
れみはプリマジに向かおうとしてとみに会った。
「れみもくじを引きに来たの?」
「あ、くじもあるんですね。引くだけ引いて、あみが復帰して引いたら、その時に着ましょうか」
「あたしと同じこと言ってる」
「あ、とみはもう引いたんですね」
れみが引くとターコイズナイトドリームが出た。
「じゃ、今日は大会に出ようと思ったけど、このコーデを温存するならどうしましょうかね?」
「あ、あたしのくじコーデ貸そうか?れみに似合いそうだし」
「ありがとうございます!それでコーデをゲットしに行きますね」
れみは大会に向かった。
「ようこそプリンセスガーデンへ!みんなのおかげで1000年の眠りから目覚めることが出来たわ!どうもありがとう!私、あなたとずっとお話がしたかったの!出会えてうれしいわ!今日のステージでははばたきのプリンセスコーデがゲットできるわ!フルコーデを集めて美しく踊りましょう!」
ひめめに導かれたステージをとみに借りたタンザナイトレディアントアビスプリンセスコーデで乗り切り、れみは無事コーデを入手できた。
二人がコーデカードを眺めていると、そこに初音さんが通りかかった。
「こんにちは」
「こんにちは。初音さん、今日は独りなんですか」
「さっき、八重に貸してたコーデを受け取りに行った帰りです」
初音さんが持っていたのはくじコーデのアメジストシンデレラコーデだ。
「うちのチーム、全員誕生石はアメジストだけど、二人とも別のコーデでした」
「じゃ、ゲストに入りましょうか?」
「あみの誕生石でもあるし、名代をお願いするのもありですかね」
「あ、そういえば、あみさんどうかされたんですか?」
「システムトラブルに巻き込まれて、一週間ログインできなくなってるんです。だから、復帰したらくじ引いてライブしようかって話をしてたんですよ」
「そうなんですね。そういう事なら、あみさんが復帰したら、八重たちも連れてきて、みんなでやりませんか?」
「いいですね。楽しみです」
「そういえば、コーデ総選挙の結果が出ましたね。明日からフェスがあるそうですよ」
翌日。情報を得たとみはフェス会場に向かった。
「はばたきのプリンセスはれみが確保したから、あたしはこっちを確保しよう」
会場の前でまつりに会った。
「とみちゃん!ついに総選挙コーデフェスが始まったね!」
「うん!待ちに待った総選挙コーデフェス!ラブリーメロディースタイル、とっても可愛いね!」
「うん!みんなのおかげで3位に選ばれたの!どうもありがとう!」
とみは私服からコスメティックラベンダーコーデに着替えてフェスに参加した。
次に会ったのはれもんだ。
「とみどの!先程のラブリーメロディースタイルコーデ、可愛いでござるな!」
「れもんちゃんが着てるレディアントアビススタイルもとっても素敵だね!」
「拙者の一推しコーデが2位に選ばれるなんて…感無量でござる!選んでくれたみんなには感謝しきれないでござる」
そのままれもんとプリマジをして、最後にみるきと会った。
「みるきちゃん!チェリーシュガースタイルが1位に選ばれたね!おめでとう!」
「みるきのとっておきコーデが選ばれるなんて最初から判ってたお!」
「とみちゃんもチェリーシュガースタイルを集めてみるきみたいにかわいくなるお!」
「うん!チェリーシュガースタイルコーデを集めて最高に可愛いプリマジスタを目指すね!」
こうして、とみが総選挙コーデをゲットしたりしているうちに一週間が経った。
「あみ、どう?」
あみはマイキャラルームを見る。
「あ、データ復旧してる!」
「やったね!さっそく、総選挙コーデライブやろうか」
「うん。とみがゲットしたから、とみから好きなコーデを選んでください。あみは復帰祝いなので、私は残ったものにします」
「じゃ、あたしはみるきちゃんと約束したからチェリーシュガースタイルにしようかな」
「じゃ、わたしは…ちょっと迷うけど、れみはレディアントアビススタイル似合いそうだし、ラブリーメロディースタイルにするね。色合いは一番好みだし」
「なんとなく、なるべくしてなった感じのコーデ割り振りになりましたね」
「じゃ、始めようか」
スタジオに向かうあみにとみが、
「ちょっと待って!」
とみはスマホで何かしている。
「…ん。OK!じゃ、行こう」
そういうとみにれみは
「あ、初音さんに?」
「うん。ライブ終わるころには返事来るかな?」
三人が戻ってくると、初音さん、八重さん、リーメルさんがいた。
たまたまメッセージを受けた時、三人で近くにいたのだった。
「あみさん、復帰おめでとうございます!」
「えっ…?あ、ありがとうございます!」
サプライズにあみはびっくりして応える。
「私はアクアマリンコスメティックフラワー、リーメルはエメラルドスプラッシュマーメイドです」
あみはくじを引くことになったのだが、誰かとかぶらない方がいい。
「じゃ、だれかと重なったら引き直しというわけで」
とみが煽る。あみはくじの前に来た。
「げっ、すでに出ちゃってるコーデもあるから、けっこう厳しいなぁ…」
言いながらくじを引く。
「あっ、オパールしらゆきひめだ!」
幸い、誰ともかぶらないコーデを一発で引けた。
「おお、すごい強運!」
「さすが、あみさん!」
「ありがとう!じゃ、早速くじコーデジョイントライブやっちゃおう!」
「おーっ!」
六人の声が重なった。
今回のフォト
今回のソロ・デュオ・チームユニット
とみ
れみ
とみ&まつり
とみ&れもん
とみ&みるき
れみ&とみ&あみ
あみ&八重さん/れみ&初音さん/とみ&リーメルさん
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