第18章 WBCもコーデフェスも!

「盛り上がって来たね!」
「いよいよ、次はアメリカと決勝戦!」
「大谷サーンも村神様も、有力選手がここぞというタイミングで大活躍ですからね」
 さすがに、プリマジスタのとらいあんぐる☆ART内でも話題はWBC、ワールド・ベースボール・クラシックの日本代表侍ジャパンの活躍の話でもちきりだ。
「いっそ、ヌートバーのペッパーミルでもパフォーマンスにしてみる?」
「うちにはスーパーで買ったブラックペッパーの蓋についてる使い捨てのペッパーミルしかありませんよ」
 れみが指でブラックペッパーの小瓶の大きさを示しながらつっこむ。
「確かに、手のひらに載るちっちゃいやつだと意味ないか…」
「あみ、本気でペッパーミルやる気だったの?」
 とみが素っ頓狂な声であみに訊く。
「そういえば、日本の優勝もそうなんだけど、わたし達プリマジスタの大願成就はどうなったのかな、ほら、クリスタルの彫像のひめめが目覚めるとかいうの」
「そういえば、そんな事も言ってましたね」
 れみは忘れつつあったようだ。
「そういえば、そのためにきゃろんが何かやるって言ってたけど…」
 とみが言うと、ちょうど、テレビでプリマジスタジオが始まった。
「あれ?今日のプリマジスタ、初めて見るけど、マナマナ服着てるね。フレンドがはにたんとれもんさん?」
 あみのコメントを聞きながら、とみが呟いた。
「もしかして…あれ、きゃろんじゃない?」
「きゃろんも人の姿になれたんですね」

 きゃろんのステージの後、スタジオには司会のみゃむ、チムムを含めて4人のマナマナがいる。そして、マナマナたちから告知があった。
「ひめめが目覚めそうだけど、クリスタルに閉じ込められているんだぞ」
「クリスタルコーデでプリマジして、ひめめに近づくチム!」

「クリスタルコーデ?」
「そういえば、時々、エレメンツコーデが水晶みたいになったコーデカードをコーデメイツが持ってくるね。わたし、アクセ、ワンピ、シューズ2枚持ってるけど、見事にバラバラだから使ってないや」
「私はワンピを一つ持ってますが」
「あたしはアクセが一つだけ」
「じゃ、れみにシューズ一つ貸してあげるね」
「あたしのアクセも使って」
「まぁ、どれもクリスタルですし、あんまりチグハグじゃないかもしれませんね。ありがとう。お借りしますね」
 あみはスパークアクセ、ブライトネスワンピ、アクアシューズ、れみはサンシャインアクセ、ダークネスワンピ、スパークシューズのクリスタルだ。
「さっそく、クリスタルのコーデでプリマジしに行こう」
「クリスタルって透明ですよね…下着透けたりしないでしょうか?」
「やたらとカットされてキラキラだし、裏地あるでしょ、多分」
 とみは比較的冷静だ。まぁ、コーデが2セットなので、自分が着るわけではないからかもしれないが。

 3人がプリマジに着くと、何人かのプリマジスタがクリスタルコーデ持参で集まっていた。その中でひときわ目立つのはジェニファーだ。
「オー、あみ、あなたもクリスタルコーデで?」
「うん!キメラミックスになっちゃうけど」
「じゃ、一緒にプリマジしましょう!」
「いいですけど、れみは…」
「れみさんは私がエスコートしましょう。最近、ぱたのもお世話になってますしね」
 あまね様だった。そして、そこには他にまつり、みるきもいた。
「まつり、連れてきたぞ!」
 そこへみゃむが連れてきたのは…
「こんにちは。ひぃらぎです」
 ひぃらぎさんだった。他のメンバーは自分のエレメンツのクリスタルコーデだが、ひぃらぎさんはひめめと同じクリスタルコーデだった。
「ひぃらぎさん、それって…」
「あ、これ、試作をみゃむから借りたんですけど、今度始まるフェスで手に入りますよ」
「あみ、始まったら絶対に参加するんだぞ!」
「もちろん!近いうちにチャレンジするね」
 みゃむに押されて、あみはフェス参加を表明することになった。

 こうして、あみとジェニファー、れみとあまね、まつり、みるき、ひぃらぎさんの連続クリスタルライブということになった。たまたまとはいえ、あみとれみ、それぞれのクリスタルコーデは同じステージではかぶらない組み合わせなので、幸いあまりキメラミックスであることは目立たなかった。

 そして、翌日。とらいあんぐる☆ARTの三人はそれぞれレジ袋をテーブルの上に置いた。
「あみはファミマ行ったんだね。あたしはセブンでこんなの見つけたよ。ほら、「ホイップだけサンド」って、本当に食パンにホイップクリームはさんだやつ!」
「ここまでくると潔くて逆に買いたくなるかもね。わたしはこんなの買ってきた!どん兵衛のきつねうどん味のおにぎりと焼きそばUFO味のそばめしおにぎり!」
「私はオーソドックスにマルガリータピザです。スーパーの店で焼いたピザ、800円弱だけど、焼き立てだから、ピザ屋さんのにひけは取らないんです」
「おお、チェーン店の二枚目半額より安い!」
 その他、ペットボトルのジュースやらお菓子やら。
「ほら、このセブンのサクサクコーンチーズ味、前にガンダムコラボで買ったエアリアルに似てない?」
「裏にヤマザキビスケット製造って書いてあるから提携ショップブランドですかね」
「そういえばファミマにもショップブランドの「バーべQあじ」があったっけ。今回は濃厚はちみつバターポテチにしたけど」
 ちなみに、これらはWBC決勝を3人で一緒に観ようという話になって観戦しながらつまむものの話である。

 そして、侍ジャパンが優勝した。3人は喜んでハイタッチしようとしたが…
「ちょっと待って、ホイップサンドのはみ出たクリームで手、べたべただわ」
「私もスナックで手、ギトギトです」
「わたしも今ピザ食べてたし」
 慌てて3人は手を洗ってから再びハイタッチしようしたが…
「タイミング逃すと、いまいちテンション上がらないね…」
「ですね…」
「せめて、今度のクリスタルプリンセスひめめコーデフェスは盛り上げようね…」

 そして、ついにクリスタルプリンセスひめめコーデフェスの日。
 あみはひめめの私服と言われる服で出かけることにした。ちょっとしたゲン担ぎだ。
「コーデはどうするんですか?」
「一気に突っ切るイメージで、ユニコーンファンシーコーデでいこうと思う」
「テレビでユニコーンガンダムの続編見たからですね」
「そういえば、前に可動するキンケシ買ったらユニコーンヘッドのロビンマスク出たとか言ってたっけ」
 れみもとみも、あみが他の影響受けただけだと信じ込んでいた。

 とにかく、あみは会場に向かい、はにたんと会った。
「やほ〜。ついにクリスタルプリンセスひめめコーデフェスが始まったね〜」
「うん!初めてのクリスタルプリンセスひめめコーデフェス、ワクワクするなー!」
「二人でやるプリマジ楽しみだね〜」
「うん!一緒にかわいいプリマジをしようね!」
 まずははにたんとデュオだ。さすがにパートナーだけあって楽々クリアだ。

 次はきゃろんだ。
「きゃろんちゃん!わたしのステージどうだった?」
「あみさんのプリマジ、素敵だった!この後のプリマジも応援してます!」
「ありがとう!この調子でクリスタルプリンセスひめめコーデを集めて、もっといいプリマジを目指すね!」
「楽しみです!きゃろんもあみさんのプリマジに負けないよう頑張らねば!」
 課題曲はソロだ。きゃろんともいつか一緒にプリマジしたいな。

 そして、最終ラウンド。入口でチムムと合流する。
「あみ、調子はどうチムか??」
「チムム!今日は一緒のステージだね!よろしくね!」
「みゃむとチムムとあみでクリスタルプリンセスひめめコーデフェスをもっと盛り上げるチムよ!!」
「うん!3人で最高に楽しいプリマジにしようね!」
 司会の二人のマナマナには本当にお世話になっている。楽しいステージにしたい気持ちは本物だ。

 そして、コーデが揃ったら、いよいよアンコール。今度はみゃむが出迎えに来た。
「あ!みゃむちゃん!ついに!クリスタルプリンセスひめめコーデが集まったよ!」
「おう!そのコーデを着てアンコールステージをするんだぞ!」
「わ〜楽しみ!みゃむちゃん!ありがとう!最高のプリマジにするね!」
 あみはリスタルプリンセスひめめコーデでソロ曲でアンコールお披露目ライブをした。

 侍ジャパンに続いて、あみも大会を無事制することができたのだった。


今回のフォト
                          
今回のソロ・デュオ・チームユニット

きゃろん


ジェニファー&あみ


れみ/ひぃらぎさん&みるき/まつり&あまね


はにたん&あみ


あみ


みゃむ&あみ&チムム


あみ


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