第15章 バースデーライブ

 あみは丸亀製麺の店の外から込み具合を見た。
「満席か…CMで見た肉うどん食べたかったけど…」
「ズバリ昼ごはん時だもんね」
 落胆するあみにとみが正論で追い打ちをかける。
「そういえば、以前はあさりうどんをCMで見て、次の日行ったらCM見たのが最終日ってこともあったし、食べたいところではありましたが…」
 れみも食べたそうだったが。
「じゃ、ランチはコンビニ弁当でも軽く食べて、晩御飯は早めにリベンジに来よう」
 とみの提案をのむしか選択肢はなさそうだ。

 三人は近くのローソンに入った。
「おお!キャンペーンのハンバーグ47パーセントアップのハンバーガーがある!」
「最近は値段そのままで増量キャンペーン多いよね」
「この前のファミマのたまごサンドもそうでしたね」
「あれ、キャンペーンの直後に鳥インフルの玉子不足で玉子減量で他の具材で調整ってニュースあったから、特にギャップがあったよね」
 ローソンのイートインエリアでランチを楽しんでいたら、なぜかぬいぐるみ状態のはにたんを抱いたみゃむが現れた。
「やっと見つけたんだぞ」
「どうしたの?みゃむちゃん?」
「はにたんとマナマナデュオしようとしたんだけど」
「ワッチャが足りなくてこの姿になってるはに」
「この大魔法使いみゃむ様でないと、チュッピの世界でこの姿でいるのは大変なんだぞ」
「そうなんだ」
「で、あみ、みるきとはにたんのプリントTシャツあげるから、はにたんのマナマナ服を着て、代わりにライブして欲しいはに〜」
「別にいいけど…」
「ナビゲートに必要なワッチャを補充する必要がありそうですね。誰かが前座でライブしたらいいんでしょうか」
 れみが訊く。
「パートナーのみるきかあみが適任なんだぞ。代わりにみゃむ様が久しぶりにあみをナビゲートしてやるんだぞ」

 こうして、あみは可シャツライブをしてから、はにたんのマナマナ服を借りた。
「あれ?みゃむちゃんのマナマナ服…?」
 普段より淡いブルー一色のマナマナ服だ。
「これは、このコーデブックを持つ者だけが着れるマナマナ服なんだぞ」
 みゃむは拍子が水色のコーデブックを使っている。

 そして、マナマナライブをしたのだが…
「あみ、これ、面白いスクショ撮れたよ」
 とみが見せてくれたのは…
「チューチュートレインのダンスみたいでしょ」
 ナビゲートのはにたん、みゃむ、あみが縦に並んでいる。
「そういえば、ここ数日暮れの後、木星と金星が縦に並ぶってニュースで言ってたのを思い出しました」
 れみが全然別方向のコメントをする。
「なんでそうなるの?」

 みゃむ達と別れた3人は、今度こそと肉うどんにリベンジに向かった。
「うーん、昼が控えめだったのにライブしたから、ついサイドメニューも取っちゃうなぁ」
 あみのお盆の上には肉うどんの他に、おにぎり、かしわ天、ちくわ天などが盛られていた。
「さて、2月も後半。わたしたち「とらいあんぐる☆ART」は全員同じ誕生日だから、バースデーライブを考えないとね」
「だね。プレミアムプランに入ってると、バースデーTシャツ貰えるよ」
 とみはプレミアムプランに入っているのだ。
「じゃ、わたし達も入らないとね!」

 翌日。あみはプレミアムプランに加入するべくプリマジに来た。そこにタイムラインで見かけたことがあるプリマジスタの子がいた。
「すみません、もしかして、メロディさんとデュオとかしてました?」
「えっ?あ、メロディの知り合いの人ですか?本人ももうすぐ来ると思いますよ」
「そうなんですね。わたしはあみ」
「さやめろです。よろしく」
 あれ…そういえば、プリチャン世界にいた時にも二人は相方だったような…
「あ、多分さやめろさんとはボード経由でプリチャンのゲームでフォロトモだったと思います」
「そういえば…おだんご頭のあみちゃんってマイキャラちゃんのフォロチケ持ってたような…」
「そうそう。それです」
 そこにメロディさんが入ってきた。
「さやめろ、お待たせ…って、あ、あみさん!」
「こんにちは」
「うちとジョイントライブって話になったとかですか?」
「いえ、そこまで話してなかったけど、良かったら。でも、今日わたしはフラワーオーバートロピカルコーデなんですよね。2月の最新コーデなのになぜか真夏…」
「だったら、私たちはあみさんとの初ライブと同じ浴衣着ましょうか。季節外れの夏祭りも面白いと思いますよ」
 メロディさんの提案で、真冬の夏祭りライブというレアなステージをする事になったのだった。
「あー、面白かった」
 解散後、ふと気づく。
「あーっ、プレミアムプラン加入の手続きするの忘れてた!」

 あみは一旦帰路についていたのだが、引き返そうとした。そこへクレアさんからメッセージが来た。
「今からプリマジ行きますけど、時間が合えばご一緒しますか?」
「あ、マジで行きます。ちょうど向かってます」
 あみはプレミアムプランの手続きをしながらクレアさんを待つことにした。
「コーデは…あ、今月のガッチャモール、まだだった」
 あみはガッチャモールでぺんぺんぺんぎんピンクコーデを手に入れた。
「こんにちは」
 クレアさんが到着した。
「コーデはどうします?」
「わたしはぺんぺんぺんぎんピンクですけど」
「じゃあ、私はパンダチャイナでどうぶつライブといきましょうか」
「あ、そのコーデ、アクセが全然出なくて…ちょうど見てみたかったから嬉しい!」

 そして、迎えた誕生日。あみは無事バースデーTシャツを手に入れたのでバースデーライブに向かった。だが、とみがいない。
 とみから連絡が入った。
「ごめん…昨日39度熱が出たから、解熱剤飲んで寝てたんだけど…」
「えーっ、大丈夫?」
「今は37度台まで下がったから医者行ったらインフルエンザだったから、1週間休養になっちゃった」
「じゃ、要るものまとめてライン入れてくれたら買って持っていくよ」
「うつすと悪いからいいよ」
「じゃ、私がドアの前に置いてライン入れますね」
 れみが荷物配達係となった。
「じゃ、あみは元気をつけるためのライブをお願いしますね」

 あみはライブをするべくプリマジに向かうと、
「あれ、あみさん誕生日ですか?おめでとうございます」
 声をかけられた。
「えっと…?」
「イメチェンしたけど、さやめろですよ」
「ええっ!随分雰囲気変わりましたね」
「メロディがこの前大会でゲットしたドレス着るからちょっとおめかしをね」
「あ、せっかくだから、バースデーライブのゲストをお願いしてもいいですか?相方がインフルで」
「私でよければ」
「遠くて行けなかった大会コーデのさやめろさんとライブってのも、わたしには素敵なバースデープレゼントですよ」

 こうして、思いもかけないバースデーライブとなったが、逆に、とみの復活までに時間があるので、単にTシャツを着るだけじゃなく、ミックスアレンジを考える時間が取れた。誕生日から1週間遅れにはなっったが、3人揃って、3人で考えたミックスアレンジで「とらいあんぐる☆ART」のバースデーライブが出来た。
「じゃ、この後は打ち上げを兼ねて、ケーキ買ってバースデーパーティーしようね」
「最高のバースデーにしたいね」
「遅れた罰で、ケーキはとみのおごりですね」
「れみ、ひどーい!」
「ふふ、冗談ですよ。3人でおいしそうなケーキを選びに行きましょう」
「地下鉄乗らなきゃなんだけど、フランス仕込みの絶品チーズケーキのあるパティスリーがあるみたいよ」
「それでホールケーキは無理でしょうね。でも、そこのお店ならきっとホールケーキもおいしいでしょうね」
「個人経営でチェーンじゃないけど、見つかるかなぁ…」
「でも、そのお店、探しに行きましょう!」
 3人はそう言いながら地下鉄の改札口に向かって歩き出した。


今回のフォト
                           
今回のソロ・デュオ・チームユニット

あみ


みゃむ&あみ


さやめろさん&あみ&メロディさん


クレアさん&あみ


さやめろさん&あみ


あみ&とみ&れみ


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