第11章 ドリコラフェス
「うーん、期間限定ステージをずっとやってるはずなのに、全然実感なかったけど、やはり本当にそうだったんだなぁ」
あみは出てきたコーデを見て呟いた。期間限定が表示されてから今日まで、他のステージを一切した記憶がないのにステージの看板になっているコーデを殆ど見たことが無かった。それが、ようやく揃ったのだった。
「チームコーデっぽいものなのに、なんでこんなにレアなのかな?」
そんなことを考えながら歩いていると、一枚のポスターが目に入った。
「ドリコラフェス?」
各界のアイドル達の合同ライブだった。既にライブは終わったみたいだけど、映画館では録画のブリックビューイングがあるようだ。
あみはこれまでに見てきた世界で実際に会ったり見かけたりしたアイドルがたくさん出ている。
「以前見かけた異世界のわたしが会っていた異世界のプリズムスタァの人たちも出てるんだな」
異世界のあみは今回出ているなるさんが店長をしている店でコーデの入ったストーンをデコったり、コーデのデザインをしていた。そして、同じく出演しているあいらさん、なるさんとスケートのジャンプでコーデを見せるプリズムショーをしていた。
同じころ、あみは仮想空間のアイドルテーマパーク、プリパラに通っていた。そこで知り合ったらぁらさん、ゆいさんも出ている。
その後、あみは元の世界が小説の中になっている異世界に飛ばされ、そこで一緒に活動したみらいさんも出ているようだ。とはいえ、プリパラ世界で会ったみあさんとプリティーリズム世界で会ったみあさんは別人だったし、プリチャン世界で会ったあいらさん、なるさん、ゆいさんもそれぞれ別人だったから、この世界のあみの事をしっているのかどうかはわからない。唯一確実に知り合いなのは…
「あみちゃん、映画館でまだやってるから、ぜひ見てね」
ちょうど今、ポスターを見ているあみに気付いて声をかけてきたまつりだった。
「大きなイベントなんだね」
「有名なアイドル学校のアイドルも参加するしね」
「それに参加してるまつりちゃん、すごいね!」
「へへへ。ありがとう」
「アイカツ学生の人たちは赤いユニフォームなんだね」
こうしてみると、こちらも見覚えのあるアイドルばかりだ。
「確か、いちごちゃんはドキュメンタリー番組で崖登りしたり、斧でクリスマスツリーを伐採して調達したりしていた人だよね」
「華奢でかわいい感じの人なのに、どこにそんなパワーが…」
他にも、天気予報で毎日見かけていたあかりちゃん、知り合いと同じ苗字なので印象にのこっている虹野ゆめちゃん…そして!
「あ、わたしの心の師の人!」
友達作りの達人のあいね様、相方のみおちゃん、後輩のらきちゃんも出ている。
「あれ?」
一人だけあみの知らないアイドルがいた。
「あ、ハナさんはバーチャルアイドルだから」
まつりが教えてくれた。実際の人が鏡に入るようにアバター化しているらしい。
「中の人は実は二代目って噂もあるらしいよ。ある頃から急に親しみやすいキャラになったから、そんな噂が流れたみたいだけどね」
「そうなんだ」
「あみちゃん、折角その衣装手に入田なら、私と二人でドリコラフェスやっちゃう?」
「いいの?やるやる!」
あみはまつりと二人でライブし、映画館にライブを見に行くことを約束した。
翌日。あみは早速映画館に行くことにした。
「イベントだし、見に来てる知り合いもいるかもだから、フレカも用意しないと!」
あみは映画館に行く前に、フレンドポイントで買った服でフレカを作り、意気揚々と映画館に向かった…のだが。
さすがに平日の昼時。観客は少なく、いい席は取れた半面、フレカを交換する相手もおらず、ライブは満足だったものの、少し残念な気持ちで帰路についたのだった。
今回のフォト
今回のソロ・デュオユニット
まつり&あみ
あみ
前へ・表紙へ・次へ