終章 エピローグ

 街のショーウインドーにはクリスマス関連のものが並び始めている。
「みゃむちゃんがハロウィンに来てくれてから、もうクリスマスシーズンか」
「って、まだ11月ですよ!そもそも、ハロウィンって、昨日ですし」
 あみの台詞にれみが思わずつっこむ。確かに、11月をスルーしていきなりクリスマス商戦を始める商店街もどうかとは思うが、みゃむと別れて24時間経ってないのに回想モードのあみも大概だ。
「あれ?ビデオメッセージ?」
 あみにビデオメッセージが届いた。みゃむからだった。
「おい、あみにれみ!まつりの所へ行ってやれ!まつり、こっちの世界に留学することになったんだぞ!今日はその見送りの会なんだぞ!」
 みゃむはそれだけ言うと忙しそうに走り去っていった。背後ではタントちゃん達や見慣れないおだんごっぽい髪型の人型マナマナが何か作業している。と、みゃむが物凄い勢いで駆け戻ってきた。
「言い忘れたけど、みゃむ様は新プロジェクトの準備で大忙しなんだぞ!みんなによろしくな!」
 みゃむがそれだけ言うと通信が切れた。
「でも、みゃむちゃん、会場とか言いませんでしたね」
 れみが冷静につっこむ。
「とりあえず、フレンドパークの方へ行ってみようか」
「ですね」

 二人が歩いていると、前からひなとあまねが現れた。
「あ、ひな先輩にあまね様!」
「あみ!れみもいるじゃん。二人もまつりの所へ?」
「はい。でも、場所知らなくて」
「じゃ、ついて来な。みるきとあうるは先に行ってるから」
 ひなは、みるきと一緒にあうるをサポートしてプリマジの運営を手伝っている。
「そういえば、先輩たちは引退されるんですか?ラストイヤーでしたよね」
「アタシが運営に入って、年齢制限撤廃したから、まだまだやるよ」
「私は演劇をメインにやっていくので、プリマジから少し離れます」
 ひなとあまねでは対応は異なっているようだ。
「じゃ、やはり、あまね様とはプリマジできないんですか」
「たまには遊びに来ますよ。演劇を糧にした私とまたプリマジしてください」
「楽しみにしてます。あまね様!」
「れもんちゃんは今日は来ないんですか?」
「れもんはプリマジの裾野を拡げるんだって、スカウト活動で遠征中だよ」
 そんな話をしているうちにまつりの所に着いた。みるきやあうるだけでなく、ひぃらぎさんやえりささん、ゆうりさんの先輩プリマジスタ、専属プリマジスタのカレンさん達、他にも大勢のプリマジスタ達が集まっていた。その中にはみか♪さんやてるひさん、きりさん、クレアさん、まみ☆さん、ラヴィットさん達、えいなさん姉妹、あえんちゃさん、にじのエルザさん、よつは☆★♪さん、にぱさん、やすなさんなど、見知ったプリマジスタの姿もあった。

 みゃむが魔法陣からまつりを迎えに来た。
「よし、じゃ、最後に一曲、プリマジをやってまつりを送るんだぞ!お前ら、準備はいいかーっ!」

 みゃむはあみに向かって言った。
「よし、やるぞ」
「え?わたし?」
「全てのフェスをクリアして、まつりとも一緒にプリマジしたんだから、あみが代表だ」
「…わかった。頑張ってくるね」

 あみはスマイルエレメンツコーデで自分の持ち歌でプリマジをした。思えばこのコーデは、目の前にいるみんなとフレンドカードで仲良くなっていったことで獲得したエレメンツコーデだ。それだけに皆との絆を感じられるコーデだ。初めてのプリマジで「わたし、プリマジスタになる」と誓ってから、今までの思い出が頭の中を駆け巡る。その中での多くの出会いが自分を大きくしてくれた。だから、伝えたい。まつりが留学してこの町を去っても、プリマジは自分たちで大きくするって事を。
 あみはイリュージョンの時に思わず叫んだ。

「みんなのおかげ!わたし、最高のプリマジスタになったよーっ!」

(完)


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