第7章 みんなで賑やかライブ(前編)

 あみがれみ、みるきと三人でフレンドパークで雑談をしていた。さっき、通りかかったプリマジスタがはんなりゆかたのピンク色のコーデを着ていたのを見て、確かあれは店舗限定のカラーのはずだから、滅多に見ないね、と話をしていた。
「他の3色はありますけどね」
「さっきの子捕まえて4色ライブしたいな」
「もうどこか行っちゃったお」
「だね…」
 そこであみは、ふと上を見上げた。
「ん?アレはなんだろう?」
 魔法陣のようなものが見える。
「エレメンツフェスの時に出るエレメンツの紋章に似てますね」
 れみが述べた感想がそのまま正解のようだった。
「みるきがブライトネスエレメンツに会った時もあんな感じだったお」

 突然、魔法陣から声が聞こえた。
「私はスマイルエレメンツ。ここで多くのフレンドを作ったあなたを認めます。これらのコーデをあなたに」
 あみの手には見たことのないエレメンツコーデとストロベリーカラーの一般コーデがあった。
「さっそく使ってみるお?」
 みるきに促されてあみはさっそくすまいるエレメンツコーデでプリマジしようとしたら、カードが反応しない。
「あれ?こっち試そうかな」
 あみは咄嗟にもう一つのコーデを着る。こちらもかわいい私服コーデだ。曲をセレクトしようとして、ふと見ると、
「あ、ジェニファーの新曲?」
 あみはさっそく試してみる。
「あれ?何だろ、コレ?」
 曲が始まるとあみの手に剣の柄のようなものが握られている。そこから光の剣が現れる。
「えっ、ビームサーベル?ライトセーバー?それともレーザーブレード?」
 実際、光の剣の名前はどうでも良かったのだが。

「あみ、普段着で剣を振り回すアブナイ人みたいでした」
「まさか剣舞だとは思わなかったよ。他の曲でちょっとやり直してくる!」
 あみはリベンジに向かった。
「同じコーデだと面白みないから、ちょっとアレンジするか」
 あみは他のコーデをミックスしてアレンジしたコーデでやり直しをした。
「そういえば、色違いといえば、この前、ガッチャモールで前にみるきちゃんが着てた服の色違いをゲットしたんだ」
「ファンシードリームの事お?」
「うん。あれで色違いデュオしない?」
「別にいいお〜」
 あみとみるきは色違いライブしたが…
「あみちゃん、帽子が大きいままだお」
 そう。帽子は髪型によって大きさが変わるあみだとみるきのように帽子がちょこんとのっかった状態にはならない。
「あみはお揃いのツメが甘いですね。この前もそうでしたし」
「えっ?何が?」
 れみのツッコミにあみがキョトンとする。
「この前のえりさ先輩とのデュオ、先輩が靴をアレンジしてたのに気付かず、普通のシューズにしてたですよね」
「え?今言われて知った!そうだったの?」
「じゃ、私がリベンジします。みるきさん、お願いします」
 れみがコーデチェンジすると、帽子のサイズもお揃いになった。
「なんか今日はリベンジばっかりの日になっちゃったな」
 あみがそう言いながらプリマジカードを見て気付く。
「あ、エレメンツコーデ、カードが裏向きだ」
 プリマジカードは透明なため、時々裏でも気付かないことがある。ただ、この時、カードを使えなかったのが不幸中の幸いだったことをあみが知るのはもう少し先のことである。

 さて、別の日。
「この前のミックスに続いて、今日もミックスでやろうかな」
 れみはあみが用意したコーデを見て、
「でも、今週のミックスコーデコンテストのお題、全くクリアしてませんね」
「コンテストは出ないよ。もうすぐハロウィンだし、ハロウィンコーデ狙うから」
「コンテストだと通常ラインナップだけですからね」
 あみが一曲終えてふと配信サイトを見ると、
「えっ?この人ってもしかして…」
 れみがあみのスマホを見て、
「プリチャンの時フォロトモになった、にじのエルザさんですかね。もうすぐここに来るって書いてますけど」
 そんな話をしていると、当の本人が現れた。
「あの、あみさんですよね」
「はい」
「以前、プリチャンのフォロチケ交換ではお世話になりました」
「いえ、こちらこそ。エルザさんもプリマジスタになってたんですか?」
「ええ。せっかくですからご一緒しませんか。誰か知り合いがいたらと思ってハッピーセーラーも用意してますので、そのままの私服でも大丈夫ですよ」
 あみとエルザさんがデュオプリマジしているのをれみがモニターで見ていると、
「あみさんの相方さん?」
 声がかかった。
「あ、はい」
 れみは記憶をたどった。たしか、この人もプリチャンでフォロトモだった筈。向こうで会ったことがある。
「クレアさん…でしたっけ」
「そうです。一度あみさんに一緒にプリマジしようと誘おうかなと思いつつ、時間が合わないのかご無沙汰してて」

 そこへあみがエルザさんと戻ってきた。
「あ、クレアさん、お久しぶり!」
「えっと、そちらの方、確かプリチャンのランキングで見かけたような…」
「初めまして。にじのエルザです。確かにプリチャンのランキングには入ってましたが」
「あみさんのお知り合いだったんですか?」
「ええ、昔、近くのおいしいラーメン屋さんを教えてもらって」
「それ以来のつきあいって事です!」
 あみが補足する。
「あとプリチャンプレイヤーだったプリマジスタが一人いれば、賑やかライブを再現できそうですね」
 れみが言う。確かにプリチャンであみはコーデもバラバラで大人数の賑やかライブを頻繁にやっていた。今は5人曲があるので、プリマジで再現しようという事だ。
 あみは暫くキョロキョロしていたが、フレンドパーク内にいる一人のプリマジスタに気付いた。
「にぱさん!お久しぶり」
「あみさん?久しぶりですね」
「にぱさん、プリチャンやってたって前に書き込みしてましたよね」
「確かに…そういえば、このおだんご頭のマイキャラちゃん、あみさんのですか?」
「あ、わたしだ、それ」
 にぱさんからにぱさんのマイキャラ名を聞くと、なんとフォロトモだった。
「よし、メンバーも揃ったし、賑やかライブ再現といきますか」
「祭といえばゆかた!」
 あみははんなりゆかたを選んだ。エルザさんはイメージカラーに合わせてローズクイーンブルーを選び、れみはメルヘンカルーセルコーデを選んだ。
「派手ならこれかな」
 クレアさんはミラクルベアを選び、
「いっそ、電撃エフェクトもいっちゃいましょうか」
 にぱさんはスパークエレメンツを選んだ。
 こうして史上最強レベルの派手な賑やかライブとなったのだった。

 賑やかライブを終えて、折角だからお昼も近いしラーメンでも食べに行こうという話が出た。にぱさんは用事があるからということで参加しなかったので、4人で店に向かった。
「ここのラーメンはAが普通、Bがチャーシュー麺、Cがチャーシュー麺大盛でしたっけ」
「うん。丼がチャーシュー丼だから、軽い気持ちで組み合わせるとチャーシュー祭りになるんだよね」
「ならば、ライスは高菜ごはんのほうが無難ですね」

 一同、ラーメンを食べながら、
「さっきの賑やかライブ、面白かったですね」
「じゃ、あと二人募集して、6人版も午後にやりませんか?」
「やろう、やろう!」
 勢いで、賑やかライブはまだまだ続きそうである。

(後編に続く)


今回のフォト
                     
今回のソロ・デュオ・チームユニット

あみ


あみ


みるき&あみ


みるき&れみ


あみ


にじのエルザさん&あみ


あみ/にじのエルザさん&れみ/クレアさん&にぱさん


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