第5章 おつかれサマー

「暑いね」
「暑いですね」
 あみとれみは買い物の途中でフラフラと飲み物の自販機に向かった。
 買い物とは言っても、大した買い物はせず、ディッパーダンでクレープを食べる方が主な目的のようなものだったが。ディッパーダンはキャンペーンで、クーポンを使えばトッププリマジスタ達のコースターと限定コーデがついて来るのだ。
「クレープの時に飲んだアイスティー、もう汗になっちゃいましたね」
 れみが汗を拭きながら言う。
 あみは自販機の前にたどり着くと、
「何か炭酸系の冷たいのをくーっと飲みたいね」
「チュッパチャプスのストロベリークリーム味のソーダなんてのがありますよ」
「本当だ。でも、別に飴の味にしなくても普通にストロベリークリームソーダじゃダメなのかな?」
「話題性ですかね。確か、チュッパチャプスのロゴはサルバドール・ダリのデザインなんですよ」
「あのジグザグの水路が目の錯覚で滝になってる絵の人?」
「それはエッシャーです。時計がぐにゃっと曲がった絵のほうです」
「あ、あっちか。漫画みたいな形の髭の画家さんだよね」
「そういう事だけはちゃんと覚えてるんですね。それは正解です」

 二人は、そのソーダを飲んで体力を回復させた。
「これだけ暑いと水着コーデとかでライブしたいね」
「プリチャンのサマーメイドコーデみたいなやつですか」
「結構色々あった気がしますが、今年の水着コーデはそういえば見ないですね」
「浴衣はあるのにね」
「でも、フラワーオーバーコーデはちょっと水着っぽいですね」
「あ、それがあるか。次回はそれを用意するかな」

 そんな話をしたこともあり、二人は街角ファッションランウェイで色違いのフラワーオーバーコーデを着てプリマジに向かった。
「今、この前のデュオ大会の出場チームに参加できるキャンペーンやってるみたいですよ」
「そうなんだ。デュオ本人たちの他に運営専属プリマジスタの人たちが同じコーデを着て、五人ステージをするみたいね」
「チラシによると、今月はテクノマジカルとミルキーレモンですね。テクノマジカルにはあいさんがまつりちゃん、さなさんがあうるちゃんとお揃いのコーデみたいです。私はコーデブックについていたテクノマジカルコーデの色違いで参加してみたいです」
「じゃ、わたしはこの前の「めちゃスコ」で買ったホーリーモノクロームコーデの色違いでミルキーレモンとかな。たまきさんがれもんちゃん、まりんさんがみるきちゃんとお揃いみたい」
「さっきのコースター、これを暗示してたみたいですね」
 クレープについていたコースター、あみはれもん、れみはまつりの写真が載っていたものだったのだ。

 そして、プリズムストーンに着くと、あみはかつて見たことのある立て看板がある。
「本日、コーデメイツは夏休み?」
「そういえば、4月1日にもこれがあって、エイプリルフールかと思ったら、本当にコーデメイツがいなかったことがあるんだ」
「そうなんですね…」
 ともあれ、まずはれみがテクノマジカルとのコラボステージに挑んだ。

「えっ?」
 全くコーデメイツが飛んでいない。リズムがつかめず、なかなかワッチャが集まらない!
 ステージを見守るみゃむも思わず、
「あちゃー」
 それでもなんとかコツを取り戻してなんとかステージを終えた。
「おつかれ様でした」
 言ってくれるあいさん達にれみは
「ごめんなさい。せっかくのステージだったのに」
「今日は日が悪かったね。でも楽しいプリマジになったと思うよ」
 まつりがフォローしてくれる。

「よし、次はわたし達の番!」
 あみとミルキーレモンのコラボステージが始まる。あみはエイプリルフールで一度経験していることもあり、すぐにリズムをつかんだ。
「ワッチャフル!」
 みゃむが叫んだ。まぁ、パーフェクトは取れなかったけど、こんなものかな。
「さすが、あみ殿!コーデメイツがお休みでもステージをこなしたでござるな!」
「ありがとう!れもんちゃん!でも、この大階段にコーデメイツたちがいないとちょっと寂しいね」
「それは言えてるお。でも、その分みるき達が目立つから問題ないお〜」
 あみは、みるきのコメントも一理あるかも、と思いつつ、みるきらしいコメントだなと思った。当然それは「イワナイ」けれど。

 何はともあれ、おつかれサマー。


今回のフォト
             
今回のチームユニット

れみ/さなさん&あいさん/まつり&あうる


あみ/まりんさん&たまきさん/れもん&みるき


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