第3章 ふたつのエレメンツコーデ
あみは雑誌を閉じて机の上に置いた。そして、半時間ほど前までその雑誌が入っていたエコバックから雑誌を買ったスーパーのショップブランドのクレープスティックチョコを取り出した。
「さて、ひぃらぎさんの連載も読んだし、お茶にするかな」
お茶を淹れてお菓子を取り出す。このクレープスティックチョコは10本入りの袋が二つ入っていて、それでいてプリマジ一回のエントリー料より安いのでお買い得だ。
あみはひぃらぎさんの連載漫画を楽しみにしているのだが、以前、プリマジのミックスコーデコンテストで本人と会ったことがある。
ティータイムを終えた後、あみはフレンドパークに立ち寄った。すると…
「あっ…ひぃらぎさんだ!」
あみは走っていき、
「いつも連載、楽しみにしてます!」
「え、ありがとうございます!」
「あの、サイン…いや、握手…えっと…」
あみがテンパっていると、
「それなら、一緒にプリマジしますか?」
「ええええええーーーーーーっ!いいんですか!」
あみは頬を抓りつつ、お揃いのコーデでひぃらぎさんとデュオしたのだった。
翌日。
「あみ!なんで私も誘ってくれなかったんですか!」
出会い頭にれみはあみにヘッドロックをかけながら言った。
「ええい、裏切り者―!」
「ごめんごめん。でも、急だったし…」
「まぁ、本気で怒ってるわけではないですが」
実際、れみはじゃれあっているものの冷静だ。
「今回、エレメンツフェスが二つ開催されるみたいですよ」
「そうなんだ」
「二人でそれぞれ挑みますか?」
「だね。じゃ、わたしがブライトネスエレメンツ、れみがダークネスエレメンツみたいな感じかな」
「そうですね。今回はデュオで、例の3チームのそれぞれの相手のポジションでやるようですよ」
「テクノマジカルだと、まつりちゃんかあうるちゃんとデュオってこと?」
「そうなりますね」
「でも、デュオ用のコーデ、まだ揃ってないよね」
「じゃ、それぞれの相手のソロ用のコーデで参加はどうですか?」
「なるほど。それで行こうか」
そして、いよいよフェス初日。あみの相手はあうるだ。そして、あうるのパートをあみ、まつりのパートをあうるがやるようだ。
「あうるちゃん!今日は楽しみだね!」
「近くでより詳しいあみのプリマジデータを集めるため。光の力のブライトネスエレメンツコーデフェス、楽しみ」
「うん!一緒にプリマジ楽しもうね!」
「うん。データを超えるプリマジを目指そう」
れみの相手はまつりではなくひなだった。必ずしも同一チームとは限らないようだ。
「れみー!ダークネスエレメンツコーデフェス始まったねー!れみとの最高のプリマジ楽しみにしてるよー!」
「ひなさん!ありがとうございます!ひなさんのプリマジに負けないようにがんばります!」
「楽しみじゃーん!一緒にがんばろうねー!」
こうして二人はそれぞれ初日を終えた。そして2日目。あみの相手はあまねだ。今回はあまねが本来のパートをやる。
「あまねさん!今日はよろしくお願いします!」
「ごきげんよう!あみさん。あうるさんとのステージ、観させていただきましたよ。私も負けていられませんね。この後のプリマジも楽しみましょう」
「ありがとうございます!がんばりましょう!」
そして、れみはまつりとデュオだ。
「まつりちゃん!この後のプリマジよろしくです!」
「うん!素敵なプリマジにしようね!れみちゃんとひな先輩のステージ観たらワチャワチャしちゃった!」
「ありがとう!この後のステージもがんばりましょうね!」
この日は二人ともゲストの本来の相方のパートをするので、本家と比較されやすい。緊張はするものの、何とか無事ステージを終えることができた。
そして3日目。ここでコーデが揃う!相手はミルキーレモンのそれぞれとなる。
「みるきちゃん!一緒のステージ楽しみだね!」
「やほ〜あみちゃん、ブライトネスエレメンツコーデフェス、楽しみだお〜」
「うん!フルコーデを揃えて一緒にプリマジしようね!」
「あみちゃんに似合うと思うおー。同じステージに立つのが楽しみだお〜」
一方、れみも
「れみ殿!ダークネスエレメンツコーデが集まってきたでござるな!」
「はい!フルコーデで一緒のステージに立つのが楽しみですね!」
「わぁ〜!それはワクワクでござるな!」
「楽しみですね!一緒にがんばりましょう!」
二人とも同じ楽曲で無事コーデが揃った。
「アンコールは二人でエレメンツを着てやりたいね」
「対になるコーデですからね」
ミルキーレモンの二人も応援に来てくれている。
「みるきちゃん!私のステージどうだった?」
「かわいかったお〜。フルコーデのあみちゃんも見てみたいお〜」
「れもんちゃん、私のプリマジどうでした?」
「れみ殿のダークネスエレメンツコーデフェス、最高でござる!」
「ありがとう!アンコールステージも楽しんできますね!」
「うん!わたし達のアンコールステージ!最高にかわいいプリマジにするね!」
「うむっ!2つのエレメンツコーデで最高のプリマジをするでござる!」
あみとれみは対になったエレメンツコーデのデュオでアンコールステージをしたのだった。
フェスを終えて。
「無事、フェスも終わったね」
「楽しかったですね」
「じゃ、打ち上げしようよ」
「そうですね。では、ひぃらぎ先生へのぬけがけの責任を取ってもらいましょうか」
「げっ…わたしの驕りってこと?」
「それもいいですが、これはどうでしょう」
れみは悪戯っぽく笑うとあみにコーデを渡す。
「ウェディング?」
れみはあまねの制服を持っている。白のスラックススタイルだから、新郎っぽくはある。
「プリチャンでのコトバブーケを再現して、あみには私のお嫁さんになってもらいます」
「え?責任取って嫁にもらってくれ、っていうのはドラマとかであるけど、嫁になれって逆な気が…」
「ははは、単なる受け狙いのギャグだからいいんです」
「そういうものかなぁ」>
「だって、婚約前にウエディングドレス着ると婚期遅れるってジンクスもありますし、私が着るわけにはいきませんしね」
「そういう事かー!」
なんだかんだ言いつつ、「天頂のコンフィアンサ」で結婚式デュオをする二人なのだった。
そして、後でライブ中の写真を見て、
「これがベストショットですね」
れみが示した写真は、あみが歌って大きな口を開けている手前をコーデメイツが飛んでいる写真だ。
「わたしがこの子を食べてるみたいじゃない!」
「ファーストバイトですね」
れみが笑う。
「笑うなーーー!でも、確かにわたしらしいかもね」
あみもつられて笑うのだった。
今回のフォト
今回のデュオユニット
ひぃらぎさん&あみ
あうる&あみ
ひな&れみ
あまね&あみ
まつり&れみ
みるき&あみ
れもん&れみ
れみ&あみ
れみ&あみ
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