第6章 混合〜達成
あみは期間限定フルーツパフェパープルコーデがなかなか揃わないうちに手持ちのコーデをほぼ使い切ってしまった。
「今週のめちゃマジ注目コーデは…」
ハートバルーンとガーリーデニムスカイの2種類だった。ハートバルーンはある程度揃っているから、フルで買わなくてもOKだったのだが、たまたまアクセ等の所持コーデを持ってきてなかったので、この日はもう一つのガーリーデニムスカイでステージに立った。
その次は当然ハートバルーンを着たのだが、期間限定コーデはなかなか出てこない。
「仕方ない。家でミックスコーデでも考えるかな」
あみは帰りに食料調達のため、最寄りのファミリーマートに寄り、おにぎりコーナーでふと足を止めた。
「SMAPのおむすび?今頃?」
言わずと知れたアイドルグループだが、解散してかなり経つ。その後活躍した嵐でさえグループでの活動を休止している。
「あ、よく見るとSPAMだ」
モンティパイソンのギャグで迷惑メールのスラングにまでなった肉の缶詰めだ。
「へえ、肉のほかに玉子やツナマヨも入ってるんだ。おいしそう!」
あみはそのおむすびと惣菜を買った。
あみは買ってきた食べ物でミックスコーデをあれこれ考え、4つほどの組み合わせを作った。
最初のものはしっくりきたものの、次のコーデはスカートの質感が浮いている感じがした。
「せめて、最初のスカートが使えたらなぁ」
そこであみは思い出した。プリパラやプリチャンではワンピースからトップスを変更すると、ボトムスは初期化された。プリマジではどうなんだろう?
試してみると、最初のスカートに戻せた。作戦成功だ。
同様に、アクティブダンストップスとヒップホップパープルボトムスを組み合わせると、サスペンダーが重なるが、トップスを初期化すればその問題の解消に加え、色の組み合わせも違和感がなくなった。
そうこうしているうちに、スパークスターブルー、ハロウィンフリルブルー、ヒップホップパープルの残り部位が出て、手持ちのコーデが増えた。
フルーツパフェの色違いを狙って、他のコーデの色違いがどんどん集まるのは不思議な気分ではあるが。
別の日。朝の情報番組を見ていたら、チェック柄のパンツスタイルがトレンドだと言っていたので、先日揃ったコーデを使っているうちに揃ったげんきチェックコーデでライブしようとしていたら、プリチャンのゲームのプレイ動画を見ながらステージの出番を待っているプリマジスタがいた。あみがそれとなくのぞきこむと、なんと、とうかさんのライブフェスを再現したものだった!
「あの、すみません。その動画って…」
「これ、私がフォロチケ集めて作ったものなんです」
「もしかして、メドレーの最後の曲にあみ、れみ、ゆうきってキャラ出てます?あみはおだんごツインの髪型なんですけど」
「わぁ、見てくれた方ですか!確かにその三人、同じ人から郵送で貰ったキャラなので、最後の方でまとめて出てたと思います」
あの世界での出来事はこの世界のゲームの中で再現されていたのだ。
「ちなみに、私のマイキャラはこのあもちゃんってコです」
とうかさんのチームで出番の表を渡してくれたコだ。
「わたしはあみ。おだんごのあみはわたしのマイキャラです」
「そうなんですね!私、ぼたん。フォロチケ、ありがとうございました」
あみは自分が三人のフォロチケを送ったかどうか判らないけれど、そういう事でいい気がした。
そこで、あみはツイッターのフォロワー一覧を見た。とうかさんのアカウントの所にぼたんさんのアカウントがある。
どうやら、今の世界ではそういうことになっているんだろう。
「ぼたんさん、もうすぐ出番ですね。プリマジ、見せてもらいますね」
「じゃ、私も後であみさんのプリマジ、見せてもらってから帰りますよ」
あみはげんきチェックコーデのおかげで、ぼたんさんに会えたのかな、ついでにフルーツパフェパープルも出たりして、と思っていたら、フロートの時、コーデメイツが持ってないフルーツパフェコーデを持ってきてくれた。
「やった!」
しかし、それはフルーツパフェピンクだった。期せずして、もう一方の色違いが揃う結果となった。
「まぁ、これはこれで嬉しいけどね…」
フルーツパフェピンクで挑めば出るかも、と挑んだら、今度はコスメティックが揃った。テレビのCMで出てくるコーデで「めちゃマジ注目スペシャルコーデ」に出てないから、そのうち来るかと思っていてもなかなか来ないので、とりあえずひと安心。
あみはその夜、ぼたんさんの他のつながりを確認しようとツイッターを見た。
にぱさんやクレアさんのアカウントもあった。また、アカウントによっては、全然別の話題をツイートしている人もいる。
「よくわからないけど、あっちの世界のつながりが混ざってるみたい…」
そして、今のコーデが出る最後の週。
あみは情報収集のため、タイムラインを追っていた。どうやら、コスメティックは注目コーデではなかったようだ。
「出て良かった!残りはヘアアクセが3つとフルーツパフェパープルボトムスか」
と、その時、新規フォローの通知が来た。
「みか♪さん…向こうでも会った事はなさそうだけど、挨拶はちゃんとしておかないとね」
翌日。あみは今週の色違いコーデを買いにコーデショップに向かった。
「みか♪さん、今日プリマジしに来るって言ってたな…会えるかな?」
と、モニターを見ると、みか♪さんがステージの最中だった。
あみは暫く待って、ステージを終えたみか♪さんに声をかけた。
「こんにちは」
「あ、昨日の…」
「あみです」
「あみさんもプリマジをやりに来たんですか?」
「コーデショップにも。今回のコーデ、通常のニット帽もなくて、色違いコーデ付きの雑誌も売り切れてて、ニット帽持ってないから絶対欲しくて。その後、プリマジもやりますよ」
「じゃ、見せてもらいますね」
「フルーツパフェパープル、リーチなので出ることを祈りつつやりますよ」
「あ、せっかく知り合ったから、タメ語で話しませんか?」
「いいですよ…いや、いいよ!」
「ありがとう。頑張ってね!」
「うん!」
知り合いが増えたご利益か、なんと、フルーツパフェパープルがついに揃った!
あみは、フルーツパフェパープルを着てステージに、立った後、シーズンの残りを毎週の色違いで残っていたストリートラインピンク、フラワーパターンピンク、ワッペンパーカースカイで終えるつもりが、残り3つが出なかった。
あみはラストステージ、ワッペンパーカーの色違いニット帽を使ったミックスコーデでステージに立った。
フロートでコーデメイツが持ってきたのは、全て持っているものだった。
が、最後に渡されたコーデは通常カラーのニット帽だった!
こうして、未所持アイテムを2つ残して、あみは最初のシーズンを終えたのだった。
今回のフォト
今回のゲストさん
ぼたんさん
みか♪さん
前へ・表紙へ・次へ