第10章 マーメイドグランプリ
あみはその日はミーチル様とお揃いのコーデでリーベさんとアイプリをしていた。

「今日のリーベさんの髪型とコーデ、たまたまだけど、いい合わせになりましたね」
「ですね。今日は楽しかったです」
広場で一回に遊べるのは4人までというルールがある。
「まだいけるけど、オリンピック中継も見たいし…」
あみが帰ろうとすると、声がかかった。
「あみさん。お久しぶりです!」
「初音…さん?」
「はい」
プリマジでセッションイベントをしたグループのメンバーの初音さんだった。
「ユーツがこの前会ったって話していたから、もしかしたら合えるかもと思って広場に来てみたんです」
そうか、ユーツさんの「噂は聞いている」は初音さんの事だったのか!
「せっかくだから、一緒にアイプリしましょう」

「そういえば、近いうちにまたグランプリですね。お互いがんばりましょうね」
そうだった!あみはグランプリのことはすっかり忘れていた。
つい、ブイヤベース味等のフレンチカップヌードルを3種類とも買ってきて、深夜にオリンピック中継を見ながら食べるといった生活を続けている。
柔道だけでなく、ブレイキン、フェンシング、スケートボード、やり投げ、体操等、メダルの期待のかかる種目が多いので、ついつい見てしまう。
「で、寝不足で体調不良ですか…」
グランプリ初日に寝不足でフラフラの状態のあみにれみが呆れたように言う。
「とりあえず、1回戦は私がソロでいきますね」
れみの相手はつむぎだった。
「アイプリ、上手に出来ないこと、ない。前と同じことをやればいいだけ」
つむぎはさう言ってステージに立った。確かに以前見た時と同じ完璧なステージだった。
「じゃ、私は季節感を取り入れたステージにします」
れみはさわやかマリンコーデでステージに立った。




結果はれみの勝利だった。
「ステキなライブ、ありがとう。準決勝、がんばって」
つむぎはこんな時も口調は淡々としている。
「あみ、とりあえず1回戦は突破しましたよ」
「ありがとう。おつかれさま」
「一旦お昼ですから何か食べましょう」
「美味しいもの食べたら復活できるはず!」
「しかし、次の相手はルビーラズリ。強敵です」
「うーん、一度勝てたとはいえ、逆にその強さがわかるもんね」
「まぁ、ランチしながら対策を練りましょう」
「パン、ごはん、麺類、何にしようかな…」
悩むあみに
「ごはん!ごはんはユメおいしいし、力もつくし!」
声がかかった。
「ゆいちゃん?」
プリパラアイドルのゆいだった。
「確かに、ごはん系がいいかもしれませんね」
れみも賛同する。
「二人はグランプリに挑戦してるんだね!がんばってね。ユメ応援してるよ!」
「ありがとう!また今度一緒にアイプリしようね」
殆ど食べるだけの作戦会議の結果、
「よし、ミルコレの動物ロリータ合わせで行こう」
「真逆の路線で勝負ですね」
「真のスターアイプリは誰なのか?私達の実力をお見せしよう!」
二人の前に立ちはだかるルビーラズリはやはりラスボス的な風格だ。実力のすごさは前回見せつけられているので正直勘弁してほしい。



とはいえ、作戦成功。今回も薄氷の上の勝利とはいえ、何とかルビーラズリに勝つことができた。
「決勝進出おめでとう!次は負けないからな!」
次は決勝。ひまり&みつきのはずが…
「えっ?」
1回戦で戦ったはずのつむぎが一緒にいる。
「つむぎちゃんとも一緒にライブしたい!3人いれば友情パワーも無限大!」
3人はシークレットフレンズ∞という新ユニットを結成していた。
先攻のひまり達のステージの後、つむぎがあみのところへ来た。
「つむぎ、あみちゃん達とも友達。不公平よくないからつむぎ、あみちゃんのチームにも入る」
「なるほど。ありがとう。でも、うち、チームコーデとかないよ」
「大丈夫。つむぎ、お店のキャンペーンでポムポムプリンのコーデ持ってる。あみちゃんのシナモロール、かわいい」
「なるほど。私がハローキティ―だと、チームコーデみたいになりますね」
サンリオ広場さまさまである。



サンリオキャラの力は偉大だった。あみたちは無事優勝することができた。
「優勝おめでとう!こんなに楽しいライブは初めてだったぁ!」

グランプリを終えると、あみはすっかり元気になっていた。
「マイキャラフェスも同時開催か…れみの1回戦のコーデ、夏らしくていいよね!あれ借りて夏コーデでフェスもやろうかな…」



あみはフェスを2曲やった後、広場でゆいを捕まえて一緒にアイプリもしていた。

「やれやれ…って、私も人のことは言えませんね…」
れもの手にはあみがフェスを走っている間にゆいとアイプリしてルーレットでゲットしたコーデがあった。
さて、その後はあみの部屋で反省会。
「しかし、オリンピックと重なるとつい見ちゃうよね」
「競技と一緒にパリの色々な名所が見れますからね」
「でも、さすがにモン・サンミッシェルとかは出てこないか」
「遠いですからね。大天使ミカエルの聖堂なんですよね」
「天使さんなんだ」
「剣と盾持って翼付けてる彫刻とかありますね」
「そうなんだ。あんな感じ?」
あみは棚の上に飾ってあるマイティストライクフリーダムガンダムのプラモデルを指さした。
映画の主役機体で、確かに剣とビームシールドを持ち、翼状の戦闘機を背負っている。
「確かに要件だけは満たしてますね…」
「あ、そうそう。今回フレカで学生証(参考資料)作れるみたいね」
「そういえば、制服コーデはありますね」
「アバター化してるし、歳判らないからやってみようか」
「年齢詐称をマシにするため、2年生用にしましょうね…」
二人は制服でバースインした。すると、制服姿のナナミンさんと会った。
「あ、あみちゃん達も制服だね」
「ナナミンさんは1年生用?」
「うん。じゃセンパイちゃんってよばなきゃ」


3人で盛り上がっていると、声がかかった。
「あみ先輩、お久しぶりっす」
ゆいやみちるとユニットを組んでいるプリパラアイドル、にのだった。
「せっかく一緒にステージに立てると思ったけど、制服とサイリウムコーデじゃ×っすかね」
残念そうなにのにあみが、
「わたしがサイリウムコーデに着替えてくるよ」
「それは○っす!」
あみはキャンディアラモードサイリウムに着替えてきて、にのとライブをした。

「楽しかったっす!あたした!」
にのが去ると入れ替わりに、広場に入って来たアイプリは…
「おや、あみさんもみれぃコーデですか!」
にじのエルザさんだった。そういえば、この人もみれぃファンだったはず。
ひみつのプリパラみれぃコーデを着ている。
「ちょうど新旧みれぃ合わせができますね!」

ライブの後、あみたちはエルザさんと打ち上げを兼ねてお茶することにした。
「そういえば、あみさんはマーメイドグランプリには参加されたんですか?」
「幸か不幸かアイスマイリンとはあたりませんでしたが」
初顔合わせの対戦を楽しみにしていたけれど、対戦せずじまいだったのが少し残念だった。
「そういえば、私達もアンコールまで対戦はなかったですね」
「アンコール?」
エルザそんから出た言葉を思わずオウム返ししてしまう。
「アイプリグランプリは期間中何度か開催されていて、合計3回までアンコール参加できるんですよ」
そういえば、前のローズグランプリの時、エルザさんもグランプリコーデ持ってたし、リベンジできるのはいい。
情報を得たあみ達はさっそくアンコールエントリーした。
1回戦はいきなりアイリとのソロ対決だった。
「盛り上がって来たでぇ〜!ウチのライブ、見せつけたるで!」
あみが先日手に入れて気に入っていたレディーフライトコーデで挑んで勝利した。



スターアイプリ一人だったから勝てたものの、二人揃っていれば強敵だっただろう。
「めっちゃ最高やん!準決勝もウチの分までがんばってや!」
準決勝は今度はリンリンとの対戦だ。スターアイプリとの連戦だ。
「何があっても恨みっこ無しです。お互いに頑張りましょう」
勝負に向かうあみをれみが呼び止めた。
「これ、使いますか?」
「さっき、ゆいさんとのルーレットで手に入れたコーデです」
「ファンタジータイムドリームコーデ!これ、当時は手に入らなくて苦労したんだよね。ありがとう!」



コーデの助けもあり、あみはスターアイプリに連勝することができた。
「最高のライブでしたね。サイコー、315…美しい数字の並び…」
念願のアイスマイリンとの対決を経た決勝はひまり&みつきとのデュオ対決だった。今度はお互いつむぎのサポートのないガチンコ勝負だ。
「この前は負けちゃったけど…私たちのキラキラ、みんなに見て欲しい!」
あみ達は初心に帰る意味で、あいらとりずむのコーデで挑んでV2を果たした。



「また一段とすごくなってる…!とってもいいライブだったよ!」

「やったー!V2達成だー!」
あみ達は喜びすぎて、グランプリコーデの購入権をゲットしたにも関わらず、コーデを買いに行くのをすっかり忘れていたのはかなり後になってからのことだった。
前へ・表紙へ・次へ