第11章 東京ガールズコレクション
「たまたまだけど、合わせで出来て楽しかったです」
あみはたまたま同じコーデで広場で会ったさっちゃんと世間話をしていた。
「そうそう、今度の東京ガールズコレクション、アイプリ用の新作コーデが出るそうですよ」
「えっ、そうなんですか？欲しいなぁ…」
その思いは天に届いたようだ。
あみが次にバースインした時、ひぃさんが広場にいた。
「おひさしぶりです」
「あ、ポスターの話した人でしたっけ？」
「はい。その時ご一緒したあみです」
「じゃ、一緒にアイプリしますか？」
ステージが終わると、
「あ、そうそう。今、キャンペーンでこのカード配ってるんですけど」
ひぃさんがくれたのはフレッシュレモンの東京ガールズコレクション限定カラーのコーデを着たみつきのカードだった。
「これがあればＴＧＣのイベントに参加できますよ！」
「うれしい！ありがとう！」
ひぃさんのおかげで無事限定コーデをゲットしたあみとれみはコレクション会場に来た。
「なんか、すごいですね」
今、ステージの上にはみつきが立っている。
「この後共演すると思うとさすがにドキドキするね」
「確かに、あみからいきなりＴＧＣのランウェイに立つ
と聞いた時は正気の沙汰じゃないと思いましたが…」
「でも、ワクワクもしてるよね」
「確かに楽しみです。でも、緊張しますね」
あみとれみは２種類のコーデを着て、ステージに立った。
さすがに緊張のあまり段取りを誤って、あみはステージ上でみつきにぶつかりそうになった。
「あっ！」
「大丈夫、大丈夫」
こんなハプニングもアドリブで流して、とりあえず何とかなった。
最後には二人も慣れて、堂々とランウェイを歩いて出番を終えたのだった。
「お疲れ様！」
「緊張したけど楽しかった！」
あみは会場を出た。会場の裏手はあのサンリオ広場だった。
「こんなに近かったんだ」
あみは広場に行った。そこで、以前フェスの事を教えてくれた割にはなかなか会うことのなかったアイプリを見かけた。初めて見るクロミコーデを着ている。
「こんにちは。チィさんでしたっけ」
「そう！私こそが一番星になる、最強のアイプリ、チィよ」
「一緒にアイプリしませんか」
「そうね…てか、あなた、このチィでも出来なかったバズリウムチェンジをしたり、ルビーラズリに勝ったりした子？」
「ええ、まぁ、多分それ、わたしです」
「そうね。私もバズリウムチェンジを教わりたいし、付き合ってあげてもいいわ！」
「ありがとう！」
「どうせなら、隣のＴＧＣのステージでアイプリするわよ！」
「えっ？」
「だって、私がイッチバーン！だから、観客も喜ぶはずよ！」
まさか、再びあのステージに立つとは…
嵐のような東京ガールズコレクションを終えて、翌日、あみはチィとのルーレットで手に入れたクロミコーデで広場に来た。
と、いきなり意外な人物に声をかけられた。
「あみちゃん」
「ファララ？」
あみは何度か異世界転移し、プリパラにいたことがある。ファララはその時出会った時の精霊だ。どうやら、その時の事を覚えているらしい。
「あみちゃんの願い、叶ってよかった」
もしかして、精霊の奇跡でＴＧＣに出た？それとも、時空を超えて彼女と再会出来た事？
「また、別の世界で一緒にステージに立つなんて、確かに奇跡かもね」
しかし、時の精霊ファララがこの世界に来たことで、一部の時間が歪んだりしないのだろうか？そういえば、あいらさんやらぁらはわたしが会った頃と変わっていないような気がする。
「あ、あみ。ここにいましたか」
ファララと別れたあみのところにれみがユーツさんと初音さんを連れてやってきた。
「お二人がマイメロコーデを持っているので、そのクロミコーデで私たちとマイメロ合わせをしようかとなりまして」
「楽しそう！でも、ユーツさん達が悪役でいいの？」
「メロディが主役では？」
「そうだっけ？コラボとかマスコットとかではクロミを良く見かけるから」
「確かに、マイメロって、メロディの天然ボケのせいでクロミが怒って悪役みたいな話多いかも」
「そうそう。クロミが楽しみながら進めてたゲームをメロディが「クリアしておいてあげたよ」って留守中に勝手に終わらせたり」
「悪気がないから余計にたちが悪いという…」
「その回、ネットでマイメロを白い悪魔って書いてる人いましたね」
「まぁ…とりあえず、交代でパシャリングしよ！コーデはどっちもかわいいし！」
れみはユーツさんと組んでパシャリングを楽しんだ。
同じようにあみは初音さんと組んでパシャリングを楽しんだ。
「うーん、楽しいことが多すぎて、何の夢が叶ったのかますます判らなくなった」
「夢…ですか？」
初音さんがあみのつぶやきに反応する。
「うん…広場に時の精霊が降臨した時に夢が叶うって言われたんですけどね」
「私は…赤ずきんのコーデが揃ったことですかね」
「夢のあるコーデだね！後で一緒にライブしたいかも」
「ユメ面白そうな話が聞こえたんだけど」
広場にはゆいがいた。
「そういえば、ゆいちゃんのコーデ、れみが当ててくれたっけ」
「それ、きっとユメかわいい！ユメ見てみたい！」
「ナニナニ？ユメのおハナシ？」
広場に居合わせたナナミンさんも話に乗ってきた。
「ナナミンもいいユメみれそうなコーデにキガエてくるね！」
あみはいつの間にか夢３連続ライブをすることになった。
まずは初音さんと。
続いてはゆいと。
ラストはナナミンさんと。
「そういえば、ナナミンさんは別の用事で広場に来てたんじゃないですか？」
「アイリさんのコーデがソロったから、アワセしたいなって」
「わたしで良ければ合わせできるよ」
「じゃ、やろう！」
あみが連続ライブしている間、ユーツさんとお茶していたれみが戻って来た。
「あ、れみ！ちょうど良かった！リンリンさんのコーデ持ってるよね」
「はい、ありますが…アイスマイリンなりきりでもやるつもりですか」
「うん！」
「しかし、やっぱりれみと一緒が一番落ち着くね」
「そうですか。まぁ、長いつきあいですしね。夏も終わりが近いですし」
「二人でひまわりコーデで夏の名残を楽しもうよ」
「そういえば、ひと昔前にひまわりの曲、流行りましたね」
「♪あなたにとっては突然でしょう ひまわりの咲いてる道で 出会ったことが♪」
「それ、この前「昭和の曲」でやってたやつじゃないですが！もっと最近ですよ」
「♪麦藁の帽子が♪」
「それ、ひまわりじゃなくて「マリーゴールド」です」
イントロクイズのように歌いかけた瞬間に突っ込みを入れる。
「ドラえもんの映画のやつですよ」
「あ、あったね」
どこまでがボケなのか判らないあみに苦笑するれみなのだった。
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