第8章 イベント盛りだくさん
れみがプリズムストーンへ行くと、先日ひまりとみつきがデュオライブした時のフレッシュレモンコーデの色違いの配布イベントをしていた。
「これは並んでゲットするしかないですね。あみ、きっと喜びます」
あみは時計を見た。
「あみに会うまで時間がちょっとありますし、このカードでひまりちゃんをリクエストしてコーデをゲットしておきましょう」
れみはバースインしてひまりとアイプリし、ルーレットでコーデを当ててから、あみの家へ向かった。
「あの赤いぬいぐるみ、パリだしエッフェル塔かな?」
「フリージュは民衆を率いる自由の女神がかぶっていた帽子ですよ」
「そっか。あの子は帽子のマスコットなんだ」
れみはあみの部屋を訪れ、一緒にお茶していた。テレビをつけるとたまたまニュースをやっていて、開幕が近づくパリオリンピックのメダル候補の選手を紹介していた。
「ブレイキンの人、わたしと同じ名前だね。応援しなきゃ」
「男女ともメダル有力らしいですし、楽しみですね」
オリンピックの次はメジャーリーグ。大谷選手がホームランを打ち、盗塁、本塁打の記録更新がかかったニュースだ。
「打者に専念したらこの活躍。すごいね」
「しかし、国際ニュースの殆どがスポーツの話題ということは、大きな事件はなかったんでしょうね」
「…そうでもないみたい」
次に入ったのはガザ情勢。イスラエル軍とハマスの戦闘のニュースだった。
「報道番組なら、こっちを先に時間取りそうなものですけどね…」
その後は国内。荒れる都知事選挙のニュースだ。
「大変なことになってますね」
「わが兵庫県も他人事じゃないかも」
次のニュースは兵庫県知事のパワハラ等の疑惑に関するニュースだった。
「確かに知事選挙あるかもですね」
「でも、今のわたしにとっての気になるニュースは」
「アイプリの各種イベントですね」
れみはお土産のコーデをあみに渡した。
「わ、すごい!ありがとう。各種イベントに備えて練習がてらバースインしようよ。これも後で使おう」
「ですね」
「ラブリーとクール、両方のアイドル基本コーデの青があるんだけど、シャッフルしてみる?」
「微妙に色合いが違いますね。そのままいきましょう」
「よし。じゃ、行こうか」
あみとれみが早速ブルーアイドル合わせをして広場に戻ると、そこにいたアイプリと目が合った。
「ごぶさたしてます」
「まみ♪さん?お久しぶり!」
以前プリマジスタとして何度か共演したまみ♪さんだった。
「せっかくだから一緒にアイプリしよう!さっき配布イベントでゲットしたコーデあるし!」
「あ、そうですか?そのままでも大杼アブですし、今度はラブリー版でも…」
「そうかな…珍しいコーデだと思っただけど」
「もちろん、せっかくなので限定コーデはありがたいです!限定コーデでいきましょう」
「じゃ、決まりですね」
「まみ♪さん、それ、あいらさんのコーデのリメイクですよね。私、旧のコーデ持ってるので着替えてきますね」
こうして、まみ♪さんとの連続ライブでこの日は終了した。
そして、レイニーツアーに二人は参加した。あみとれみは限定Tシャツをゲットし、デュオライブを楽しんだ。
「でも、終盤は3色あるはずだよね」
「そういえば、少し前から始まってたんでしたね。まぁ、私はお揃いでライブしたし、別に構いませんが」
れみが帰った後、
「なんだか気になるなぁ…何か秘密があったりして」
あみは気分だけでもとひらめき探偵コーデを着て再びツアー広場へ向かった。恐らく、先日見た配信で「アイプリ探偵団」をやっていたので影響を受けただけなのだが、本人には自覚はなかった。
「あれ?あみさん?どうしました?」
「しめじさん?」
この前会ったしめじさんだった。あみが事情を話すと、
「面白そう!捜査に協力します!というか、単に遊びたいだけですが…」
「まぁ、わたしもそうですけど」
結局ツアーには何の秘密もなく、あみは色違いをゲットしたのだった。
「せっかく色違いをゲットしたんだから、使いたいな」
あみがそう思っていると、連絡があった。
「あ、クレープ屋さんで知り合ったりささんからだ!」
りささんからのアポの通りに広場へ行くと、りささんはいなかった。代わりにあみ同様誰かを待っているようなアイプリが一人いるだけだった。
あみはそのアイプリと目が合った。
「あ、どうも…もしかして、イメチェンしたりささんじゃないですよね?」
「えっ?あなたもりささんに?」
どうやら、りささんが間違えてアポを取ってしまったようだ。
「りささん、時間間違えたみたいですね。あ、私、あつ☆でんしといいます」
「えっ?わたし、あみです!昔プリチャンでフォロチケ交換していただいた事ありましたよね」
「そういえば、なんとなく聞き覚えがあるような…」
「偶然とはいえ、りささんのおかげで再会できたし、一緒にツアーを楽しみましょうか」
「ですね。折角の機会ですしね。
こうして、レイニーツアーは波乱のうちに終わったのだった。
数日後、あみは独りでバースインした。この前まみさんがラブリーアイドルでも、と言ってたし、試しに着てみたけど、広場にまみさんはいなかった。
しかし、広場に見たことのある三人組が入ってきた。
「あっ。あれは!」
あみが声をかけると、
「かほちー」
「わかな!!!」
「★あと★」
「アイプリ部でーす!」
やはりそうだ。ミーちゃんねるを超える登録者数を誇るアイプリ公式チャンネルの人たちだった。
「あの…握手してくたせさい!」
ミーハー魂丸出しのあみに、
「どうせなら、一緒にアイプリしましょうか」
「ええーーーっ!いいんですか?ぜひぜひ!」
あみは三人と連続してアイプリを楽しんだ。
最初はかほちーさん、次いでわかな!!!さんと、
最後に★あと★さんとアイプリを楽しんだ。
暫く歩いていると声がかかった。長い黒髪のアイプリだ。さっきまで気配が無かったのであみは少々驚いた。
「私はつむぎ」
「わたしはあみ」
「あみちゃん、この前、ひまりちゃんとアイプリしてた」
限定コーデゲットの時の事かな?
「ひまりちゃん、楽しそう。つむぎ、うれしい」
「つむぎちゃん、わたし、そのコーデの色違い持ってるから、一緒にプリマジしよ」
つむぎは頷いた。
一曲終わると、
「あみちゃん、七月らしいコーデある?」
「ひまわりならあるけど」
「ちょっと待ってて」
つむぎは一瞬で消えてコーデチェンジした。七夕をイメージしたミルキーウェイコーデだ。
さすがに長い黒髪が和装コーデが似合っていて、文句なしにかわいい。あみもつい見とれてしまった。
「今夜は七夕。アイプリバース、夢、叶う場所」
「そっか。そうだった!」
通常イベントをすっかり忘れていた!
七夕ライブを終えて広場に戻ると、
「あ、あみちゃん!ひまわりのトップス、やっぱりカワイイよね!」
ナナミンさんがいた。
「あれ?ちょっと雰囲気…」
「ムカシのカミガタにもどしてみたんだけど」
「そうなんだ。そのミックスに合ってるね。わたしもやってみようかな」
「色違いのお揃いライブ、楽しいな。そういえば、初音ミクの色違いゲットしたけど、本物とライブしたいな…」
そんな事を考えていると、広場に初音ミク本人が入ってきた。
「本当に夢が叶う場所なんだ…」
念願の初音ミクとの色違いを終えて、
「メタバースだし、ボーカロイドが居ても不思議はないか」
「ボーカロイドじゃなくてボーカルドールだよ」
「ファルル?」
プリパラのボーカルドールのファルルが広場にいた。もう何でもアリな状態だ。
こうして、つぎはボーカルドールとボーカロイドコスプレの共演であみの七夕イベントは幕を下ろした。
そして、いよいよ第1回グランプリの開催日だ。
1回戦の相手はみつきだった。いきなり強敵だ…
「とうとう始まるね!私の気持ちを全部のせて届けたい!」
みつきとの対戦だったら、やはり思い出の詰まったアイスブラウニークレープコーデで挑んでみよう。
曲が終わると運命のジャッジタイムだ。バズリウムチェンジも出なかったし、ここまでかな…
…結果はギリギリの勝利だった!
「私、ここから見る景色が大好き!ありがとう!準決勝がんばってね!」
みつきに見送られて準決勝へとコマを進めた。
準決勝の相手はひまりだった。デビューから毎回バズリウムチェンジを出している。
「勝てるのかな…?」
「緊張してるけど、楽しみだよ!絶対に負けないからね!」
ひまりに対抗するには、ベテランプリズムスタァのりずむと同じ衣装で挑んでみよう。
曲の途中で会場のボルテージが上がる。行けそう!
「バズリウムチェンジ!」
あみのコーデが変化し、光った!バズリウムチェンジ成功だ。
当然ひまりもバズリウムチェンジしていた。
結果は…あみの勝ちだった!
「はぁ〜、楽しかった〜!ありがとうございました!決勝がんばってね!」
ひまりの言葉を受けて、あみは決勝へと進んだ。
決勝はデュオ対決だ。
「お待たせしました」
れみが控室に入ってきた。
「初めてアイプリでデュオしたセーラーカジュアルコーデで行こう!」
「はい!がんばりましょう」
対戦相手は予想通り、ルビーラズリだ。
「やはりね…」
「今こそ決めよう!アイプリの頂点を!最高の輝きをお見せしよう!」
あみとれみは兎に角集中してライブした。しかし、バズリウムチェンジは起きなかった。
しかし、奇跡が起こった。ルビーラズリもバズリウムチェンジしなかったのだ。
そして、運命のジャッジタイム。結果は…
薄氷を踏むかのようなあみたちの勝利だった!
「嘘!夢みたい!あのルビーラズリに勝てた!」
「君には実力がある。どうしてだろう…君を見ているとワクワクが止まらなくなる!」
そして、優勝者のあみが手にしたのは賞品のグランプリコーデ…の購入チケットだった。
「えっ?購入の権利が賞品?」
「でもまぁ。後で買いに行きましょう」
去ろうとする二人をサクラが呼び止めた。
「どうしたんですか?」
「スターアイプリは私とタマキだけではない。もう一組のアイスマイリンを今度紹介しよう」
「ありがとうございます!」
…こんなすごいアイプリがまだいるのか…
「来週あたりから、リクエストできるアイプリカードも出るはずです」
タマキが教えてくれる。カードを配布してないからこれまで見たことがなかったのか。
翌日、あみはグランプリコーデを買ってお披露目しようと広場に行くと、青いグランプリコーデを着たアイプリがいた。
「やはり、あみさんもここへ来て、グランプリを取りましたか」
「もしかして、にじのエルザさん?」
プリチャンの頃から長い付き合いのあるエルザさんだった。
「色違いライブ、しませんか?」
「お誘いいただき、あだます!」
エルザさんはひまりのモノマネで応えてくれた。
お披露目ライブも予想以上に豪華に出来た。その後、オーディションに行こうとすると、
「カードが切れてるからここでは出来ません」
と断られてしまった。あみは仕方なく隣の会場へ行った。そこで配られたカードは…
「アイリ?誰?」
初めて見るアイプリだった。試しにリクエストしても反応なしだったので、あみは自分でステージに立った。
合格後に追加で1枚カードを買うと、
「リンリン?もしかして、来週からリクエストできるスターアイプリ?」
あみは2枚のカードを写真に撮ってアップしてみた。
翌日。
通知画面が恐ろしいことになっていた。
「閲覧数が6万件超えてる…」(参考資料)
ある意味、最後の最後までイベントになってしまったのだった。
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