第7章 みーんな友達

「要る物はコレとコレと…」
 あみは近所の100円ショップに日用品の調達に来ていた。そして、レジへ向かうのだが、そこにトラップがある。レジの横が駄菓子売り場なのだ。
「おお、クレープロールクッキーのレモン味が2個で100円!え?何これ?しみチョココーンの輪切りじゃないやつ?」
 コンビニ等で売っている星形のお菓子が棒のままになっている。
「しかも3本100円って!」
 こうしてついつい買いすぎてしまうのだ。更に、お菓子は消費税が8%なのでちょっと得した気分になる。
「さて。お菓子はれみへのおみやげにしようかな」
 あみはお菓子を持ったままバースインした。

 アイプリバースを歩いていると、
「もしかして、あみぷり?」
「みれぃさん?」
「らぁらから話を聞いて、もしかしたらって思ったぷり。ただ、あみ達がプリパラに来てたのは随分前だから、オールフレンズイベントで知り合ったプリマジスタのまつりにも聞いてみたぷりよ」
「会えてうれしい!あ、このクレープロール、よかったららぁらちゃんと食べて」
「ありがとうぷり。そふぃもどこかその辺りにいると思うから3人でいただくぷりね」
「せっかく会えたし、一緒にアイプリしよ」
「もちろんぷり!」
 
 あみはみれぃと別れた後、れみと合流した。
「アイプリバースだと、家が少々離れてても会えるのがいいですね」
「だね!」
 
 あみとれみがパシャリングを楽しんで広場に戻ってくると声がかかった。
「あみちゃん!こんにちは」
「あっ、ナナミンさん!」
 先日のクレープの時に知り合ったナナミンさんだった。
「じゃ、アイプリできるのは二人ずつだから、交代でやろうか」
「まずは…ドッチとイッショにしようか?」
「そのスターパーティーコーデ。似合ってますね。私も好きなコーデなので私でいいですか?」
「ヨロシクね。えっと…」
「れみです。クレープ屋さんではほぼ入れ違いでしたからね。よろしくお願いしますね」
 
 そして、次はあみの番だ。
「コーデチェンジするけどナニがいいかな?」
「ハニービーとかはどうかな」
「いいね!それでいってみよ!」
 
 そのパシャリングを見ながら…
「森の中の写真は雰囲気ぴったりだけど…」
「みつきちゃん壁紙の写真、たまたまだけど二人の頭からみつきちゃんが生えてるみたい…」
「モリであつめたエイヨウをみつきちゃんにあげてるみたい」
「冬虫夏草ですか…」
「あ、栄養といえば、このしみチョココーンの棒、ちょうど3本あるから食べようか」
「アリガトウね!」
「しかし、あみはいつも何かしら食べ物を持ってますね…」

 一旦解散した後、あみはコーデチェンジした。
「へへへ。この前タマキさんが着てたコーデ、あやかって着てみよう」
 うきうきした気分で広場に行くと、
「誰か、一緒に遊びませんか」
 声をかけているアイプリがいる。あみが応じようとすると…
「もしかして、あみさん?」
「もしかして、こくてんさん?」
 プリマジスタジオで一緒にライブしたこくてんさんだった。
 さっさく一緒にアイプリしたものの、あみがバズリウムコーデではないからこくてんさんが折角バズリウムコーデを着ていても光らない。
 
「光るかどうかわからないけど、着替えてみるね」
 あみがバズリウムコーデに着替えると、二人のコーデが光った。
「まぁ、光っても光らなくても楽しいですけど、光って良かったですね」
 
 こくてんさんと別れて広場へ戻ると、広場にポスターで見たことのあるP丸様。らしき姿が!
 あみが声をかけると彼女は頷いて一緒にアイプリしてくれた。と、
 


「あっ、ぴーちゃん、こんな所にいた」
 どこかで見たことがあるような…
 あみは思い出した。タイムラインでよく見るイラストだ。
「もしかして…絵師のしめじさん?」
「はい」
「いつも可愛いイラスト見てます。あみっていいます」
「え、あ、どうも」
「そのコーデ、色違いがあるから、合わせでアイプリしませんか?」
「合わせって楽しいですよね!」
 
 二人を見送りながらあみはふと思った。
「あのぴーちゃんと呼ばれた人って…」
 まあ、もともと芸能人みたいなものだし、ヒーローショーでヒーローと握手するのと同じかもしれないけど、楽しいからまぁいいか。

 そんな事を考えていると、ポツポツと雨が降ってきた。
「仮想空間でも雨降るの?」
 そんなあみに傘を差しだしてくれたのは…
「えいなさん?」
「あみさん?お久しぶりです!すごい偶然!」
「雨降るなんてびっくり」
「近々、レイニーツアーとかやるみたいですよ」
「なるほど。ところで、それってらぁらちゃんのコーデのリメイク版?」
「ええ。ルーレットで当てて」
「じゃ、わたしは元の着るから新旧ライブしましょう」
 
 ライブが終わると雨は上がっていた。
 そして、広場に戻ると…
「ぷしゅー」
 広場の隅でくらげのように倒れてる人がいる。こんな行き倒れ方かる人物は一人しか思いつかない。そもそも、みれぃに会った直後だ。間違いない。

 あみは広場を歩いていたアイプリに声をかけた。
「あの、すもません…」
「はい…えっ?あみさん?」
「クレアさん!」
 プリマジでよく一緒にライブしたクレアさんだった。
「アイプリでも一緒にライブしますか?」
「お願いしますね。でも、その前に、梅干し持ってたりしません?」
「さすがに梅干しは持ってないです。でも、そこのセブンにあるかもしれませんよ」
「確かに」
「私も後で蒙古タンメン買いに行こうかと思ってたし、一緒に行きますか」
「あれ、辛いからわたしは他のラーメンにしようかな」
「梅干しを買うのでは…?」
「あっ、そうだった。ははは…」

 あみはセブンイレブンで「セブンプレミアム・金の梅干し」を買った。
「これなら効きそう!」
 あみは広場の裏手に走る。
「一体何が…?」
 事情の説明を一切受けていないクレアさんもとりあえずついて行く。

 あみはそこで行き倒れている人物の口に梅干しを入れた。
「レッドフラーッシュ!」
 蘇った。やはりプリパラの神アイドル、そらみスマイル最後の一人、そふぃだった。
「ありがとう。小鳥ちゃん達。あら、久しぶりね、あみ」
 らぁらから話を聞いていたのか、すぐにあみだと気付く。
「せっかくだし、一緒にアイプリを楽しみましょう」

 あみはまずクレアさんとコーデを合わせてアイプリした。
 バズリウムで合わせたけれど、今回は光らなかった。
 
 そして、そのまま続けてそふぃとアイプリを楽しんだ。
 
 そろそろ帰ろうかと歩いていたら、れみが戻ってきた。
「私が用事をしてる間、ずっとここに居たんですか?」
「何だかんだで」
「相変わらずというか…」
「そうそう。このコーデ貸すから花モチーフライブしない?」
「私がチューリップであみはひまわりですか」
「うん。チューリップ、星2コーデなのにルーレットでなかなか当たらなくて、やっと手に入れたんだけど、自分で着るだけじゃ勿体ないから」
「なるほどね。わかりました。やりましょう」
「ラストはやはりパートナーと締めないとね」
「私はたまたま来ただけですが…」
「いいから、いいから」
 相変わらずな二人なのだった。
 



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