第5章 再会

「このハッピーチアコーデ、かわいいよね」
「うん」
 あみはみつきと色違いコーデでパシャリングを楽しんでいた。
 
「そういえば、グミに付いてるアイプリカードにも色違いがあるみたいよ」
「カード付きのグミ出てるんだ…今度見てみるね」

「それにしても、色違いライブって楽しいな…」
 あみは広場で色違いライブできそうなアイプリを探していたら、ラブリーアイドルコーデの色違いを着たアイプリがいた。
 見たことはある気がするけど、面識はない。名前も知らないし、配信で見たわけでもなさそうだ…
「あ、思い出した!」
 あみはそのアイプリに声をかけた。
「こんにちは。スプリングツアーの告知ポスター(参考資料)の人ですか?」
「え?よく気づきましたね!うれしい!そうです。私はつぅと言います。確かにポスターに載ってます」
「わたしはあみです。一緒に色違いライブしませんか?」
「いいですよ」
 

 あみはつぅさんとのライブの後、みつきから聞いた話を思い出し、さっそく近所のスーパーのお菓子売り場に来た。
「さてさて…あ、あったあった」
 すでに結構売れていたのか、幾つかしか残っていなかったが、手に入れることは出来た。
「よし、帰ってお昼食べながら開封しようっと」
 そこで気付く。
「ついでにお弁当買えば良かったな…」
 再び戻ってレジ待ち列に並ぶのも面倒なので、帰り道のファミリーマートに寄ることにした。
「へえ。ペヤング焼きそばスパイシーカレー味なんてあるのか…」
 珍しいものを見つけるとついそれを選んでしまう。と、レジ横のお菓子を買うと貰えるクリアファイルが目に留まる。
「あ、『ぜんりょくじょしかくめい!』歌ってる人のクリアファイルだ」(参考資料)

 こうして、おやつにグミがあるのに対象のチョコをついつい買い足すのだった。

「うーむ、汁のないカレーカップヌードルみたいだな…」
 インスタントのカレー焼きそばを食べながらあみはグミを開封して出してきたカードを眺めている。
 ハッピーチアの色違いもあったが、普通の色のものも持っていないぷるるんゼリーやポッビンハートバズリウムコーデの色違いが出たのはラッキーだった。
「星4つなのにチャンスカード!」
 あみはみつきと同じミラクルムーンバズリウムコーデは持っていたが、ポッビンハートバズリウムコーデは持っていなかった。

 そんな経緯で手に入れた新しいバズリウムコーデであみがアイプリ広場に行くと、りずむに会った。
「あ、あみちゃん!久しぶり!」
「お久しぶりです!」
「一緒にアイプリする?腹ごなしにちょっと動きたいと思ってたから」
「腹ごなし?」
「この後、焼き肉食べるんだ。肉、肉。にっくー!」
「いいなぁ…」


 そして、りずむの次に出会ったのが…
「…もしかして、あみちゃん?」
「えっ、まつりちゃん?」
 有名なプリマジスタのまつりだった。あみもプリマジスタ時代は何度も一緒にライブしたものだ。
「プリマジスタだった子が結構ここに来てるって聞いて、みんなに会いたくてみゃむと一緒に来たんだけど…」
「じゃ、みゃむちゃんもいるの?久しぶりに会いたい!」
 みゃむは自称「大魔法使い」のマナマナで、プリマジの魔法のステージでまつりをはじめ、多くのプリマジスタのパートナーをつとめ、あみのパートナーになったこともある。そして、最近までは番組『プリマジスタジオ』のMCとして活躍したため、プリマジスタである意味最も有名な人物でもある。
「みゃむは知り合いを探して走り回ってるみたい」
「知り合い多いものね」
「で、たまたま、あうるちゃんの声が聞こえた気がしてそっちへ行ったんだけど…」
 あうるはまつりのデュオのパートナーで、あみも面識がある。
「残念ながら人違いだった。でも、その声の主のアイプリとは友達になったんだ。ひまりちゃんっていうんだけど…」
「ひまりちゃんならわたしも知ってるよ」
「うん。ひまりちゃんからあみちゃんの話聞いて、もしかしたらと思って広場に来たから」
「そうなんだ。でも、会えてわたしも嬉しいよ!」
「せっかくだから一緒にライブしようか」
「うん!もちろん!」
 

 まつりはライブの後、みゃむを追って広場から去っていった。そして、入れ替わるようにひまりとみつきが広場にやってきた。
「あ、あみちゃんだ」
「こんにちは!さっきまつりちゃんと会ったよ。ひまりちゃん、ありがとう」
「そうなんだね。よかった!ところで、そのバズリウムコーデ、私のと色違い?」
「うん!色違いでパシャリングしようよ」
 二人でパシャリングステーションに入ると…
 突然照明が一段暗くなった。
「えっ?何?」
 二人が驚いていると、コーデがバズリウムチェンジの時のように光りだした。
「すごい!光った!」
 

「バズリウムコーデ同士だと光るのかな?」
 あみはミラクルムーンバズリウムに着替えてひまりと合わせてみたが、コーデは光らなかった。

「コーデの種類が同じだと光るとか?」
 みつきとお揃いでライブするとコーデが光った。
「正解かも」
「たまたまかもしれないけどね」
 
 そんな話をしているとまつりが戻ってきた。
「みゃむを見なかった?」
「こっちには来てないけど」
「そう…あっ、ひまりちゃんもいるんだね」
「こんにちは。お友達探してるなら、アイプリしたら気づいてくれるかも!」
「そうね、あみちゃん、一緒に出てくれる?あみちゃんと一緒なら、みゃむも気づきやすいかも」
 まつりはみゃむが城すいよう、プリマジで愛用していたハートフェザーコーデに着替えた。
「よし!レッツアイプリ!」


 しかし、結局みゃむには会えなかった。あみはまつりと再会を約束して一旦帰ることにした。
「次はみゃむと離れずにいないとね」

 数日後…
「あみちゃん…面目ない」
 まつりとあみは再会したものの、みゃむとは再びはぐれてしまったのだった。
「とりあえず、一緒にアイプリして目立ってみようよ」

 そして、あみはルーレットでまつりとお揃いのシューズを手に入れ、それを使ったミックスコーデに着替えた。
「これで少しでも…」
 あみはミックスコーデで近くにいたアイプリをライブに誘おうとして気づいた。
「あの、つぅさんと一緒にスプリングツアーのポスターに載ってた人ですか?」
「え、びっくりしたぁ!覚えてくれてる人いるんですね。はい。ポスターでつぅちゃんの隣にいたひぃです」
「一緒にライブしてもらえますか?」
「いいですよ」
 

「今のライブで…」
 あみが言いかけると…
「あみー!やっと見つけたんだぞ!会いたかったんだぞ!」
 何者かが、とんでもないスピードであみに駆け寄り、思い切りハグしてきて、あみはそのまま思わず尻餅をついてしまった。
 もちろん、それはみゃむだ。
「いたた…みゃむちゃん!やっと会えたね!」
 こうして、あみはみゃむと再会し、一緒にアイプリすることが出来たのだった。


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