第1章 バースイン!

 ひょんなことからアイプリバースに入ったあみ。せっかくだからコーデチェンジも楽しみたいと思っていたら、耳寄りなニュースが入ってきた。
「元プリマジスタ限定セール?」
 プリマジスタの証でもあるプロフカードを持ってプリズムストーンへ行けば、コーデを買えるというのだ。
「ルーレットより手っ取り早いかもね」
 あみは売りに出ているコーデを見た。プリマジチェックコーデのヘブンズカラー。当時でも見たことのないコーデだ。
「ヘブンズなんてなかなか出なかったのに、随分と簡単に手に入るようになったんだね…」

 あみはコーデを買うと、家に戻って姿見にブレスの光を当てた。鏡にひみつの扉が現れる。
「うん。やっぱり夢じゃなかった!」
 あみは扉を開いてバースインした。

 例によってスカイダイビングのようにゆっくり落下していいくと、アイプリブレスのような光の環が現れる。それをくぐると、あみはさっき買ったコーデにコーデチェンジした。そして、くるりと翻ってからアイプリバースに着地した。

  「わたしの運動神経じゃとても宙返りなんて出来ないけど、さすが、アバターだね」

 そして、やはりそこにはアイムゥが待っていた。あみはアイムゥについて広場へと向かった。


 広場には今度はプリズムスタァのみおんがいた。
「みおんさん!一緒にライブしませんか?」
「いいよ」

 アイプリ広場からパシャリングやライブのステージに移動する際はひみつのガールズトークの時間だ。
 色々話す中で、
「あみちゃん、アイプリするならオーディションは受けたことある?」
「オーディション?」
「アイプリバースデーってオーディション番組があるんだけど、そのオーデイションに合格して、一人前のアイプリになれるの」
「そうなんですね」
 あみはオーディションは後で考えるとして、とりあえず今は楽しむことにした。
 

 みおんとのライブを終えて広場に戻ると、今度はあいらが来ていた。あみは続けてあいらとライブした。

 ライブの後はコーデルーレットだ。
「どれが当たるかな…?」
「あみちゃん、耳をすましてごらん」
 あいらがアドバイスする。
「きっと、お洋服の声が聞こえるよ」
「はい!」
 ルーレットが止まったのはあいらとお揃いのコーデではなかった。
「あ、でも、これ、揃いかけてるコーデだから」
゜なるほど。早くフルコーデになってあみちゃんに着てもらいたいって声だったのかな」
「そうかもしれませんね」
 あいらは先輩としてカッコよくアドバイスをして去っていった…ように見えたが、最後に躓いて転んでしまった。
「ぎゃっふん!」
「だ、大丈夫ですか?」

 今回のガールズトークで、あみの「ひみつの交換ダイアリー」が少し埋まった気がした。
 

 あみは家に帰ると、さっそくアイプリバースデーを観た。
 ピンクのツインテも可愛い新人の子が出ている。

 そして、曲がサビにかかる時、変化が起こった。その子のコーデが光ったのだ!
「えっ?」
 かつてプリパラで見たサイリウムチェンジに似ている。

「これは、まさか、バズリウムチェンジかーっ?」
 司会の驚きようや審査員の表情から見て、珍しいことのようだ。
 とんでもない高評価に、ありがとうございますと言っているのだろうが、 「あだます!あだます!」  と言っている。なんかかわいいな… 「ふーん。たまたまだけど凄い回を見たのかな」

 あみはオーディションに向けて、コーデを少し集めることにした。

 あみが次にあいらと会った時はねあみは揃ったばかりのコーデだった。
「あ、あみちゃん!そのコーデ、似合ってるよ」
「ありがとう!あいらさんのウエディングコーデも綺麗!!」
 

 あみが広場に戻ると、みつきともう一人、この前バズリウムチェンジしていた子がいた。
 彼女はみつきの知り合いのようだった。
「こんにちは」
「あっ、あみちゃん!私とお揃いのコーデ、揃ったんだね!」
 あみを見つけてみつきが話しかける。
「ちょうど、ひまりちゃんが色違い着てるし、一緒にアイプリしたらどうかな」
「え?あ、それじゃ、よろしくお願いします。わたしはあみです」
「ひまりです…」
 ひまりは口を尖らせて震える声で答える。
「ひまりちゃんは緊張しやすくて人見知りだから…」
 みつきがフォローする。そして、ひまりとおでこを合わせる。
「秘密のおまじない」
 すると、ひまりは急に明るく微笑んで、
「あみちゃん、よろしくね。私、お友達一万人作るためにアイプリになったんだ!」
 

 あみはひまりとのライブを終えると、次のコーデを試すため、一旦外に出ることにした。
「あ、私、そのコーデの色違いもってるよ」
 みつきと衣装を合わせる約束をして、あみは再びバースインした。

 そこでのガールズトーク。
「今度、わたしもオーディション受けようと思うんだ」
「そうなんだ。がんばってね」
 みつきはそう言うと、
「あっ、そういえば、あみちゃんに見られちゃったんだよね。秘密のおまじない」
「あ、ダメだった?ごめんね」
「いいの。ひまりちゃんの一万人のお友達の一人だし、私ともお友達だよね。だから…」
 みつきはそう言ってあみと額を合わせた。
「みつきちゃん、ありがとう」
 
 あみは、これでオーディションを受ける勇気を貰えた気がする。これならきっと合格できる!
 あみはそう確信するのだった。


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