外伝・それから Part2 空を超えて
「あれ?ゆみ!」
ゆみ達が歩いていると向こうからあいが手を振りながら走ってくる。
「あい、そっちはバイト上がり?」
「うん。で、そっちのお二人は?」
「ゆみ先輩のバイトの新人のかなです」
「同じく、まいです」
「アタシはあい。ウチこそバイトの後輩欲しいよ…」
「とりあえず、このコ達も一緒にライブできるから、新メンバーだよ」
ゆみが補足する。
「先輩、よろしくお願いします!」
あみと知り合ったのが遅く、これまで後輩キャラだったあいにとっては初めての後輩だ。
「じゃ、今度ゆみ達とやろうとしてたライブ、今から代わりにやる?」
「あい、新人ちゃんに三連続ライブは…」
言いかけたゆみを遮り、
「やりたいです!先輩!」
「さすが、あみ達の後釜だね。コーデはコレだよ」
あいがコーデを示す。
「わぁ、すごくかわいいメイド服!」
喜ぶまいに、かなが、
「すごく楽しみだけど、さっき、私のこと「あみさんの後釜」って…」
「まぁ、いきなりあのリーダーみたいな事をやれとは言わないよ。楽しくやろうって事」
三人がゆみを観客にライブし終えると、もう夕方だった。四人は空を見上げた。双子の猫の星座が見える。
「あれって、ソルルとルルナが新たなバグホールからみんなを守るために星空へ行ったんだよね」
その頃。その星座の空間で。
「ねぇ、ルルナはどう思う?」
「この世界のプリズムの輝きが少し弱っているように思うわ」
「そうだね。クイーンが異世界に帰ってしまったからね」
「それで、あの子たちをここに?」
ソルルとルルナが会話している傍で、誰かが近づいてくる。マスコットのキラッCHU、メルパン、ラビリィ、そして、らぁらの四人だ。
「ソルル、キラッCHUたちを呼んだのは淋しかったからっチュ?」
ルルナが笑いながら、
「それも少しはあるかもしれないわね」
「でも、理由はそれだけじゃないんだ。この世界を安定させるため、クイーンの力を借りようと思ってね」
「それって、あみちゃんにまた会えるって事チュ?」
「そう。今からここにいる六人でライブをして、その力で世界を超えるんだ」
ソルルはそう言ってらぁらにポーチを渡した。
「世界を超えられるのは一人。君と同じ姿の仮想アイドル、真中らぁらのいる世界にクイーンはいる。君が適任だ」
「でも、あたしだけマスコットパーティーコーデ持ってないよ?」
「大丈夫。特別なコーデを用意してるから」
その少し前。
まみはバイトが休みだったので一人で歩いていた。
そこに、バーチャルだいあが現れた。
「お久しぶりだよん」
「だいあ?」
「今から言われた通りにライブをすればあみに会えるかもなんだよん」
「あみに?」
「だいあも、よく知らないけど、ソルルが言ってたんだよん」
まみはすぐさまゆみに連絡を取った。
「あ、まみ!ちょうど連絡しようと思ってたんだよ。実は新人がね…」
ゆみの重大発表を遮るように、
「今すぐ配信スタジオに向かって!あみに会えるかも!」
「えっ?今なんて…」
「あみに会える!」
「えっと、どっちにしても、あたしたち配信スタジオの近くにいるよ?」
「とにかく行くね!」
「えっと、話を一旦整理すると…」
五人が配信スタジオの前に集合した。
「まず、そこのかなちゃんとまいちゃんが新人として参入…」
「まみ先輩、よろしくお願いします!」
「で、我がセンターでとにかく今すぐライブをしろとだいあに告げられたと」
「どんなライブ?」
「とにかく、ピュアピュアアローを射るといいらしいのである」
「じゃ、プリティーリズムのコーデがいいかな」
「バトポンワンピが再録含めて色々あるし、これでいこう」
「曲はどうします?」
「そういえば、歌ってみたシリーズはもうすぐ終わるらしいし、五人ならUSAかな」
「え?五人って事は、私たちも参加していいんですか?」
かなが驚いて訊く。
「五人のほうがパワー出るだろうしね。もうウチの立派なチームメイトだよ」
「が…がんばります!」
そして、ライブの後半。まみがアローを構えると、上空でだいあが手を振っているのが見えた。
「こっちに射るんだよん!」
まみはだいあの示す方へアローを放った。
その頃、上空ではマスコットたちのライブが終わりつつあった。そこへ、まみの放った矢が虹の軌跡を残しながら通過した。
「らぁら、その虹の上を滑って進むんだ!」
らぁらはジャンプして虹に飛び乗った。いよいよ、作戦の本番だ。
らぁらは虹の上からあたりを見た。いくつもの世界に虹の橋がかかっている。
そして、らぁらの乗った虹の先にも一つの世界があった。そして、虹の終着点に紺色の衣装を来た誰かが立っている。
「私はジャニス。この世界の女神です。話は聞いています」
女神ジャニスは虹の終着点にある扉を開いた。
「さぁ、お行きなさい」
女神に促され、らぁらは扉の向こうの、あみのいる世界へと飛び込んだ。
今回のライブシーン
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