エピローグ
「いよいよ今日か」
「うん。本当、なんか複雑な気持ち」
「フェアウェルライブに巻き込んじゃったコ、誰か判らずじまいだったこととか、いくつか心残りはあるけど、やることはやりきった気がするね」
「今のうちに、フォロチケ交換しよう。世界が離れても繋がっていられるように」
「だね」
「あ、去年プリパラに行った時のトモチケも交換しておこうか」
ゆみがそう言った瞬間、あいが立ち上がった。
「ごめん。ちょっと急用。すぐ戻るね」
「そういえば、最初はあみとれみのレディーアクションだっけ」
「懐かしいね」
「今、もう一度やりますか」
「あいにも見せてあげたいけど、急用じゃ仕方ないか」
「でも…あみ達と最後の時に優先する用事って何かな?」
「さぁ?」
ゆみとゆうきが会話しているうちに、あみとれみのペアライブが始まった。
「何気ない日常的なライブ配信が、なぜか全て尊いのである…」
まみはライブを見ながらうっすら涙を浮かべている。
「うーん、消えるまでにみんなでラストライブするつもりだったのに…」
「あい、どこに行ったんだろ…?」
と、あいが息を切らせて帰ってきた。
「あみ、ゆうき、れみ…受け取って!」
あいが手にしているのは、あみがデザインしたコーデのあいのトモチケだった。
「アタシだけトモチケが渡せず繋がれなかったらと思うと…後悔したくなかったんだ…」
あいはそのために走ってプリパラに行き、トモチケを作って戻ってきたのだった。
「ありがとう、あい」
そして、最後のライブ。曲は、
「Forever Friends 〜1/74億分の奇跡〜」
歌詞のとおり、永遠の友達でいられるように。
曲が終わった砂浜。あみ達三人の影が薄くなりはじめる。
「今までありがとう」
「世界が違っても、ズッ友だよ」
「絶対に忘れない!約束だよ」
六人は泣きながら抱き合った。そして、そのまま砂浜にはゆみ達だけが残った。
「行っちゃったね」
「でも、きっといつかまた会えるよね」
「もちろん。約束だから」
Fin.
今回のライブシーン
前へ・表紙へ・あとがき