第49章 バグホール出現!?

 クイーンズグランプリも終わり、プリチャンランドはかつての賑わいを取り戻していた。
「あみちゃーん!」
 キラッCHUが飛んできた。
「えらい人とも仲直りしたから、一緒にライブするっチュ!」
 その後ろにはメルパン、ラビリィだけでなく、ソルルとルルナもいる。
「えらい人とお揃いでライブ、実現できるパン」
 そういえば、そんなネタ話もあったな…

 あみはルルナとお揃いのコーデでマスコット達とライブをした。

 ライブが終わると、ソルルが空を見上げて、はっとした表情になった。そして、ルルナに目くばせをした。
「どうしたの?」
 あみが訊くと、
「すぐに確かめたいことがあるんだ」

 ソルルたちは急いだ様子で走って行った。
 そして、空から何んが迫ってくる。
 ソルルたちが見たのはあれかな?

「ロケット?」
「あれはめる様の通学ロケットパン」
 メルパンが説明する。めるは両親のプロジェクトを手伝って宇宙ステーションにいるため、ロケットで通学している。
「ソルルたちが見たのはあれではなさそうね」

「あ、あなたは!」
 あみを見て声をかけてきたのは…
「ありょまさん?」
 確か、声優さんで、ゆみが頼んで一緒にライブをしてもらった人だ。
「今から声優仲間でライブするんですけど、一緒に参加しますか?」
「え?いいんですか?」
「今回は10人で来てるので、交代ライブも考えてたんですけど、ノウハウがなくて」
 やみのふぁいさんが説明する。確かに初めて見かける声優さんも多数いる。
「あなたが、前にありょまが言ってた一緒にライブしたって方ですね。私はうめいちご。よろしくお願いしますね」
 他の声優さんたちも自己紹介してくれて、多人数ライブの実施をお願いされたのだった。
「そういうことなら、お力になります」
 言いながら見回すと、結構声優さんたちも個性的なビジュアルだ。
「それにしても、皆さん色々と髪型とかにも気を使ってられるんですね」
「私は今主役の友達をやってるので、二人のカラーを取り入れてみたんですよ」
 というのは、ももだいあさん。髪にメッシュ入れてて、左右別のカラコンで髪も二色だ。
「ももだいあと友達を演じてるけど、私は自分の好きな髪色にしてます」
 そう言うのはおうじさんだ。二人は同じ作品の中だけでなく、リアルでも仲いいのかな。
「まりりさんの髪型も可愛いですね」
「私はアイドル路線なので」
「ルルにゃはマスコットの偉い人に憧れてるから名前もそこから付けたんだ」
「私はプリパラのアニメで声を当てたキャラから付けたね」
「ドロシーブヤさんはドロシー役をされてたんですか!」
「ありょまもだけど」
「あろま役だったんですか?」
「いや、推しだったから髪型とかイメージてやってるけど、実はひびき役です」
「えー、そうなんですね!ちょっとびっくり」
「じゃ、ねこそらさんは猫役というわけでもなく?」
「ええ、アニマルフレームの眼鏡だから猫メイクしてみたんですよね。スクールアイドルのドキュメンタリー映画で部長役したりしてますよ」
「あ、廃校の危機を救ったアイドル部員がアメリカでライブした感動の実話ってアニメ映画化されたやつですよね。わたし、見ましたよ」
「ありがとう!」
 そのあたりで、一番お姉さんっぽい雰囲気のしずかさんが、
「そろそろ、ライブの準備をしましょうか」

 こうして、あみは10人の声優さんとライブをした。まみ、うらやましがるだろうなぁ…

 あみは一旦帰ろうとした時、以前にわちゃわちゃ会で見かけたコを見つけた。
「あの、こんにちは…」
「あ、確か前にフォロチケ見つけてフォローした人!はじめまして」
「はじめまして。わたしはあみ。フォローありがとうございました」
「ばったです。フォロチケありがとうございました」
「ここで会ったのも何かの縁。ペアライブしませんか」
「ぜひ!」

 その時はまだ、あみはこの世界で、こうしてどんどん絆を増やせると思っていたのだが…

 ライブを終えて、ばったつんと別れようとした時、二人はふと空を見上げた。そして、あみはソルルたちが見たものを知ることになる。

「何あれ?」
「大きなバグみたいですね…」

「あれはバグホール」
 いつのまにかソルルたちがそこにいた。
「この世界のバグが集まったもの。あれが地上に到達すると、世界がバグって消えてしまうの」
 ルルナがとんでもない事実を告げる。
「僕たち二人のライブの力で、バグホールを止める。行くよ、ルルナ」
「ええ、ソルル」

 二人は上空で歌い始めた。しかし、バグホールは彼らの予想以上に大きかった。

 すると、他からも歌声が聞こえてきた。ミラクルキラッツ、メルティックスター、リングマリィ、アライブ、アイランジュ、Wだいあ、ゆい、他にもなる店長、おしゃまトリックス、らぁらを含めたマスコット達。
 この世界でライブを盛り上げたトッププリチャンアイドルたちも加勢しているようだ。

 あみが振り返ると、れみたちが走ってくるのが見えた。
 まみはレインボースカイイルミナージュコーデ。
 あいはメロディーファンタジーイルミナージュコーデ。
 ゆうきはオーシャンマーメイドイルミナージュコーデ。
 ゆみはサンシャインサーカスイルミナージュコーデ。
 そして、れみはムーンライトマジックイルミナージュコーデを着ている。

「わたし達もライブするよ!」
 あみはキャッスルイルミナージュコーデに着替えた。

 そしてライブが始まった。

 そして、やってみたであみがクイーンのロッドを掲げた瞬間、全てのプリチャンアイドルの声が重なり、まばゆい光を放った。

 光の中でバグホールは消滅した。

 ライブが終わると、あみはいつの間にかロッドを持って玉座の横に立っていた。
「あみ、早く座りなよ」
 ゆうきが声をかけ、あみは玉座に座った。真のクイーンが誕生した瞬間だった。

 しかし、それは束の間の栄光なのだった。このことが、大きな副産物をもたらしたのだ!


今回のライブシーン
                               
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