第48章 クイーンズグランプリフィナーレ
あみ達は周りを見回した。
プリチャンランド全体が薄暗くなり、黒いプリたま兵があちこちを歩いている。
「何なの…これ?」
「とにかく、ライブを3回…」
言いかけたゆうきの手にあるライブのグループ登録に必要なフォロチケケースに、いつの間にか「ダメ」というワッペンが貼られていた。
「そういえば、さっき黒いプリたま兵がここにいたっけ」
「こんなものを置いていきましたよ」
れみが持っているのは「ルルナ・ルールブック」と書かれた本だった。
「なるほど。ソルル達と対戦するには、チームメイトとの内輪ライブではダメと書かれてますね。あと、最近手に入れたコーデとも書いてあります」
そういうことか。あみは最近揃ったコーデを確認する。
「赤ずきんブラックコーデか…」
あみは、群衆に向かって大きな声で、尋ねた。
「この中で最近黒ずきんコーデを手に入れた人、いますかー?」
呼びかけに答えて、メロディさんとくれあさんが名乗り出てくれた。
「よし!第1弾は黒い三連星、ジェットストリームライブに決定!」
「…あの、何ですか、そのタイトル?」
恐る恐るつっこみを入れるメロディさんに、
「多分、ガンダムのネタです」
れみが横から解説を入れる。
「それにしても、このコーデ、すごく可愛いですね」
「きっと、いいねがたくさん集まりそうです」
そして、次のライブ。
「次のコーデはコレか…」
あみが持っているのはクラシックだいあコーデだ。
「それなら、Wだいあが力を貸すんだよん」
黒いだいあが突然現れた。
「バーチャルで登場だよん」
そこへ、本物のだいあが駆けつける。
「大会を辞退したリベンジも兼ねて、元のプリチャンに戻す手伝いをしたいんだもん」
二人のだいあはダイヤモンドコーデの色違いを着ている。
「新曲は届いていないけど、三人でできる曲はあるんだもん!」
かなりのクオリティのライブ二つで、いいねも順調にたまった。
「でも、3曲目、どうしよう…」
新コーデもなければ、目玉となる相手も思いつかない…
そんな時だった。
「あみちゃん」
「ひなさん?」
「うちのメンバーからの提案なんだけど」
「助かる!どうすればいいですかね」
「今、プレゼントボックスでゆいさんの私服アイテムがありますよ」
「そっか。それで新コーデだね」
「で、うちのりくが色違い着るから、ペアライブできますよ」
「えっと、りくさんって確か…」
「我とペアライブしてくれた人である」
まみが答える。
「そうだね。わたし、まだりくさんとはライブしたこと無かったんだよね」
「新メンバー、新コーデなら…」
「いける!」
こうして、あみは最終決戦の切符を手にしたのだった。
「最終決戦はペアライブか…」
「誰が出る?」
あみは立ち上がり、
「ゆみ、行こう!」
「え?あたし?」
「そう。あなたの出番でしょ」
思えば、ゆみがプリチャンデビューしようとした時の事故であみは異世界から来て知り合ったのだ。
「最後は、最初にこの世界で友達になったゆみとのペアライブがしっくり来ないかな」
「確かに、この世界出身の代表として、ぜひともやりたい!」
「あたし、リングマリィのペアコーデの色違いをゲットしたから、最新コーデの条件もクリアだよ」
「わたしがソルルの立ち位置だから、すずちゃんの色違いだね」
二つの世界での友情パワーであみ達はソルル、ルルナに勝利した。
キラッCHUが現れてパレードコーデを着たアイドルマスコットに変化してあみをいざなう。
そして、メルパン、ラビリィも加わる。
あみのコーデが城を背負ったクイーンのコーデに変化し、マスコットたちのパレードコーデも光り始めた。
四人のコーデが美しく光り、パレードライブが始まった。
「綺麗…」
誰もがそう呟いて、ただただライブを眺めている。
「マスコットが管理するのではなく、一緒に楽しんでいる…」
その様子を見たルルナにソルルが話しかける。
「だから僕は言っただろう?マスコットと友達になる、これまでのプリチャンで良かったんだよ」
「私が間違ってしまったのね…」
ルルナたちの会話が終わるころ、パレードライブが終わった。
あみの目の前で大きな光が現れる。その中からクイーンのロッドが現れた。
「おめでとう。あなたがクイーンにふさわしいと認められたのね」
あみにそう話しかけるルルナの目にかつての厳しさは無かった。
今回のライブシーン
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