第45章 クイーンズグランプリ(前編)

「とうとう始まったね」
「この大会をクリアしてクイーンになったら、イルミナージュパレードライブができるらしいね」
「車の上でボヘミアンラプソディーとか?」
「そっちのクイーンじゃないってば」

 どこまで本気なのか冗談なのかわからない会話をしながら、あみたちは会場に着いた。レインボースカイエリア。最初の課題曲は『ミラクルコースター』だ。
「三人なら、ここは手堅くあみ、ゆうき、れみかな?」
「いいよ。コーデはどうする?」
「前にあかね♪さんたちとのリモートセッションであみが着てたスイートレトロコーデ、あれかわいいから着てみたい」
 ゆうきが提案する。
「あれの色違いも揃ってるから三色でいけるね」

「いよいよ始まったわね」
「一回戦は私たちよ!」
 ミラクルキラッツとの対戦だ。

「ここのエリアのイルミナージュコーデだよ」
「手ごわいね」
「でも、自分たちで選んだコーデを信じていこう」

 接戦の上、あみ達は二回戦に進んだ。次はメロディーファンタジーエリアだ。
「ワタクシたちが相手ですわ」
 先日のことでふっきれたあんなは強敵だ。

「次は、まみ、ゆみの出番だね」
「課題曲のイメージだとビビッドマーチングコーデなんかどうかな」
「ニコチケでカラバリもあるぞ」
 まみがニコチケの束から色違いを選び出す。
「よし!行こう!」

「結果は…」
「結構僅差だよ…どうかな?」
「えー、何とか!」

 最終的に、三回戦に進んだのはあみ達だ。

 三回戦はオーシャンマーメイドエリアでリングマリィと対戦だ。

「これまで、男女ペアなコーデでやってたけど…」
 あいはさっきまみが見ていたニコチケの束から、
「めるさんの私服の色違いをあみ、ゆいさんの私服の色違いをアタシでいってみない?」
「えっ?カジュアルな私服で女の子同士でやるの?」
「ゆいさんの色違いは、プリパラでのゆいさんのお兄さんのイメージカラーのカラバリらしいから、そういう事で」
 一応、言い訳は用意してあるのね…

 女の子同士のコトバブーケ、意外と好評だったようで、三回戦もクリアできた。

「さて…四回戦は中央平場で応援合戦?」
 会場に着くと、キラッCHU、メルパン、ラビリィがいる。
「あれ?みんな、エントリーしてないよね?」
「キラッCHUたちが一生懸命応援するっチュ」
 応援ライブをそれぞれやるけど、マスコッツはエントリーしていないから、敗退とかはない。

「じゃ、あみはセンター固定だから、あと二人はどうしよう」
「全員一回ずつ出たから、じゃんけんで決めようか」
 結果、メンバーはゆみとゆうきになった。
「コーデはどうしよう」
 あみは先ほどから大活躍のニコチケの束を見て、
「このコーデ、楽しげだし、三色あるよ」
 束から抜き出したのは、スケーターダンスコーデだ。

 こうして、楽しい雰囲気の四回戦が終わるとアナウンスが入った。

「本日の大会はこれにて終了いたします。後半戦は後日開催します」

「あ、そうなんだ」
「まぁ、遅くなってもいけませんしね」

 こんな感じでクイーンズグランプリは開幕したのだった。


今回のライブシーン
                      
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