第36章 みんなでバレンタイン
「よし、再生…っと」
「どうかな、どうかな」
「いよいよ、もうすぐ…」
「ん、うまくいったんじゃないかな」
「だね!」
あみ達のの寮に六人全員が集まって、パソコンの動画編集ソフトのプレビューを見ていた。
数日前。
あみとゆうきが雑談していた。
「そういえば、プリパラではサイリウムチェンジってあったじゃない?」
「ライブ中に電飾衣装に変わる演出だよね」
「あれに近いこと出来ないかな」
そういえば、ゆうきがサイリウムチェンジをデパートのモニターで見て、あみたちはプリパラでライブするようになった。
「何かプランはあるの?」
「キラッとチェックシリーズ、全部あるじゃない?」
「うん。この前揃った」
「あれをミラクルキラッツとメルティックスターで、前半個人コーデ、後半チームコーデでやって編集したら面白いかなって」
「なるほどね」
そんなわけで、六人が集まった時に、
「じゃ、裏表しよう」
言い出したゆうきにあいが、
「グッパじゃないんだ」
手のひら、手の甲で分けるかグーとパーで分けるかだけで大した違いはない…のだが。
れみがあいに応える。
「グッパだとあみがチョキを出して全員からツッコまれる定番のボケをやりかねないですからね」
「ぶー」
あみはふくれっ面をする。
そんなわけで、裏表でチームが別れた。
キラッツはあみ、まみ、ゆみ。メルティックはゆうき、あい、れみだ。
そして、今、そのライブをつないだ動画の再生テストをしているのだった。
「どちらもうまくコーデチェンジしたように見えるね」
「あ、今思い出したんですけど…」
れみが急に言う。
「私たちのチーム、あいが最初にやろうとしたユニットの『スイートベーカリー』ですね」
「そういえばそんなこともあったっけ」
その話を聞いて、あみがコーデを探し始める。
「あったあった。これこれ」
ベーカリーコーデ三色だ。
「わたしも見てみたいな。あいの思ってたライブ」
「ええっ?」
急に昔の話が出てあいはあたふたとなる。
「私をセンターにしてくれるんでしたよね」
れみが悪戯っぽく笑いながら言う。
「ま、やってみようよ。あいの夢、あたし達でかなえよう」
ゆうきがそう言いながら、コーデを手にあいを引っ張って寮の部屋を出た。他のメンバーも続く。
行先はもちろん配信スタジオだ。
そして、スイートベーカリーのライブをやってみて。
「楽しかったけど、やっぱり今は六人みんなでやるライブが楽しいかな」
あいは感想を述べた。
「じゃ、来週はバレンタインだし、このステージで全員お揃いでバレンタインライブしようか」
「賛成!」
「でも、新作のバレンタインコーデ、出たばかりで誰も持ってないね」
「そういえば、クーポンで可愛いバレンタインコーデ当ててなかったっけ」
「あ、確か…えっと、マイクーポンをタップして…あったあった。まだ有効期限内だよ」
「よし、じゃ、コーデに引き換えよう」
「全員お揃いで交代でバレンタイン曲だね」
「ふふふ…楽しみですね」
バレンタイン当日。
「はい。友チョコ」
「あ、これリンツの玉チョコ!色々種類あるやつだ」
「へへ、いろいろ買ってシャッフルしたんだ」
「こっちはレオニダスのだね。デパートで見かけるけど…」
「この日こそ食べるチャンスだよね」
「我は皆に感謝の気持ちで用意したのである」
「わ、まみ、手作りじゃん!すごい!」
と、このように、友チョコ交換会と称して全員でチョコを食べたのだった。
「さて、カロリーを摂取した後は、太る前にライブで消費するよ!」
あみの号令で、六人は交代でデートシーンを体験する楽しいライブをしたのだった。
今回のライブシーン
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