第35章 本格始動

 正月休みも終わり、ようやくゲストさんとの賑やかライブも開始だ。
 今回は新年早々慌てることがないよう、事前にアポを取ってある。

 あみは主催として一番乗りすべく、早めに会場に来たつもりが…
「こんにちは。今年もよろしくお願いしますね」
 むさのまるさんが来ていた。
「早いですね」
「待っている間に準備運動がてら、二人でライブします?」
「いいですね」
「お揃いのコーデ、SHキラッとの水色はどうですか?」
「それでやりましょうか」

 ライブが終わると、他のメンバーも来ていた。
 このはさん、あんずさん、くれあさんだ。
「今年もがんばろうね!」
「じゃ、みんな好きなコーデでUSAでいいですか」
「オッケーです!」
 あんずさんが紫、くれあさんが青、このはさんが赤、むさのまるさんがピンク、あみが緑。
「プリキュアみたいですね」

 ライブを終えて。
「あみさん」
 このはさんがあみを呼び止める。
「なんですか?」
「さっき、SHキラッとでライブされてましたよね」
「ええ」
「今から仲間と合わせやるんですけど、どうですか?」
「いいですよ。わたしもちょうど、仲間呼んでるからそれでセッションしましょう」

 あみはこのはさんと会場に来た。
「うちのメンバーは今回はあいだけで二人です」
「こららはアヌシュカ、ノアン、キラキラチャイナの二人です」
「アヌシュカさんははじめまして、かな?」
 あみが確認する。仮面をつけたここまで特徴的なコなら確実に覚えている。
「そうですね。よろしくお願いします」

 さて、ここにいるのは7人。
「えっと、各自今手持ちのSHキラッとコーデは…」
 皆それぞれのコーデを出す。それを見てこのはさんが、
「私とれんげは見学ですかね。そうすれば全員色違いです」
「いいんですか?」
「いいですよ。りな★が後から来るので身内で二曲目やります。最初はジョイントセッションということで」
「なるほど。それなら始めましょうか」

 ライブ後、このはさんたちと別れて、あみとあいは雑談しながら歩いていた。
「次、バレンタインライブまでは大きなイベントはないんだっけ?」
「以前、節分に鬼娘ライブしたんだけど、超ミニのワンピで寒かったんだよね。今年はしないかも」
「そうなんだ」
「今年は、いわしと恵方巻食べて豆まきしてから豆食べるだけかな」
「食べてばっかりじゃん」
「確かに」

 と、ゆみから電話が入った。
「もしもし、うん。今あいといるけど…ちょっと待って」
 あみはあいの方を向き、
「まだ時間ある?」
 あいは、
「んー、バイトのシフトまでだから20分くらいなら…」
「20分じゃ無理か…」
「どうしたの?」
「新しいプリチャンファンタジーやらないかって話なんだけど…」
「そっか、この前、踊り子やったし、気にせず二人で楽しんでおいでよ」
「そう?それじゃ」

 あみはプリチャンランドのファンタジーの入り口でゆみと待ち合わせた。
「ゆみ、今回は気合入ってるね」
「だって、あたしにぴったりな役があるみたいだし」
「そうなの?えっと、今回はお姫様…」
「いや、そっちじゃなくて」
「弓使い!」
「ゆみだけにね」
「なるほど。じゃ、わたしがお姫様やればいいのかな」
 そう言いながら二人はアトラクションに入った。

 中にはお姫様コーデのまりあがいて、あみとまりあはふれあい広場にいた。
「かわいい衣装ですぅ」
 そこに、だいあとゆみが現れた。
「あれ?だいあちゃんってミラノにいる筈…」
「バーチャルレンジャーなんだもん!」
 なるほど。バーチャルで出演しているのか。
「ふれあい広場は魔王の手下がボロボロにしていったから立ち入り禁止なんだもん」
「まりあたちも魔王の手下さんをつかまえるのをお手伝いします」
 まりあが言うと、
「そんなことはさせないんだよーん」
 という声とともに、あみ達は魔王の宇宙牢屋に飛ばされ、広場にはだいあ一人が取り残された。

 宇宙牢屋には黒いだいあがいた。
「魔王様が姫コーデを持って来いって言うからさらいに来たんだよーん」

 そこへ、ズッシンズッシンと足音が響いた。
「何?」

 シルクちゃんの大群がこちらへ迫ってきていた。
 呪いのオーラを出しながら暴走している。
「このままだとみんなかわいくペッチャンコです」
「コーデの力で呪いをとくんだよん」
 しかし、シルクちゃんは止まらない。
「コーデの力が足りない!」
 同じコーデのあみとまりあ、だいあとゆみが手をつなぐ。
 そのゆみの手を誰かの手が掴む。
「えもちゃん?」
「同じコーデ持ってるから助けに来たよ」

「あみちゃんとお揃いのコーデでかわいいビームを!」
「ゆみちゃん、えもちゃんとお揃いのコーデで力がわいてくるんだよーん!」
「いっけー!」

 こうして、シルクちゃん達の呪いは解け、シルクちゃんは去っていった。
 そこへ、元のだいあが現れ、黒いだいあと友達になってハッピーエンド。

「面白かったね」
「じゃ、このまま五人でライブしようか」

 ファンタジーのフィナーレはオールスターキャストのライブで締めくくられた。


今回のライブシーン
                      
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