第33章 クリスマスパーティーライブ

「いよいよクリスマスだね」
「ケーキはロールケーキみたいなやつでいい?」
「ブッシュ・ド・ノエルってやつだね」
「チキンはどうする?市場の鶏肉のもも焼きでいい?」
「もも肉でも、ローストチキンのほうが柔らかくて食べやすいかな」
「シャンメリーも買う?」
「黄色っぽいのやピンクがあるけど、キャラクターの袋に入ってるから色判らないんだよね」
「プリキュアのはピンクかも」
「そういえば、今年のプリキュア、ビョーゲンズを倒して地球をお手当てってやつだっけ」
「コロナも倒してほしいね」
「雪の宿でホワイトクリスマス」
「いや、せんべいはおやつでしょ?ホワイトってことは黒糖なしの袋…」
「えー、黒糖好きなのに…」
「ゆみは黒糖派でしたね」

 ここまで話が続いたところで、
「そろそろ、食べ物は置いといて、クリスマスライブの打ち合わせしない?」
 ゆみが切り出した。
「そうそう。そっちが本題でしたね」
「一昨年はメルティックスターとのジョイント、去年は全員別々のクリスマスコーデでやったんだよね」
「で、今年は提案なんだけど」
 あみが立ち上がる。
「今年は前撮りをします」
「え?なんで?」
「当日はみんな忙しいし、わたし達も鶏とか食べたいし」
「みんな?」
「今回はゲストさんを募集して、楽しいパーティーライブをしたいと思うんだ」
「なるほどね。確かに当日人集めるの大変だわ」

「で、最初はわたし達6人。わたしはずっと出てやってみたをする」
「うん」
「で、もう一人のセンターはあい」
「アタシ?」
「今年の新作、一昨年のコーデの色違いでしょ?あれ着た事ないよね」
「うん」
「で、これ見て」
 あみがコーデを出す。
「この前、あんなさんが配信で着てた服?クリスマスっぽくてかわいいねって話してたっけ」
「あとの四人がバックでコレ着たら、クリスマスキャロルの聖歌隊みたいで良くないかな?」
「いいかも」
「で、第二パートはゲストさん5人で、その間に次のセンターは別コーデに着替えて交代。バックは4人のゲストさんを交代でどうかな」
「なるほど。で、着替えるのは誰にする?」
「あたし、やりたい!」
「じゃ、ゆうき決定」
「あとはジャンケンで…あら、私が勝ちましたね」
 れみも着替え要員だ。
「ゆみ、まみはゲストさんが足りない時は着替えてね」
「了解である」

 そして、募集をかけたところ12人集まってくれた。
「ありがとうございます」
 あみはゲストさんに礼を言った後、後ろを向き、
「あと一人欲しいところだけど、まみ、着替え要員…」
 言いかけたところに!メッセージが届く。
「あれ?ラウラ☆さんからだ」

「なになに…スペインからバーチャル参加します?」
 そういえば、プリチャンライドのバーチャルエリアならフォロチケがあればバーチャル参加できるという話を聞いたことがある!

「では、ルールを説明します。ここにトランプのマークの書いたくじが入っています」
「一つずつ引くわけですね」
 みるきぃさんが確認すると、あみは頷いて、
「はい。スペード、ダイヤ、クローバーの順でライブに参加してもらいます」
 あみは言いながら一枚くじを引いた。
「この一枚はバーチャル参加枠です。で代わりにハートのくじを一枚入れます」
「ハートは何ですか?」
「メンバーが着替えている第二パートで片方のセンターに入ってもらいます。当たりくじみたいなものです」

 抽選結果が出そろった。
 スペード。いずみさん、はぁるる♪さん、くれあさん、なでこさん。
「くらげ頭、他の人の邪魔にならないように気をつけないと」
「私の髪も気をつけたほうがいいですね」
 なでこさん、はぁるる♪さんがフォーメーションの検討を始めた。
「じゃ、私たちは前に出る列ですね」
 といずみさん。

 ダイヤ。あいきさん、みっち☆さん、みるきぃさん、このはさん。
「私たちはメンバーの方なしなんですよね」
 心配そうに言うみっち☆さんにこのはさんが、
「私は経験あるので誘導しますね」
「助かります」

 クローバー。あまねさん、リインさん、あつさん、ラウラ☆さん。あみの間引いた枠はクローバーだった。
「じゃ、一人分スペースが空くってことかな?」
「そうみたいですね」
 あつさんとあまねさんが話していると、
「多分何とかなるでしょう」
 とリインさん。
 そして、当たりくじのハートはむさのまるさんだった。
「えっ、責任重大ですね。じゃ、クリスマスっぽい赤のキラッとチェックコーデにしておきますね」

 クリスマスライブが始まった。身内の聖歌隊パートが始まる。そして、グループプリたまキャッチの集合ポーズに合わせてスペード班とむさのまるさんが登場。うまくいった。
 やってみたの間にメンバーが入れ替わる。先に着替え終わったれみがダイヤ班を誘導する。そして、最後のやってみたでゆうきがクローバー班を誘導し、同時にゆみがフォロチケをスキャンする。
 無事、ラウラ☆さんのホログラメーションもポジションに現れ、無事ライブは終わった。

「お疲れ様でした!」
「何とかなりましたね。ほっとしました」
 むさのまるさんがほっとしたように言う。
「やってみたらできるものなんですね」
 とくれあさん。
「何度参加しても大丈夫かなってドキドキしますね」
 あいきさんも話に加わる。

「えっと、コロナ感染防止のため、打ち上げパーティーは今回もオンラインでやりましょう」
 あみがそう言うと、ゆみが、
「ホワイトクリスマスってことで、雪の宿です」
 とせんべいを配る。

「ふふふ。普通の白いのをたくさん配ったから、今回は黒糖が手元に結構あるんだよね」
 ゆみは人知れず喜びをかみしめたのであった。

 ともあれ、メリークリスマス!


今回のライブシーン
                      
前へ表紙へ次へ