第31章 出会いも色々
その日、あみは暇を持て余していた。他のメンバーと全く予定が合わないのだった。
あみが配信スタジオに来るとなぎさ♪さんが誰かと話していた。よく見ると、
「あれ?ショウラさん?」
確か、関東に引っ越ししたと聞いた気が。
「久しぶりにこっちへ来たんですよ」
「そうなんですね」
そんな話をしていると、
「あれ?あみさん」
くれあさんが入ってきた。
「検索して配信見ましたよ。結構昔から配信されてるんですね」
「確かに…結構やってるかも」
あみはそう言いながら、奥の椅子を指さして、
「あそこにいる方なんかはかなり長いお付き合いですね」
「…えっと、何かご用ですか?」
その人物はまもるさんだった。
「まもるさんとも長いお付き合いになったなと」
「確かにそうですね。で、ここに五人いるということは、また賑やかライブでもするんですか」
「おお、さすがに話がはやい!」
あみのリアクションに、くれあさん、ショウラさんは
「え?そうなんですか?」
なぎさ♪さんはうすうす予感してたけど、という表情で頷いた。
「そういえば」
あみは賑やかライブの解散後、プリたまGoのたまごから出てきたソルルを見て思った。
「アリスさんの屋台にいた白猫マスコットだよね」
キラッCHU達も他のプリチャンアイドルのマスコットだったし、そこは不思議じゃない。
「体が光っても猫のままなんだ…」
これまでのマスコットは二頭身のアイドルの姿になったのに、ソルルに変化はない。そして今再びソルルが光った。
「今度は大きくなるかな?」
あみは自分も光るよう、ジュエルコーデでライブしてみた。
すると…
「すくすくすくー」
白い長髪の中性的な人物が現れ、イルミナージュライブとなった。
しかし、その後もソルルは猫のままだった。そして、イルミナージュライブのことは寝ていて知らないとのことだった。
「うーん、どういうことかな?」
考えても仕方ないので、あみは考えないことに決めた。
別の日、あみはまみと買い出しに出ていたのだが、まみが突然素っ頓狂な声を上げた。
「まみ、どうした?」
「さっき、配信スタジオに入っていった三人組、プロの声優さんなのである」
あみたちは後を追うようにスタジオに入った。
「あの、ありょまさん、ですよね」
まみはそのうちの一人に声をかけた。
「あ、ばれちゃいましたか。三人でライブ配信やろうかってこっそり来たんだけど」
残る二人も確かに声優のやみのふぁいさん、ねこそらさんだった。
「もし良かったら、ゲストとして参加してもらえませんか?ファンなんです!」
「いいですよ」
以外にもあっさりと参加を承諾してくれたのだった。
後日、あみはれみ達に声優さんをゲストにした話をしながらお茶していた。まみとあいは今はいない。まみが居れば超ハイテンションで話していたかもしれない。
「でも、声優さんとライブなんていい経験になったんじゃない?」
「うん。色々と体験できるのがライブの醍醐味だよね」
話をしていると、隣のテーブルでお茶していたコと目があった。こちらを見ている?
「えっと…何か」
「あ、そちらのコの私服、結構いいコーディネートだなと、つい見てしまいました」
見ていたのはゆみの服だったようだ。
「てっきり、ライブ配信に興味あるのかと思って声かけちゃいました」
あみの答えに、
「私もやってますよ」
「そうなんですか?」
「私、DJやってて。ライブ配信も勉強になるのでね」
「すごい、かっこいい!」
あみはゆみに向き直り、
「すごいね、ゆみ。こんなカッコいい人に認めてもらえるなんて!」
「いっそ、ゆみセンターで私服ライブやっちゃおうか!もし良かったら、えっと…」
「むさのまる」
DJさんは名前をせ教えてくれる。
「むさのまるさんも一緒にどうですか?」
半ば強引にむさのまるさんを巻き込み、私服ライブ配信となったのだった。
「本当に、出会いって色々だね」
今回のライブシーン
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