第27章 ラビリィの色違いアクセ…出ないラビ

「時間、ちょっと余ったな…」
 あみは出かけたものの、用事が思いのほか早く片付いて、ふらふらと歩いていた。
「ライブしようにも、今あまりコーデ持ってないし…ん?」
 あみは手持ちのコーデを見て、ふと思いついた。
「トップス以外のこのコーデ、初期トップスに合うかも」
 あみは手持ちの3アイテムを使った。なんか、初心者の頃のとりあえずコーデを思い出す。
「よし。初心にかえってみた!、ソロ配信しようっと」

 ライブを終えると、ふと、新着チャンネルの案内がある。
「ドリーミーライスエリア?へぇ、こんな稲作体験コーナーがあるのか」
 そこでライブしていたアイドルを見てあみは目を疑った。
「ゆいさん?」
 プリパラで出会ったゆいにそっくりだった。しかし、プリパラでのゆいは仮の姿で実際は小学生だったはず。
 あみはゆいのところへ行ってみた。

「あ、あみちゃん!さっきのミックスコーデ、かわいかったですぅ」
 あみは突然、どこからともなく現れたまりあにシールを貼られた。
「まりあさん?一体どこから…」
「まりあはぁ、親戚のゆいちゃんのデビューをかわいく応援にきたんですよぉ」
 この世界のゆいはあの姿でまりあの親戚、ということは、みぃのようなこの世界での別人のようだ。
「せっかくだから、まりあのお家で3人で配信しませんか?今日はすずちゃんがいなくて、まりあ、退屈なんですぅ」
「はぁ…それは構いませんが」
「まりあの知り合い?ユメ…一緒に配信?」
 あみたちの話を聞くと、ゆいの瞳が虹色に光った。
「じゃ、出来立てのおにぎりをユメ食べていってね!」
 ゆいはおにぎりを出してくれた。この世界のゆいもお米大好きのようだ。

 まりあの部屋で私服ライブを配信した後のガールズトーク。
「で、今度、ラビリィのコーデの色違いが、モーリーファンタジーかわいく限定入荷するそうですよぉ」
「そうなんですね」

 数日後。あみはゆうきと買い物に来た。
「上の階に上がる?」
「モーリー?」
 ゆうきはあみの意図を読み取る。
「うん。限定コーデがあるみたい。ラビリィの色違いコーデだって」
 限定コーデの効果か、モーリーファンタジーの配信ブースには何人かが来ていた。
「知り合いいるかな?あっ、いちかさんとなみりーん☆さんがいる」
「こんにちは。お久しぶり」
 挨拶を交わしていると、通りかかった人が、
「あれ?このはの知り合いの…えっと」
「あみです。りな★君」
「あ、そうそう。あみさんでしたね」
 そこへ、
「あれ?はぁるる♪との待ち合わせより早く来てみたら…」
 はるか♪さんだった。
「いっそ六人でライブしますか」
 珍しくゆうきが声をかけた。まぁ、単にあみが周りの人物との四方山話に夢中だったせいもあるが。

 そして…
「ライブは楽しかったけど、限定コーデ、アクセだけ手に入らなかったね…」
「仕方ない。今日は諦めようか…」

 週末。あみ、ゆうき、れみは駅のホームにいた。
「モーリーにリベンジにでも行くの?」
「実はもう行ったけどアクセ以外がダブっただけだったんだ…」
 ゆうきにあみが答えると、れみが
「で、諦めてショップのある大阪に遠征ライブに行くんですね」
「うん。それもあってのジョイントライブだよ」
「え?ゲストさん呼んでるの?」
「うん。あいきさんのチームに、まだ一緒にライブしてないコもいるから、ジョイント申し込んだんだ」

 そして、待ち合わせ場所の配信スタジオに到着した。
「こんにちは」
 あいきさんのチームは到着していた。
「メンバーを紹介しますね。きさら、ゆきら、しずく」
「ウチはゆうきとれみです」
「…って、合わせて7人?」
「どうしましょう?一度にライブ出来るの、6人までですよね」
「じゃ、私見学します」
 しずくさんだった。
「ちょっと用事を済ませてこようと思うのでお構いなく」
 いや、ジョイントライブやると言った以上、そんなはずはない。あみが言った。
「あの、しずくさん。用事がすんだら戻ってきてもらってもいいですか?」
「え?まぁ、それは構いませんが…」
「わたしもちょっと買い物があるので、ライブ後、ちょっと近くに買い物に行くんです。その後、ライブしたいと思っているんです」
「そうですか!時間が合えばいいですね」
 そう言ってしずくさんは出て行った。
「ごめんなさいね、気を使わせて」
 あいきさんが申し訳なさそうに言う。
「いえいえ。こちらこそ何人でやるとか何も決めてなかったですし」
「じゃ、ジョイントライブ、成功に向けてがんばりましょう!」

 ライブ後。コーデショップにて。
「残念。限定アクセは置いてなかったね…」
「でも、アイランジュのクラシックコーデが手に入ったし、これでしずくさんとライブできるよ」
「コーデはなくてもやる気だったんですよね」
 れみがつっこむ。
「返事、きてるみたいですよ」
 あみはここでの賑やかライブの経験者の人達に募集をかけていたのだった。

「えー、急な呼びかけにもかかわらず、ありがとうございました」
 あみが挨拶した。
 アクアさん、あつさん、あかり★さんが参加してくれた。
「呼びかけというか、そこで拉致されただけな気が…」
 居合わせたはなこさんにも声をかけたのだった。

 しずくさんが戻ってくると、あみは、
「よし、最後のゲストさんも到着!恒例にぎやかライブ、オンエアー!」


今回のライブシーン
                          
前へ表紙へ次へ