第24章 また21人ライブにチャレンジラビ

「はぁ〜」
 あみは溜息をついた。21人ライブを中1日でセットするとは言ったものの…
「人集めるの大変だぁ…」
「大丈夫ラビ!」
 ラビリィが根拠のない自信で励ましてくれる。
 4-Miは全員大丈夫だが、ゆうき達はバイトだった。エルザさんとみっち☆さんで6人。

 とりあえず、急に募集するとなったらツイッターに投稿するしかない。
 ツイッターのアカウントが判る人に募集をかけてみた。
 待つこと一時間。ひなさん、このはさん、まもるさん、はりマグロさんから参加表明があった。
「よし。ほぼ半分。あと11人!」
 当然のことながら、ここからは一気には増えない。はぁるる♪さんからは逆に参加できないと連絡が来た。

 しばらくして、
「一日体験とはいえ、団員の呼びかけには応じましょう」
 アクアさんから参加表明が来た。

 結局その日はそれからリインさんが参加を表明してくれて、残り9人。

 翌日。
 このはさんから連絡があった。
「人、集まりましたか?」
「はい。でもまだです」
「私も参加するって、共通のフォロワーさんに言ってみましょうか?」
「助かります!」
 この作戦が効いたのか、あつさん、あかり★さん、ロリロリさんが参加してくれることになった。

 それとは別にシュヤラさんから連絡が入った。
「ひなちゃん来るんでしょ?私も参加間に合いますか?」
「大丈夫、ていうか、ぜひ参加してください!」

 あみも個別に勧誘する。
「エルザさんに会うの久しぶりだし、ちゃんでぃは無理だけど、私だけでも調整してみますね」
 と、みるきぃさん。
「私はダメなんだけど、うちのなおが参加出来るって言ってます」
 と、ゆっきーさん。
「私だけなら行けるけど…ハンバーガー、そんなにたくさん持てないから、差し入れはごめんね」
 とゆめみさん。いえいえ、差し入れはウチで用意します。気持ちだけでありがたいです。

 そして、当日。二人足りないがよくまぁ集まってくれた。
 まぁ、れみあたりが2パートやればライブは可能だ。
 集合場所は完全にわちゃわちゃ会の会場となっている。
 初めましての相手や久しぶりの相手、仲良しの相手とみんな色々喋っている。
 と、あみはふと外に目をやった。あんずさんが配信を終えて帰ろうとしていた。

「あんずさん!」
「あみさん?」
「今から21人ライブするんですけど、あと二人募集してるんです!」
「へぇ、残念」
「ダメなんですか?」
「いや、私はいいけど、あまねはさっき別れて帰っちゃったから」
「そうなんだ…でも、あんずさんが来てくれたらリーチだよ」

 そこへ、
「あの、21人ライブの会場はここですか?」
 誰か入ってきた。
 ゆめ★はるさんだった。
「はぁるる♪から、行っておいでって」

 よし!これで21人集まった!

 あみは、みんなが集まっているフロアの端に丸椅子を置き、靴をぬいでその上に立った。
「みんなー、参加してくれてありがとうございます!それじゃ、ルールを説明します」
 わちゃわちゃと雑談している参加者たちが一斉にあみを見る。
「まず、コーデはお気に入りのものでOKです。ちなみにわたし達はジャンル無しのミックスコーデです」
 あみ達はゲストがどんなコーデでも楽しめるように、お気に入りのアイテムをミックスしたのだった。
「それで、みなさんは名前をこの紙に書いて四つ折りにして箱に入れてくださいね」

「なんか、学校の席替えみたいね」
「どんなメンバーかワクワクですね」
 みんな、楽しそうに名前を書いた紙を箱に入れた。

「それでは」
 4-Miのメンバーが集まり、いきなり、
「じゃんけんキラッと、プーリチャーン!」
 じゃんけんをはじめた。
 最初に勝ち抜けたのはまみ。次いでれみ、ゆみと続き、あみが最後まで負けた。

「よーし、いっくぞー!」
 まみが紙を4枚取る。
「1班、ゆめみさん、はりマグロさん、なおさん、にじのエルザさん」
「おー、いきなりだ!」
「よろしくお願いします」
 呼ばれた面々がまみの周りに集まる。

「2班、いきますよ」
 れみが紙を取る。
「ゆめ★はるさん、シュヤラさん、まもるさん、それから、リインさんです。よろしくね」
「こちらこそよろしく」
「楽しみ〜」

「あたし、ゆみと一緒の3班のメンバーは…」
 ゆみが発表する。
「まずは、アクアさん。それから、ひなさん、このはさん、ラストはあんずさんです」
 続けてあみが、
「残り福、4班はあかり★さん、ロリロリさん、あつさん、みっち☆さん、みるきぃさんということになります」

 班分けが終わった。

「えっと、基本、わたしがセンターでずーっとやります。最初は1班から、順番にプリたまキャッチの間に交代します」
 あみが説明する。プリたまキャッチとそれに続く「やってみた」であみにカメラが向いている間に入れ替わるという寸法だ。
「初めてだけど、うまくできるかな…」
 何人かは不安そうに言うが、
「大丈夫。3班まではウチのメンバーが誘導するから」
「4班はそれまでの交代を見てそのようにって事になるのかな」
「うん。でも、割と簡単だから、とにかくやってみようね」

 そして、ライブが始まった。
「あの、れみさん」
 1班のパフォーマンスを袖で見て待機中のれみに声がかかった。
「ゆめ★はるさん、どうかしましたか?」
「私たちの最初のキャッチって、6人でやりますよね。交代できるんですかね」
 れみはそれを聞き、
「確かにあみの説明では不安になりますよね。でも、最初のキャッチはプリたまの周りに順番に顔を出すアングルだから、入れ替わりながら顔を出せばいいんです」
「なるほど」

 そして、その後もゆみの誘導で無事3班との交代もクリアした。
「私たちは自分達で交代だけど、がんばろうね」
 あかり★さんが他のメンバーに声をかけ、みんな頷く。そこでれみが、
「私がタイミングを見て声かけますね」
「助かります」

 あみが最後のプリたまキャッチに入った。れみの合図で3班と4班が入れ替わり、位置につく。成功だ。

 こうして、21人ライブが終了した。

「やったね!」
「面白かった!」
「緊張したけど、楽しかった」
「達成感、ハンパないね」
 みんな口々に成功を祝う。この瞬間がいつもたまらない。

「ありがとうございました」
 あみが締めの挨拶をする後ろで、まみたちがたくさんのレジ袋を持ってきた。レジ袋と言っても、最近はスーパー等では無料配布していないから、日用品店で束売りしている手提げビニールだが。
「本当は打ち上げパーティーしたいけど、コロナ感染予防でこの人数は無理だから、お菓子とジュース分けてます」
 一同、それぞれにお菓子の袋を配る。
「今晩7時から、これ食べながらオンライン打ち上げやるから、気が向いたら参加してくださいね」
「勿論、参加できなかったチームメイトの方も参加OKですよ」

 解散後。
「お疲れ様」
「今回もうまくいったね」
「でも、早く器材を片付けて帰らないと、オンライン打ち上げに遅れますよ」
「あ、そうだね」
「そもそも、あみってオンライン打ち上げのパソコンソフト使うの初めてじゃないの?」
「そ…それもそうだね。事前に確認とかいるよね」
 これからのほうが大変なことに気づき、あみの顔はどんどん真っ青になっていたったのだった。
  

今回のライブシーン
                     
前へ表紙へ次へ