第14章 メロディープリンセスカップだパン

「おつかれー」  休憩室に帰ってきたれみをあみとまみが迎えた。
「コンビニで買ってきたシュガーコーンあるよ」
 円錐形の上にチョコの乗ったアイスだ。お手軽なサイズのものが箱に数本入っている」
「いただきます。ゆみはまだですか」
「もうすぐ来ると思うけど…」

 しばらくするとゆみが入ってきた。
「ねぇ、このチラシ!」
「前に参加したプリンセスカップのやつ?まだ持ってたんだ」
 そういうあみに、
「いや、よく見て」
「メロディープリンセスカップ」
「前のはレインボープリンセスカップ!また大会やるみたい」
「よし。今回はゆうきも加わったし、楽勝…」
 言いかけるまみに、あみが横から、
「ゆうきは向こうのバイトが忙しくてしばらく無理みたい」
「まぁ、コロナ禍でシフト減るバイトもある中、ありがたい話だもんね」
「というわけで、わたし達4−Meでエントリーします」
「そういえば、うちらのチーム名、そんなのだったね」

 そして、一回戦。ソロ対決とある。
「よし。行ってくるね」
 あみが気合を入れながら言うと、れみが、
「これ、ゆうきが着てた水着のサンセットカラー版。水着パワーでいいねを集めてください」
 とコーデを渡す。水着の色気はともかく、不参加のゆうきの分も頑張れる気がする。
「さて。対戦相手は…」

 あみは絶句した。

「キラッCHU!」
 成長した後、ソロアイドルとして活躍しているとは聞いていたけど。

 キャリアの差もあり、あみは勝った。
「あみちゃんとライブできて楽しかったっチュ!」
 負けても楽しそうだ。

 そして、二回戦。
「まさかとは思ったけど、やっぱりね」
 立ちはだかったのはメルパンだった。
「ご主人さまとライブ対決。うれしいパン」
 パンダにはパンダ。あみはチャイナロックコーデで挑み、パンダ対決を制した。

 三回戦からは団体戦だ。
 対戦相手は新衣装アメリカンダイナーコーデのミラクル☆キラッツだ。
「毎回戦っているとはいえ強敵だよ」
「あのコーデ、可愛いなぁ」
「だったら…」

 れみが悪戯っぽく笑う。嫌な予感が… 「水着パワー再びですよ!」
 れみはまみの水着の色違いを用意している。あみだけでなく、ゆみにも別色を渡している。
「なんでアンタそんなに水着ばっかり…」
 とはいえ、フルーツ水着3色作戦は効奏し、あみたちは決勝にコマを進めた。

 決勝の相手はメルティックスターだ。サイバーキャットコーデで統一している。
「じゃ、私たちはミラクル☆キラッツのクラシック版のコーデで挑んでみましょうか」

 決勝はなかなかの接戦だったが、あみ達は勝利することができ、大会二連覇を果たした。

「でも、メロディープリンセスのイルミナージュコーデ、もう持ってるけど…」


今回のライブシーン
                    
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