第10章 あつまれ、どうぶつのライブだっチュ

「おつかれさまでした」
 あみはひなさんとあんずさんに声をかけた。今手に入るコーデはあと数日。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言により、二か月間休園していたこともあり、長い間コーデが変わらないイメージがあったが、変わるとなると駆け込みライブをしたくなるものだったりする。
 今回はローズアイパッチをつけたバック二人でのライブだった。
「ローズアイパッチといえば、あまねさんも居れば良かったのにね」
「でも、コロナも収束したわけじゃないし、家からなかなか出づらいですよね」
「フォロワーさんもけっこう「あつ森」とかしてますよ」
「それって…確か、熊谷次郎直実に須磨で討たれた平家の笛持つ武将」
 あみが本気か冗談か不明なボケをかます。
 もし、れみやゆみがいたら、
「それは平敦盛。その人でも、夜のスポーツニュースの「今日の熱盛」でもないから!」
 などとつっこみが入るところだが、ひなさんは冷静に、
「ニンテンドースイッチの「あつまれ、どうぶつの森」ですよ」
 と返した。

 あみは解散後、寮に戻りながらぼんやり考えていた。
「あつ森か…でも、スイッチ本体って売り切れてるんだよね…」
 そして、寮へ戻ると、れみがテレビを見ていた。
「CMしてるけど、スイッチ売ってないですよね」
 ここでも「あつ森」か…と、あみは突然思いついた。
「そうだ。第一弾コーデ最終日、四人とも空いてるよね」
「はい。少なくとも私は空いてますが」
 あみはいきなり募集を打ち込んだ。
「あつまれ!どうぶつのライブ!第一弾コーデやりおさめに動物モチーフのコーデでライブします。ゲストさん大募集!」

 当日。
「わぁ!結構集まったね。ありがとう!」
 あみはマイデザインのアニマルコーデ。れみはにゃんにゃんにゃーすコーデ。まみはワンダーランドコーデ。うさぎの顔がついている。ゆみはがおがおふぁいがーコーデの新色だ。
 ゲストも集まってくれた。
 おおかみのついたレインボー赤ずきんのきららさん。
 レインボー狼のこのはさんと猫占い師のなぎさ♪さん。
 あんずさんはリングマリィのラビットコーデ。同じうさぎでもまみのものとは全然違う。
 前回好評だったわんわんフットボールではるか♪さんも参加だ。
「ごぶさたしてました」
 すごく久しぶりにニチカさんも参加。くまモチーフのスクールガールコーデだ。
「人魚姫も動物でOKかな?」
 しののさんはにんぎょひめコーデだ。
「動物の貝やサンゴもついてるしOK!」

 全部で11人。チーム分けをして交代ライブをすることになった。
「狼とかウサギは分けようか」
「誰か2回出る…まぁ、あみかな」
 話し合いをしているところへ、えもがやってきた。りんかへの手紙を配達した帰りだった。
「何かえもい事してるの?」
 あみが説明すると、
「何それ、えもい!私も入りたい!」
「もちろん大歓迎だよ。そっか。郵便屋さんコーデはヤギの耳だしちょうどいいね」
「これでちょうど2班になったね」

 こうして、にぎやかな「あつまれ、どうぶつのライブ」でコーデ第一弾期間を締めくくったのだった。


今回のライブシーン
                 
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