第4章 レインボープリンセスカップだっチュ

「ねぇ、見た?」
 ゆみが休憩室に入ってくるなり言った。
「何?」
「レインボープリンセスカップって大会があるみたいよ」
「そうなんだ。さっそくエントリーしなくちゃ」
 あみがテーブルのお菓子を片付けようとすると、れみが横から、
「あ、オンラインでエントリーするみたいですよ」
 と言いながら、スマホでエントリーを済ます。
「じゃ、まだ片付けなくて良かったね。ゆみも食べるよね」
「ていうか、あみ、まだ食べる気ですか…」
 れみがあきれたように言う。

 さて、大会の日。まずはソロ対決。対戦相手はみらいだった。
「わたしが相手だよ!プリンセス目指してがんばろう!」
 しかし、課題曲は三人曲だ。
 みらいのバックにはえも、りんかが加わった。事実上ミラクル☆キラッツとの対戦だ。
「じゃ、うちはどうしようか」
 あみはれみたちに向き直る。
「あみはどのコーデにするんですか?」
「この前、かわいいって評判だったから、夢見る乙女コーデにするつもり」
「ならば、我とれみが黒い色違いで力になろう」
 まみが名乗り出る。
 特に色白な二人が黒。小麦色のあみが白のコーデなので、衣装は映えるはず。

 まず、初戦はあみ達が勝った。
 次はあんなと対戦だ。
「2回戦の相手はこのワタクシ!負けませんわよ!」
「次はわたしもパックのカードを使おうかな…」
 あみはプリパラでミーチル様が着ていたコーデの色違いを取り出した。
「このコーデにしよう」
 バックについては、さっき休憩だったゆみが、
「あたしの出番でしょ!」
「コーデはどうするの?」
「この前、ニコチケで色違いが続けてでたから、まみと一緒に着ようねって言ってたコーデがあるんだ」
 二人はブリティッシュアイドルコーデの色違いを手にして言う。

 僅差で勝利し、そして、そのまま3回戦へ。
「また会いましたわね!今度こそワタクシ達が勝ってみせますわ!」
 イースターコーデ姿のメルティックスターが対戦相手だった。あみ、れみ、ゆみはロッキンパイレーツコーデでライブし、決勝にコマを進めた。

 決勝に挑む直前、キラッCHUの体がまた光った。
「何かいいことが起こるっチュ?」
「はは、縁起がいいね。しっかり応援してね」
「わかったっチュ!」

 そして、決勝戦。
「いよいよ私たちの番だね!」
「超えもいステージにしよう!」
「プリンセス目指してお互いがんばりましょう」
 決勝の相手はミラクル☆キラッツ。先日の大盛況だったライブで曲も衣装もそのまま再現している。

「これはちょっと本気でキツイね」
「かくなる上は、昨日羽根の生えたすごいプリたまでゲットしたミラクル☆キラッツのチームコーデの色違いで挑もう」
「じゃ、あたしはレインボー版で」
 と、ゆみ。れみは、
「私は一昨年のもともとのもので行きます」
 相手のコーデの歴代カラーで相手の持ち歌に挑んだ。

「何とかやりきったかな…」
 曲が終わった後、余韻がいつもより長く感じる…いや、長い?

「イルミナージュライブ、スタートっチュ!」
 プリたまGoからキラッCHUが飛び出した。
「すくすくすく〜」
 キラッCHUが急成長して、あみと同じくらいの人間の女の子の姿になる。
 そして、あみのコーデが虹をあしらったドレスに変わる。
 アイドル姿のキラッCHUがあみの手を取ってジャンプする。

 以前、だいあに似たようなことをされた気が…

 気が付くとあみはジェットコースターに乗っていた。問答無用にコースターが走り出す。

 コースターが停まると、キラッCHUはあみの手を取って、ランド中央の城への階段を走る。
「今度はどこ?」
「プリ☆チャンキャッスルでライブだっチュ」

 城に着くと、キラッCHUはキラキラしたものを出しながら舞い上がっていく。
「キラキラのイルミナージュ!」

 あみのコーデがプリパラのサイリウムコーデのように光りだす。そして、空に花火が上がる。

「綺麗…」
 それを配信で見ていた誰もがそう呟いた。

 夢のようなイルミナージュライブが終わると、あみは元の場所に戻っていた。

「わー、あみちゃん!優勝おめでとう!」
「超えもえもなライブだった〜!」
「私たちも、とっても楽しいライブだったわ」

 ミラクル☆キラッツのメンバーが祝福してくれる。
 勝負が終わればノーサイド。あみ達はこうして最初のプリンセスカップを制したのだった。


今回のライブシーン
                        
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