第1章 プリ☆チャンランドオープンだっチュ

「ここかぁ…」
 あみは雑誌を持ったままゲートを見上げた。

 少し前にニュースで見たプリ☆チャンランドが今日オープンするのだった。あみはみんなで行こうと思い、れみ達を誘ったが、
「初日はどうせ混んでて何もできないし」
「まずはあみに偵察だけしてもらおうか」
「私、雑誌は買ったので貸してあげますね」
 れみがあみに雑誌を手渡し、あみの肩をポンと叩いた。

 あみは結局、代表して偵察にきているという訳だ。

「あ、特に入場券買わなくてもいいんだ」
 町に出来た遊園地なので、街中にアトラクションがある感じだ。入場はフリーだった。
 確かに、入場料がかかったら、折角の配信設備を使うのも予算と相談になってしまう。

 あみがキョロキョロと見まわすと、ゆっきーさんを見つけた。
「あ、こんにちは!」
「のん達に頼まれて下見に来てるんです。あみさんも一人?」
「うん。うちもそう。わたしが偵察係」
「どこも同じですね」
 背後から相槌がくる。
「あれ?このはさんも偵察ですか?」
「ええ。うちなんて、れんげ達まで『グループ代表、お願いね』なんて言うし」

 三人でそんな話をしながら歩いていると…
「お、ちょうど三人組!」
 おふぇりあさんがあみ達を見つけて駆け寄ってきた。
「新しい配信ステージ、四人曲なんですよ。もしよかったら…」
「もちろんいいですよ!偵察隊連合?みたいな感じかな」
 あみが答えると、
「まぁ、そういう話になるでしょうね」
「雑誌付録のコーデでライブする気だったみたいですしね」
 言われてあみが気づく。
「あ、そっか。このコーデがあるんだった」

 ライブをしようとすると、みらいが来た。
「ここのキャストしてるんだ」
「そうなんですね」
 みらいがあみに「プリたまGO」を手渡す。
「これでコーデチェンジしたり、マスコットを育てたりできるよ」
 あみが中を見ると卵が入っている。マスコットの卵だ。

 そして、ライブが始まった。
 暫くすると、色のついた卵型のカプセルのようなものが飛んでくる。
 あみは飛んできた三つのカプセル、コーデプリたまをキャッチした。

 そして、曲が終わると、キャッチしたプリたまが上から降りてきて、あみの周りをくるくる回り始める。
 白いもの、金色や銀色のもの、赤くて羽根のついたものなど、結構カラフルだ。

 くっくっくるくるくるくるルーレット♪

 明るい音楽に乗ってプリたまが回る。
 あみが指を出すと、金色のプリたまが選ばれた。
「ぱっかーん」
 中にはスーパーレアのコーデが入っていた。結構幸先の良いスタートだ。

 …羽のついたの、すごいコーデが入ってるんだろうなぁ。


 数日後。
 先日のオープンのライブの配信を見ながら。
「明日、いよいよみんなで行けるね」
「私はちょっと遅れますけどね」
 れみだけはこの日バイトのシフトがあり、途中から合流する流れだった。

「さっそく来たけど、元からある遊園地もそのままあるんだね」
 三人はメルティックスターがよく配信に使っていた遊園地エリアに来ていた。
「れみが来る前に、ここで一曲やる?」
「ちょうど、模様おそろいのニコチケコーデを持っているのである」
 まみが取り出したのはシューティングスターコーデをベースにしたコーデだった。
「シューティングスターコーデって、ぱっと見よりかなりスカート短いよね」
「動きやすいけど、ちょっと恥ずかしいのである…」
「じゃ、こっちの猫占い師型にする?」
「そっちのほうが余計脚が出る気が…」
 結局、まみはプリティーリボンを着て、ゆみが猫占い師、あみが元コーデでセンターになったのだった。

 そして、ライブが終わると、卵からキラッCHUが生まれた。
「わぁ、キラッCHUだ!」
「かわいい〜」
 三人にかわいがられてキラッCHUも嬉しそうだ。
「この子がどんどん育つの、楽しみだね」

 しばらくして、れみが到着した。
「わぁ、かわいいのが生まれましたね」
「じゃ、どんどんライブでいいねを集めて育てないとね」
「さっそく、新しい配信スポットに行くのだ」

「新しい所、噴水があるんですね」
「じゃ、そのイメージで炭酸系四色ライブでもしようか」

 ライブ中、キラッCHUみたいな形のプリたまが飛んできた。
「何あれ?」
「絶対キャッチしないと!」

そして、無事キャッチしたプリたまを見事ルーレットでゲット!

「おお、今年のイースターコーデだ!」
「デザインかわいい!」
「じゃ、集中的に集めてイースターに間に合わせたいね」

 この時、それがかなり先になることを、まだ四人は知らなかった。


今回のライブシーン
              
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