第34章 ジュエルコレクションだよん
「ねぇ、ちょっとテレビつけて!」
 休憩室であみたちがお茶していると、まどかが駆け込んできた。
「なに?漫才でもやってるの?」
「去年のM1の決勝、全部面白かったし、ぺこぱとか出てるかな」
「いや、漫才じゃなくてニュース!」
 ボケるあみとゆみにまどかがツッコむ。
「あみたちが漫才ですね」
 れみがコップにまどかの分のお茶を注ぎながら言う。

 しかし、ニュースを見て全員の態度が一変する。
「ジュエルコレクション開催?」
「なんでも、ジュエルコーデを手にしたジュエルアイドルがライブをすれば、ダイヤモンドコーデが現れるらしいよ」
「願いが叶う最高のコーデだって!」
「しかも、コーデが優勝者を選ぶらしいね」
「どういうことかいまいち判らないけどね、その説明」
「選ばれるってことは、チーム代表にしぼったほうがいいのかな?」
「だね。とりあえず、あみに突っ走ってもらおうか」
「え?わたし?」
 鳩が豆鉄砲を食らったような顔で言うあみに、みぃとゆみが口々に、
「チーム唯一のダイヤモンドクラス昇格者だし」
「ていうか、先週カリスマクラス昇格してなかったっけ?」
「うん…確かに昇格したよ」
 こうして、チーム代表は簡単に決まった。

 当日。あみたちは最寄りの会場に来た。あちこちで開催されているようだが、キラ宿での大会が配信されている。
 あそこはミラクル☆キラッツ、メルティックスター、リングマリィに加え、アンジュさんまで参加している。
 そして、そこのステージ上でユヅルさんがルーレットになり曲順が決まる…筈だけど。

「あれ?」
 ルーレットが止まる前にえもがステージに立った。
「えもさんだ」
「ということは、「ゆうき」のジュエルコーデだね」
 まどかはあみにコーデを渡す。
「じゃ、キラッツにあやかって、サイドはブルーのゆうきとイエローのまどかだね」
 ゆうきはりんかと同じ「やさしさ」のジュエルコーデ、まどかはみらいと同じ「ときめき」のジュエルコーデ。ただし、色は黄色。
「ジュエルパクト、スタンバイ!元気でワクワクな輝き!」
 あみは自分のジュエルをセットし、プリチケをスキャンする。
「コーデチェンジ、スタート!」
「目覚めて、わたしの翼、翼を広げてジュエルコーデ!」
 あみの「ゆうき」のジュエルコーデの色はピンクだ。

 1曲目が終わると、真っ白なダイヤモンドコーデに一つだけ黄色が灯った。

 そして、2曲目はあんながステージに立った。
 あみはれみに「せいぎ」のジュエルコーデを借り、めるとお揃いのまみ、さらとお揃いのゆみとステージに向かった。
 そして、コーデに赤を灯した。

 続いて、キラ宿ではりんかが。
 あみはゆうきとジュエルコーデを交換し、まどかと3人で青を灯す。
 更に、めるに合わせてゆみに借りた「ちしき」のジュエルコーデでゆみ、れみと緑を灯す。

 中盤。まりあが登場すると、あみはみぃに「しあわせ」のジュエルコーデを借りる。
「リングマリィにあわせて、さなえがサイドだろうけど、あと一人は…」
「じゃ、ソロのアンジュさんの枠でお姉ちゃんにお願い」
「ま、そうなるかな」
 こうして、金色も灯った。
「次はすずちゃんだから、さなえとみぃが交代だね」
 さなえが「じゅんしん」のジュエルコーデをあみに渡して、あみは「しあわせ」のジュエルコーデを返してステージに向かう。
 黒も灯った。

 次のアンジュさんのステージはソロステージだ。 「よし、この「きぼう」のジュエルコーデを託すよ。がんばってね」
「うん。お姉ちゃん」
 白が灯った。

 そして、いよいよ、みらいが登場した。
「やっと、わたしのジュエルコーデだ」
 二人とも、ピンクの「ときめき」のジュエルコーデだ。
 サイドにはゆうきとまどか。それぞれ自分のジュエルコーデだ。

 ピンクが灯った。

「そういえば、あみは最初から今までピンク一色だったのに、ダイヤモンドコーデに灯る色は違うね」
 ゆみがなんとなく言う。
「そういえばそうだね」

 そして、雑談が止まる。キラ宿ではだいあがステージに立った。
「あ、「ゆうじょう」のジュエルコーデ!」
 そう。あみ達のチームは9人。ジュエルコーデは10種類だ。

「貸してあげるんだよん」
 途方に暮れるあみの前に黒いだいあが現れた。
「いいの?」
「その方が面白そうだからだよん」
「ありがとう!」
 みぃとさなえが、
「サイドはボクたちが行くよ」
「出番少なかったからね」

 よし。行こう。三人はステージに向かった。

 ダイヤモンドコーデに虹色が灯った。

 しかし、コーデはそのまま動きがない。
「あれ?」

 キラ宿でも同じようだった。そして、キラッツとメルティックスターの六人がステージに上がった。
 あみたちも彼女たちとお揃いのコーデのメンバーでステージに上がった。
 おそらく、各地の会場でも。

 そして、ライブが終わると、ダイヤモンドコーデが眩しく光り、コーデとだいあがあみの目の前に降りてきた。
「おめでとう。ダイヤモンドコーデがあなたを選んだよ!」
 だいあがあみにダイヤモンドの盾を贈り、ジュエルコレクションは終了した。

「さて」
 一同はあみに向かって、
「おめでとう。さっそくお披露目ライブだね」

 あみがお披露目ライブをしようとすると、みらいがやってきた。
「あみちゃんもゲットしたんだね」
 次は後ろから声がかかる。
「カリスマ昇格に続き、おめでとうございます」
 あまねさんだった。あまねさんもダイヤモンドコーデを身にまとっている。
「あまねさんもゲットしたんですね。おめでとうございます!」
「隣の会場でゲットです」

 こうして、3会場でのダイヤモンドコーデ取得者による豪華なお披露目ライブが行われたのだった。


今回のライブシーン
                                
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