第17章 あみも5周年だもん
プリパラと世界が一瞬つながった事件。色々と世界が干渉しあっているのかもしれない。
あみは、なんとなくだけれど、この事件に違和感を覚えた。
「なんだろう?この感じ…」
あみはらぁら達が消えていった光がだんだん薄れていくのを見送っていたのだが…
光がまた一瞬強くなった。
「…?」
そこには、なぜからぁらだけが残っていた。
「あれ?」
「らぁらさん?なんで?」
「何だろう?やり残したことがあった気がしたなと思ったら、戻ってきたみたい」
「やり残した事?」
「うん。5周年ライブの事思い出してたら…」
「うん」
「あみちゃんも5周年だろうから、何かライブやるなら見たかったなって」
それで気づいた。あみがいた世界はプリパラは4年で閉鎖したのだ。そして、あみとれみはこの世界で1年過ごしたけど、元の世界では数分だった。
そして、らぁらに初めて会った時、彼女は小学5年生だったのに、5周年のはずがまだ小学6年生なのだ。世界は時間軸をずらしながら干渉している。
「どうしたの?」
らぁらに聞かれてあみは意識を取り戻した。考えても仕方ない。なんか、時の精霊とかもいるくらいだし、今は今ということなのだろう。
「うん…5周年ライブ、どうしようかなって考えてた」
あみは咄嗟にそう言った。
「やっぱり、21人ライブかな」
「じゃ、あたしも参加するね。5周年コーデ貸してあげる」
「ありがとう」
らぁらとあみの仲間で8人。
「とりあえず、フォロワーさんを中心に12人募集かな」
「でも、募集期間、あまり取れないかも」
らぁらが心配そうに言う。
「どうかした?」
「あたしのフォロチケ…」
よくみると、らぁらのフォロチケに有効期限が書いてある。
「らぁらさんがこの世界に居れるのって…」
「多分、あと3日だよ」
らぁらがいる最終日に募集をかけた結果、ありもも!さん、このはさん、まもるさん、あいきさん、おふぇりあさん、クララさん、ひなさん、シュヤラさん、つぼみさん、まいまいさんの10人が参加してくれた。
「皆さん、集まってくれてありがとうございます!」
「あと2人ですね」
その時、ちょうど配信を終えたあんずさんとあまねさんが通りかかった。
「あんずさんにあまねさん!」
「あれ?あみさん?」
「今からわたしの5周年記念21人ライブするんだけど、参加してくれますか?」
「勿論。ていうか、そんな大切なライブにいいんですか?」
「大歓迎!」
「ありがとうございました!」
ライブが終わって、皆それぞれ帰っていった。
そして、らぁらも、
「今度こそ帰るけど、またいつか一緒にライブしようね」
らぁらが光に包まれる。
「かしこま☆約束だよ」
あみはらぁらを真似て返す。そして、らぁらはプリパラに戻った。
「行っちゃったね」
ゆうきがあみの肩にポンと手を載せて言う。
「だね。でも、多分また会える気がする」
「そりゃそうだよ。あたしたちもあっちの世界に帰るんだから」
「それもそうか」
「ところで」
急にみぃが話題を変える。
「しばらくはイベントラッシュになりそうだよ」
「そうなの?」
「来週の合同イベントのあとに、次のだいあフェスがあるらしい」
「合同イベント?」
「プリズムストーンとディアクラウンが合同で、広場で巨大パンケーキを作るイベントがあるみたいですよ」
れみが解説を入れる。
「へぇ、それは楽しみだね」
「で、そのイベントの前座で、ボクとれみとあみでライブをすることになってるみたいだ」
みぃの話にさなえが付け加える。
「ディアクラウン側ではワタシとゆうきがライブだよ。どちらもお店のユニフォームでやるみたい」
「ディアクラウンのってどんなのだっけ?」
「色違いだけど、帽子もあるんだ」
「そうなんだ」
実際、このイベントで、メンバーはライブで消費する以上のカロリーをパンケーキで摂ることになるのだった。
今回のライブシーン
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