第13章 テーマを決めてライブするんだもん
「へぇ、肩に小鳥ついててかわいいね」
「うん。いいねが集まってそう」
あみ、みぃ、れみの3人で色違いで森の音楽隊ライブの配信の後始末をしていた。
「みぃはこの後予定あったよね」
「うん」
「じゃ、後は私たちでやっておくから、みぃは行ってください」
「いいの?ごめんね。でも、助かる」
みぃが帰ったあとも、あみとれみの雑談は続く。
「やはり、こういうテーマを決めたライブは気合が入りますね」
「今回は色違いだけど、この前のサーカスコーデは全員少しずつデザインが違ってたよね」
「そうそう。あれはロコさんの協力あってこそでしたね」
「私がどうかしましたか」
突然、会話に加わったのは…
「ロコさん?」
「ふふ。こんにちは」
ロコさんとリアーネさんだった。
そういえば、コールド認定会で私服でリベンジライブしたいって話をしたっけ。
「覚えててくれたんですね」
「うーん、最初は単なるネタかなって思ったけど、あみさんってそういうのを実際にやること多いから」
「ははは、行動パターン読まれてますね」
「ロコさん、ちゃんとこの前の服だ!」
「まぁ、一応、ね」
「テーマが私服だと、それはそれでバラエティーに富んでますね」
ライブを終えてあみが入手したコーデはマドモアゼルコーデの青だった。
「あ、これの色違い、前にれみ、来てたよね」
「ですね。今度はそれでライブですかね」
「さすがに連続でライブよりは次回に温存かな」
ライブを終えて、あみとれみは帰路についた…はずだったのだが。
「こんにちは」
声がかかる。
「えっ?」
「久しぶりですね。たまたま通りかかったんだけど、そこでライブしてるのを見かけて…」
「わぁ、ドラータさん!遠くからわざわざ!」
そういえば、ドラータさんもマドモアゼルコーデの赤を持っていたはず。
「ドラータさん、これの色違い、今持ってます?」
「ありますけど…」
こうして、次回はすぐ訪れ、結局連続ライブするとなったのだった。
そして、解散後、あみはお腹も空いたので、近くのトンカツ屋に入った。ここはセルフサービスで格安な上、ごはんのおかわりが無料だ。
食券を買い、席を探すと、見慣れた顔が。
「あ、あみもここに来たんだ」
「ゆみ!」
そういえば、先週ゆみにこの店がおススメだって話したっけ。
二人はトンカツを堪能し、店を出た。そして、配信スタジオの前を通りかかった。
「今日はいっぱいライブしたよ」
「タフだね。次はあたしとやる?」
そんな話をしていると…
「あ、あみさんいらした!」
あまねさんが配信スタジオに入ってきた。
「メルティックスターのチームキラッとコーデの緑が手に入ったんで試そうかなと」
「えっ?珍しい色ですね」
「あたしたちは赤と紫はあるけどね」
「じゃ、三色ライブしましょうか」
あみたちがコーデを着るとあまねさんは意外、という表情になった。
「どうかしました?」
「あ、てっきり、あみさんが赤かなと思ったら紫だったから」
「変かな?」
「ううん、似合ってるから大丈夫ですよ」
ただ何となく、あみが紫、ゆみが赤になったのだが、結果オーライ。
思いのほか、たくさんのライブをしたので、あまねさんと別れた後、あみはフォロワーのようすを確認してみた。
「新しいフォロワーのクララさんってコだけど…このコ…」
あみはその中の一人を見てそう呟いた。
そのコは眼鏡をかけている以外、あみがプリパラデビューした時に髪型も髪色も、そして顔もなんとなく似ていた。
きっと、同じようなコーデが似合うだろうし、いつかこのコとライブしたいな…
あみの目標が一つ増えた。
今回のライブシーン
前へ・表紙へ・次へ