第7章 色々ライブするんだもん
「あ、あみ」
「みぃ!これからプリズムストーン?」
「ああ。一緒に行こう。そういえば、そのサングラス…」
あみは頭にサングラスを載せていた。
「さらさんとお揃いで、靴も揃えたんだけど、服は向こうでノンシュガーが着てた服なんだ。なんとなく気に入って、これでソロライブ配信したところ」
「あみにはそのほうが似合ってるかもね」
「おしゃれなあの子真似するより、自分らしさが一番ってやつ?」
「そうだね。でも以前のお花見ライブみたいにお揃いの色違いもちゃんと出来てるね」
「あ、配信見てくれたんだ」
「この前の白雪姫のコーデって、ジグソーパズル貰えたじゃない?」
「うん」
「なんか、メルティックスタープロデュースのアラビアンナイトのもあるんだって」
プリズムストーンの休憩室でまみとゆみが話していたところにあみとみぃが入ってきた。
「何の話?」
「アラビアンナイトのコーデの話だよ」
「あ、さっき手に入れたコレかな?」
あみが取り出したのは、まぎれもなくハッピーレアのコーデだった。
「そういえば、あたしたちの持ってる猫占い師コーデも雰囲気近いかな」
ゆみが言う。
「あと、以前福袋で手に入れたエメラルドアラブコーデもそうかな」
「じゃ、みぃがこれ着て、アラビアンナイトライブなんてどうかな?」
「まみはどうする?」
「我は観客に徹するのである。なんとなく、見たい気分」
「そっか」
アラビアンナイトライブが終わった後、あみはスタジオの外にいたコと目があった。目と言っても、片目にアイパッチをしているコだったが。
「どっかで見かけたような…?」
思い出した!以前ツイッターでいいねをくれた人だ。
「あの、すみません」
あみは声をかけた。
「わたし、あみっていいます。先日はツイッターでありがとうございました」
「あ、あの方ですか。私はあんずです。よろしく」
「もし良かったら、一緒にライブしませんか?」
「いいですよ。このコーデだけどいいですか?」
「もちろん!じゃ、仲間を連れてきますので」
あみはまみに声をかける。
「このコーデで、あちらのあんずさんとライブするよ!」
「うむ。力になろう。でも、このコーデのチョイスは…?」
「紫で脚ベルトがあるコーデってことで」
「相変わらず、意味不明なコンセプトであるが…」
「お待たせしました」
「では、ライブ、いきましょうか」
結果、このライブ、すごくいいねが集まったのだが…
「ライブ、見ましたよ」
別のコが声をかけてきた。
「あんずちゃんとライブしてる人がいるなと思ったら、前に何度か見かけた人だったので」
「あ、そうなんですか。わたし、あみです」
「あまねです。よろしくお願いします」
あまねさんはあんずさんとお揃いのアイパッチをしている。
「あんずさんと同じチームの方ですか?」
「知り合いではあるけど…アイパッチはたまたまですよ」
「それなら、わたしもアイパッチ付けて、ライブしますか。あんずさん、もう一曲行けますか?」
「ええ、大丈夫ですよ。それより、他のメンバーの方が待っているのでは」
「大丈夫ですよ」
ゆみが答える。
「あたしたちなら、そこの屋台で買ってきたタピオカミルクティー飲みながら観客してますので」
「あ、わたしの分は?」
あみが聞く。
「ないよ。あみはライブ出演でしょ」
「ぶー!」
あみはおどけてふくれてみる。無論、本当に怒っているわけではない。
あみはアイパッチをつけてみた。
「どうかな?こういうの、慣れてないけど…」
あまねさんはほほ笑んで
「かわいいですよ」
と言ってくれる。
ライブが終わって、あんずさんがふと言う。
「そういえば、もうすぐだいあフェスですね」
「だいあフェス?」
「課題曲をクリアしたら、だいあちゃんとおそろいのコーデが貰えるそうですよ」
あまねさんが教えてくれる。
「そうなんだ」
「本格開催はまだ先だけど、先行大会が近くであるみたいです」
連鎖的に知り合ってライブをしたコたちから、すごい話を聞いた。これは頑張らないと!
あみは仲間のところに戻った。三人はジグソーパズルを完成させていた。
「ランプの精、えもさんが演じてるんだね。かわいい!」
「あ、あみ。おかえり」
「ねぇ」
あみが声をかける。
「え、タピオカならもうないよ」
ゆみが答える。
「いや、そうじゃなくて、だいあフェスの話!」
相変わらず、大きな大会があろうとマイペースなグループだ。
「だいあフェス…ん?」
情報を得ようとネットを見ていたゆみがふと目を止めた。
「どうしたの?」
「以前、東京で行ったカードショップ、大阪店あるんだね。サイト見つけた」
「そうなんだ。明日、宝塚方面に仕事で行くから、帰りにれみ、ゆうきと待ち合わせて大阪行くから、ちょっと見てこようかな」
あみはそう言うと、さっそく地図アプリで場所を確認した。
翌日。
あみは仕事を終えて大阪に来た。予定より早く来たから、待ち合わせには時間がある。
「ちょっと、ライブしてこようかな」
あみは最寄りの配信スタジオに向かった。さすがは大都市。混んでいた。
すると、前に並んでいたコが、
「あ、私はいいからライブどうぞ」
と、順番を譲ってくれた。
「えっ?いいんですか?」
あみが訊くと、頷きながら手にフォロチケを持っている。もしかして…
「あ、良かったら一緒にライブします?」
「え、あの、配信したら個人情報とか大丈夫なんでしょうか…?」
なるほど。それが心配でライブを躊躇してるのか。
「わたしの以前の配信だけど、こんな感じ」
「これならOKそうです。じゃ、ご一緒していいですか」
「もちろん!わたし、あみ」
「私は、はなこです」
「よろしくね。はなこさん」
はなこさんとペアライブして、ちょうどいい時間になったので、あみはゆうきたちとの待ち合わせ場所に急いだ。
「お待たせ!」
「お、いいタイミングだね」
「へへ。ちょっと時間あったから、ここで知り合ったコとペアライブ配信してきた」
「あいかわらずですね…」
3人はショップに来た。
「あ、このメイド服かわいいなぁ」
ゆうきはメイド服を一式。
「エンジェルナースの色違い、足りないパーツがありますね。あと、ピュアプリンセスコーデも補完できそうです」
れみは以前の高レアコーデの補完。
あみは…
「あろまさんのコーデの色違いがある…かっこいいけど高いなぁ…」
なかなか決まらない。
「あ、かんあきちゃんのプロモコーデが!カードもコーデもかわいい!」
プリ☆チャンのCMに出ている二人組のアイドルのプロモカードで、バルーンコーデの色違いだった。
「しかも、これ、お小遣いで買えそう!」
各々がコーデを選んだ時、れみが、
「あみ、RONIの新作コーデのリボン、30円ですよ」
あみはこのコーデが気に入ったのに、アクセのリボンだけがどうしても手に入らなかったのだった。
「これは絶対買う!」
この日は、3人でお買い物報告ライブをして解散したのだが…
数日後。
「今日は以前プリパラでドリームシアターライブをした5人でライブ配信!」
「ボクもこれで、向こうのボクと同じになれるかな」
みぃだけはこちらの世界のみぃなので、経験はなかった。今日はそれを埋めるための企画だ。
「あみ、コーデは?」
「…実は、カバン置いてきて…手持ちがこれだけなんだ。嬉しくてこれだけ持ち歩いてたから」
こうして、5人はRONIで全員お揃いライブをすることになったのだった。
今回のライブシーン
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