第5章 イースターだもん

 ディアクラウンの休憩室で。
「そういえば」
 あみがゆうきに話を振る。
「なになに?」
「ゆうきとさなえが初めにまりあさんとライブした時のコーデ、どこで手に入れたの?」
「あ、あれはプリチケパックっていって、ランダムな4枚組のアイテムのカードとして売っていたやつだよ」
「どうりで入荷で見かけないわけだ」
「まだ使ってないコーデとかもあるよ」
「どんなの?」
「コレとか」
「ワイズガールコーデにこんな可愛い色あったんだ」
「使う?」
「うん。貸して!」

 あみはゆうきに借りたコーデを手に店を出た。ゆうきは今日はバイトなので、今はひとりだ。

「あ、本当にあみさんだ!」
 声がかかる。
「エルザさん?」
 にじのエルザさんだった。ラウラ☆さん、メロディー☆さん、せと☆君、ただのヘタレさんと勢ぞろいだった。
「こっちに帰ってきたって配信を見たので寄ってみたんですよ」
「へぇ、皆さんお揃いで」
「じゃ、みんなでライブなんてどう?」
 ただのヘタレさんが提案する。もうヘタレではないような気もするけど。
「なんか、にじのエルザ少佐率いるアイドル部隊は、プリチケパックオペレーションのあみと接触…みたいな感じですね」
「何ですか、それは?」
 あみの意味不明な例えに一同「?」となる。
「あ、ガンダムのプラモデルのCMでね、「ジョニーライデン少佐率いるモビルスーツ部隊は、フルアーマーオペレーションのガンダム部隊と接触」ってナレーションの、すごくカッコいいのがあったんだ」
「昭和の懐かしCMで見た事あるかも…」

 さて、ライブが終わって、雑談タイム。
「この前、スペインですごくダンスの上手いプリ☆チャンアイドルがいたんデス」
 ラウラ☆さんが話題を切り出す。
「メルも一緒に見たんだよね」
 話を振られてメロディー☆さんが、
「そう。その人たちも、いつか日本に行きたいって言ってましたヨ」
「へぇ。どんなコが会ってみたいなぁ」
「あ、そうそう」
 エルザさんが思い出したように言う。
「今度、すごく可愛いコーデが発表されるそうです。私たちはそれを狙ってるんですよ」
「わぁ、それも楽しみ!」
 あみもワクワクが止まらない。

 そして、翌日。あみ、れみ、ゆみが可愛い新コーデの噂の話をしていると、
「一緒にかわいいを探しませんか?」
 まりあが声をかけてきた。可愛い新コーデを見れるかもしれない。

「では、まず皆さんのかわいいライブが見たいですぅ」
 まりあに言われて、ゆみがふと思いつく。
「ねぇ、ちょっと…」
「どうしたの?」
「なんとなく、ここはガーリィでフリフリなコーデだと思いがちだよね」
「そりゃそうだよ」
「逆にスカートじゃなく、ボーイッシュなコーデでやってみたら、まりあさん、どんなリアクションするかな?」
「やってみなくちゃわからない。わからなかったらやってみよう!」

 結果。
「わぁ、れみちゃんのボーイッシュなショーパン、かわいいですぅ!」
「あみちゃんのコスプレっぽさもかわいいですねぇ」
「ゆみちゃんのおへそがチラリも超かわいいですぅ。やっぱり、かわいいは世界を救うんです!」
 3人は揃いも揃ってかわいいシールを貼られた。
「この人は難攻不落だった…」

 その後のライブではぁとパールコーデのまりあのバックはあみとれみがスクールガールコーデで普通に可愛いくやった。
 無論、二人は更にシールを貼られる結果となった。

 その後、まりあがクローバーファンタジーコーデを用意してきた。まりあが着ると「かわいいの女神」のようだった。
 そこへまみがやってきた。
「かわいいコーデというから、ハッピーレアコーデをゲットしたのである」
「ハッピーレア?」
「ミラクル☆キラッツのプロデュースで、絵本とジグソーパズルがついているのである」
「へぇ、白雪姫のドレスなんだね。パズルで白雪姫を演じてるみらいさん、すごくかわいいね」
「我はカラバリを着るのである」
 まみのコーデは同じデザインでも、黒を基調としたシックなドレスだった。
「まみのは黒雪姫だね」
「う…気に入ってたのに、なんてネーミングを…」
   とは言え、女神と白黒雪姫ライブはかなり好評だった。

 翌日。れみが雑誌を持ってきた。
「可愛いコーデって、コレの事じゃないですか?」
 イースター限定のうさぎモチーフのコーデだった。
「新色2種が明日から入荷みたいですよ」

 そして。あみたち4人の前には3組のコーデがあった。
「コーデ3色揃ったし、イースターライブをやろうよ」
 誰が提案するでもなく、話はそういう方向になる。
「ゆうきたちも誘って二人ずつ色を分けて6人でやろうか」
 あみは提案し、さっそくゆうきとさなえを呼んだ。
 さなえはコーデを見ると、
「イースターエッグに描くようなカラフルな模様だね。ここかでカラフルならいっそ…」
 言いながらコーデをシャッフルして、カラバリを増やす。
「ほら、これで全員色違いでイースターライブできるよ」
「なるほど。その発想は無かったわ。そのほうが楽しそうだね」

 こうして、6人はイースターライブをしたのだった。


今回のライブシーン
                 

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