第32章 2月の定番ライブ(?)やってみた
「1月ももう終わりが近いね」
「という事は、めるめるさんとUSAやって1か月経つんだね」
「あれ以来USAはやってないよね」
「あたしたち4人だからね」
「誰かゲスト、来てくれないかなぁ」
わちゃわちゃ会の会場で四人はそんな話をしていた。
「ふぅ、何とか間に合ったかな」
わちゃわちゃ会に来てくれたのはつぼみさんだったのだけど…
「あ、つぼみさん。来てくれてありがとうございます!でも、一体…?」
つぼみさんはレッスン着で駆けつけてくれていた。
「いやー、当たり狙おうと必死でレッスンしてたら時間ギリギリで…」
「そこまで無理させてしまってごめんなさい」
「別にいいですよ。長くやってると、色んなことがありますしね」
「つぼみさんって、どのくらい活動されてるんですか?」
「4年ちょっとですかね」
「えっ、わたしも4年ちょっとだから、同期ですよ!」
「そうなんですか!」
「その頃の話、わかる人がいると嬉しいですよね」
「ですよね」
「あ、せっかくなので、ゲストに来ていただけます?」
「もちろん。お招きありがとうございます!」
「USAとかをやろうとすると、助っ人が必要なんですよね」
「あ、わかります。それ。うちも3人だから」
そんな感じで、久しぶりのUSAのライブをしたのだった。
「ありがとうございました。ではまた」
「次に機会があれば、しずくさんと、あと一人の方とも一緒にライブしたいですね」
そんな事もありながら、2月を迎えた。
あみたちはテレビを見ながらお菓子を食べていた。
「これ、ローソンで見かけたんだ」
ゆみが出したのはコイケヤのポテトチップスだった。ただ、袋にでかでかと賞味期限等が書かれている。
「賞味期限平成31年4月30日…平成最後のポテトチップス?」
「平成末覇王のあみにはぜひ食べてもらって、食レポを配信しなきゃね」
「じゃ、本当にゴールデンウィークに食べる?」
「いや、油まわりそうだし、おいしいうちに食べちゃおうよ」
「うん。あと、お返しといえばなんだけど、ベイクのリラックマコラボパッケージを特売で見つけて買ってきたんだけど」
あみがベイクを出す。
「あ、この焼きチョコ、すごくおいしいやつですよね」
れみが反応する。
「なになに、2018年はベイク、リラックマ共に15周年…去年のだね。これ」
「そっか、それで特売か」
「でも、今月、リラックマのコラボコーデが出るみたいですよ」
「今のコラボって星のカービィだっけ」
「あのピンク色のやつだよね。ゲームのキャラなんだっけ」
「うん。やった事はないけど」
「かわいいキャラだから、パシャッとアイテムのぬいぐるみ期待してたんですけど」
「星の杖みたいなやつだよね。そういえば、今期のSR、カービィのワンピ、シューズ、杖が初日に3連続で来たけど」
「アクセだけ最後まで出なかったね。他のSRはその後コンプしたのに」
「えっ?そういえば昨日出たわ。ヘアアクセ」
「それなら今日はカービィライブかな」
「だね。あと、2月のライブといえば…」
ゆみが言いかけると、あみが返す。
「節分だね。鬼娘っぽいコーデがあった筈だから用意しておくね」
「いや、普通、そこはバレンタインちゃうんかーい!」
「だって、チョコの前に、ちゃんと恵方巻きや鰯や煎豆も食べなきゃ」
「まぁ、今年のバレンタインコーデ、まだ出てないですし。節分も面白そうですよ」
れみが一応フォローする。と、その時。
「ところで、テレビを見るのだ!」
「まみ、どうしたの?」
「リフレクトムーンが出てるのである」
「リフレクトムーン?」
「月から来た姉妹の占い師アイドルのユニットなので結構好きなのだ」
「月の占い師とか、佐賀県の振興に蘇ったゾンビとか、堕天使とか、最近は設定に凝るアイドルも多いよね」
「まぁ、うちにも異世界から来たってメンバーがいるけどね」
「この番組、ダイヤモンドフレンズカップ準決勝か。二人組のアイドルによるトーナメントのやつですね」
「ふーん、プロレスでいえば最強タッグ選手権みたいなものかな」
「だから、なぜにプロレス…」
れみが調べると、あみがボケて、ゆみがつっこむ。いつものパターンだ。
「あぁ、リフレクトムーン、負けちゃったね」
「対戦相手のラブミーティアって、去年優勝したんだっけ」
「あ、こっちはあたしでも知ってる。テレビとかでよく見かけるし」
「お、次の対戦のピュアパレットってチーム、なみりーん☆さんのいるアイドル学校の制服じゃない?」
「あ、本当だ。あれ?こっちのコ、どっかで見たような…」
あみが必死に思い出そうとする。
「あいねってコでしたら、前にテレビでファンの落し物を届けに雨の中追いかけたエピソード見て、あみが心の師だのと騒いでいた人じゃないですか?」
「あ、それだ。思い出した。目指せ、友達100万人って言ってるし、わたしもプリパラで100人とライブを目標に頑張ったし。やっぱり心の師だわ」
「心の師に対する認識がその程度なのはいかがなものかと…そもそも、4桁ほど志が違うし」
ゆみがあきれたようにつっこむ。
「あ、そうそう。あたし、今日用事あるからもう行かなきゃ。カービィライブは任せるわ」
「そうなの?」
「そのかわり、リラックマの時はセンターやるよ」
「ゆみ、リラックマ好きだもんね」
カービィライブが終わり、まみも帰っていった。
「あ、そうそう。れみ」
「どうしたんですか?」
「この前ゲットしたクロックモダンモスグリーンコーデだけど」
「あれが何か?」
「相方がマドモアゼルワインレッドコーデでPlay Soundやったら合いそうじゃない?」
「さっきのテレビみて、ペアライブやりたくなったんでしょ」
「ははは…」
「いいですよ」
ライブ後。
「ね、やっぱり良かったでしょ」
「ですね。いいねも集まりました」
「今度、うちでもタッグリーグみたいなのやろうか」
「昔やりましたね。なぜか、くみさんが乱入して優勝しましたけど」
「そうそう。お姉ちゃんを勢いで途中参加させたんだよね」
「意外なキャラとペアライブも面白いですよね」
「乱入タッグパートナー募集!って、またやる?」
「あ、今、話聞こえたんですけど」
横から声がかかる。
「久しぶりですね」
「ご無沙汰してました。おふぇりあさん!」
あみは心の師でも忘れる割には、フォロトモのことは完璧に覚えている。
「乱入タッグパートナー、応募しちゃおうかな?」
「じゃ、早速!」
「いきなりですか。さすがですね」
おふぇりあさんは笑ってペアライブに応じてくれた。
「そういえば、再来週あたりに、仲間とガールズエール合わせやるんですけど、一緒にどうですか?」
「あ、ぜひお願いします」
「ちょっと、あみ」
「何?」
「再来週、仕事で東京行くって予定表にありませんでしたか?」
「あっ、再来週だっけ。月曜の祝日から火曜は覚えてたんだけど」
「それなら大丈夫ですよ。水曜の予定なので」
「良かった!じゃ、改めてお願いします」
そして、2月3日。
「じゃ、まずは食レポいきます」
「まずは、恵方巻き。今年の恵方は…」
あみが方位磁石を見ながら、
「えっと、この辺ですね」
あみは鬼の面を置いて、鬼と向き合って巻き寿司にかぶりつく。そして、ベルトコンベアーの如く巻き寿司はあみの口の中に消えていく。
「別に鬼に向かって一気食べしなくても…」
「でも、恵方巻きって、黙って丸かぶりするものだって聞いたよ?」
「ごはん系を殲滅して、いわしだけ食べるとちょっと塩辛いかも」
「そもそも、豆まきとかじゃなくて、何故に節分配信が食レポ…」
「ほら、デザートもあるよ」
「最近は恵方巻きにちなんでロールケーキとかも出てるよね」
「というわけで、コレ!」
出てきたのはスーパーの菓子パンコーナーによくあるウサギの絵のパッケージのロールケーキだった。
「あ、パッケージのロールちゃん、鬼のお面付けてる。かわいい!」
「ふーん、このウサギさん、ロールちゃんっていうんだ」
「お茶は何にしようか?煎豆もあるよね」
「まだ豆まきしてないのに豆食べてどうするの!」
「ちゃんと撒く豆は用意してるし。これは余った分」
「余る?」
「うん。3粒ずつラップでくるんで20パック作ったんだ」
「あ、なるほど。撒いてから20個回収すれば、外に撒いたのも全部食べれるって寸法なわけね」
「しかし、食べることとなると知恵がまわるなぁ…」
いつも通りのグダグダな食事タイムが終わると、いよいよライブだ。
「ツノツノヘアアクセのモノクロ版?」
「うん。鬼の角」
「普通の色でもいいんじゃない?」
「イメージは『うる星やつら』のラムちゃんなんだけど、トラじゃなくてゼブラ柄のワンピだから、それに合わせてね」
「あ、全身モノクロ鬼ってことか」
「じゃ、全員でこれ着て、いざ、オンエアー!」
こんな感じで、節分イベントはオンエアーされたのだった。
今回のライブシーン
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