第15章 再会してみた
今から3時間ほど前。
「ごめん!問題発生」
あみは登場と同時にまみに謝った。
二人はストライプスターコーデのオレンジとライトブルーの色違いでペアライブをやる約束だった。
「どうした?」
「ライトブルーのヘアアクセのプリチケを無くしちゃった…」
「えっ?」
「昨日、カード分けようと言った時にはあった筈なんだけど…」
ゆみは昨日あみから預かったオレンジのコーデのプリチケを取り出した。
「こっちは揃って…あれ?」
よく見ると、オレンジのシューズの下にライトブルーのヘアアクセがくっついていた。
「あったね」
「確かに、プリチケ、束ねて輪ゴムで留めてたら、たまにくっつくよね」
そして、二人はライブを終えて控え室にいた。
「なんとか出来てよかったではないか」
「ごめんね。折角の色違いペアライブの前に騒動起こしちゃって」
「そういえば、あみ、ゆうきさんとの色違いペアライブの写真持っておったよな」
「あ、メガドレインで作ったやつ。うん。あれがどうかした?」
「我はあのデザインが気に入ったのだが、あれのカラバリ作ってみんなでライブしたらどうかなと」
「いいかもね。イメージするため、あれを誰か二人に着てもらって、そのライブを見たいかも」
「あの、もし良かったら、その話、乗りますよ」
二人に背後から声がかかった。
「えっ?あ!あなたは…」
さて、現在。
ゆみは特に予定もなくブラブラと散歩をしていた。
「ゆみさん!」
前から歩いてきた二人組の片方が声をかけてきた。
髪型をツインテにした眼鏡の二人組だった。ただ、ゆみの知り合いのはずだが誰だか判らない。
「へへへ。お久しぶりです」
笑うと可愛い八重歯がのぞく。それにこの服…もしかして!
「ロギね…さん?」
「はい。正解!ゆみさんがプロデュースしてくれた私服着てきて正解だったね」
どうやら、あれから色々な人のプロデュースで髪型とかも変わっていったようだ。
「随分見た目も変わりましたね。あと、そのコは?」
「ボーカルドールのシャルルです」
話によると、プリパラ世界に存在するプリチケから作られたボーカルドールが、何かのはずみでこの世界に飛ばされ、ロギねさんと知り合い、一緒にシェアキャラとして掲示板の人たちのプロデュースで姿を作っているらしい。
「今は双子の眼鏡っ子設定にプロデュースされてます」
「で、二人はどうしてまたここに?」
「前回、プロデュースしてくれたゆみさんとだけ一緒にライブできなかったのがちょっと心残りだったから」
「そうなの?なんか嬉しいな。ちょうどみんな私服だし、ここで街角ライブします?」
「それは構いませんが…」
今度はふたりはフォロチケでゲストにエントリーしたので3人でライブできた。
「ありがとうございました」
「でも、今度はシャルルさんと他のメンバーもライブしたいんじゃないかな」
「心配には及びません」
「え?どういうこと?」
「実は…」
また、時間は1時間前。
あみとまみは声をかけてきた二人…ロギねさんたちの会員証を預かり、二人にメガドレインのペアコーデのライブをプロデュースした。
「どうでした?イメージできました?」
「うん。ありがとう。ばっちりいいイメージができました!」
「どんな感じ?」
「うん。前の奴からみて、えっ?この配色?って言いたくなるようなの考えたりして候補を4つ作ったんだけど、どれとどれにする?」
「我はこのビタミンみたいな配色が気に入った」
「あの…」
シャルルさんが口をはさむ。ボーカルドールでも意見があるというのは、以前あみたちが育てたシュララみたいに人に育てられたボーカルドールなのか、世界を越えたことで何か変化が起きたのかどうなんだろう?
「せっかく4色あるんでしたら、私たちが元の2色を着ているので、メンバーの皆さんで新色を着て、6人ライブしたら楽しそうじゃないですか」
「あ、その発想はなかった…確かに華やかかも」
「じゃ、あみがコーデを作っている間に我がれみとゆみを連れて来よう」
「れみは居場所わかるけど、ゆみはそのへんで出かけてるみたいよ」
「じゃ、街を見物がてら、私とシャルルでゆみさんを探しにいきます」
「助かる!では、我はれみを連れてくる」
再び、現在。
「というわけで、私とシャルルはゆみさんを呼びに来たんですよ」
「じゃ、なんでライブまで…」
「いや、ゆみさんがライブやるって言うからなんとなく…」
「ま、楽しかったからいいんじゃないですか」
二人はゆみの突っ込みに何事もないかのように返す。
「なんであたしは毎回毎回こういう役回りなのよー!」
今回のライブシーン
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