「刑部…っ、こんなのは、嫌だっ…」
「…それは、無理な相談というものよなァ」
咽び泣き、名を呼ぶことも無く、嫌だと繰り返す三成に、
苛立ちのままに未だ固く閉じた穴に屹立した雄を押し当てる
「っ!いや、だっ…!刑部、まって……ぅあ゛ッッ!!」
塗り込んだ精のおかげで先端は楽に入ったが、
やはり慣らしてもいない穴は小さく、奥に進めることは難しい
それでも熱く滾り、ぎちぎちと痛いほどに狭い穴の中を強引に押し進める
「いっ…!っ、はっ…!」
眉をしかめ、きつく目を閉じ、痛みに耐える三成に征服感を覚える
美しいものを汚しているという浅ましい優越
それにより高められる身勝手で醜い劣情
「いた、ぃっ…、刑部っ、やめ…っ」
どうにか根元まで押し入れ、慣らす為にもゆっくりと動く
相変わらずぎゅうぎゅうと締め付けてくる痛みに、
徳川に体を許してはいないことを知り、心が歓喜で震えた
「ぃっ、何で…、こんなっ…、ぅあっ…」
額に玉の汗を浮かべ、苦痛に歪んだ表情を晒す
赤らんだ頬と潤んだ瞳は劣情を煽るばかりだ
「あぁっ、刑部…、嫌だ、こんなのは…、いやだぁっ…」
涙ながらに訴える三成の声に聞こえない振りをした
ただ黙って泣きじゃくる三成を見下ろした
「刑部、なんでっ…、私は、刑部が…っ……」
それきり、唇を噛み締め言葉を紡ぐのを止めてしまった
何かを堪えるように、切ない瞳でわれを見つめるばかりだった
その視線からそっと目を逸らし、律動を激しくする
何も考えたくなかった
何も考えて欲しくなかった
われは、これ以上の拒否を恐れて逃げただけだ
「ふぁっ!んっ…!」
三成の中のこりこりとした前立腺を見つけ、
そこを重点的に擦れば萎えていた三成の雄は立ち上がり、
痛みに耐えるばかりの三成の反応も変わった
だが、慣らしもせず入れたせいで裂けてしまったようで、
きつい穴から生娘のように血を流していた
だがそのおかげで滑りが良くなり、律動も随分楽になった
「ん、刑部っ、ぁあっ!」
良い所を擦る度にきゅうきゅうと締め付け、
甘さの混じった上擦った声を上げる三成に興奮する
「う、あっ!刑部っ、やっ、駄目だっ!ん…あっ!」
立ち上がった雄から先走りを零し、
快感に顔を歪ませる三成を美しいと思った
どれ程われが汚そうと、穢れの無い美しさ
それが喜ばしくも、悲しい
われの病が移ってしまえばいいとすら思う
その身をもって、生涯忘れることの出来ない、
重苦く醜い傷跡に成り果ててしまえばいいと、思った
同じ病を分け合えば、
もしかしたらこの先も、共に居られるのではないかと思ってしまった
「ひっ!ああっ!刑部っ、刑、部っ!!」
「…ッ、三成」
今までも、これからも、名を呼ばれることなど無いのかもしれない
それでも、一度だけでも名を呼んで欲しいと、そう思った
「んんっ、あっ!ぎょ、ぶっ!は、あぁん!刑部っ!」
三成の足が、まるで抱き寄せるように腰に絡み付く
雄を飲み込み蠢く穴と合わさってそれだけで達してしまいそうになる
「三成、…三成っ」
「ふあっ、ああっ!刑部っ、ん、うあぁっ!もっ、無理、だぁっ!」
仰け反り、白い首を晒しながらそう言う三成に、
一層律動を激しくし、前立腺ばかりを何度も擦ってやる
薄っすらと赤く染まった肌
額に張り付く前髪
そのどれもが愛おしいと感じる
なぜそんなことを思うのかも分からないまま、
三成と共に己の雄も限界へと昂っていく
「刑部っ、刑部っ!あぅっ、あ、駄目、駄目だっ!イくっ…!!」
「っ、われもよ、三成っ!」
「んっ、刑部っ、ああっ、好きだ、刑部っ!ああああっ、刑部ぅっ!!」
「…っ、三、成っ!」
食い千切らんとするかのように締め上げ、
自らの腹の上に精を吐き出した三成の中にわれも震えながら精を放った
気を遣った後、そのまま眠りに落ちてしまった三成の縄を解くと、
擦れたせいで白い肌は赤く腫れ、薄っすらと血が滲んでいた
沁みないように丁寧に消毒し、包帯を巻いた
三成の中に放った精を掻き出し、綺麗に手拭いで拭った
新しい着流しを着せ、勝手の効かない体でどうにか布団に運んだ
健やかに寝息を立てる三成の寝顔を見ながら、どうしたものかと頭を抱えた
言葉にされてやっと分かったことがある
それは、われが三成に感じるこの想いの正体
得体の知れない激情の真実
何てことは無い、われはただ、三成を好いていただけなのだ
徳川に取られたくないと、そう思っただけだったのだ
「…刑部」
薄っすらと目を開き、掠れた声でわれを呼ぶ三成の顔が見られない
先程までの熱量は消え、今ではもう罪悪感で打ちのめされてしまった
手酷い仕打ちをしてしまった
許してもらうことなど出来ないようなことをしでかした
許されないことを望んだ筈なのに、
浅ましくも、許されたいと、笑い合える未来を、望んでしまう
たとえ許されることが無くとも、
生涯軽蔑され続けようとも構わないから、
この想いだけはせめて伝えたいと思った
「すまぬ、ひどくぬしを傷付けた
どれ程謝ろうと許されぬことをしたと分かっておる
何も言えた立場ではないが、それでも、一つだけ言わせて欲しいのだ
……われはぬしを好いておる、三成」
膝の上で握り締めた拳に、三成の手が触れる
「…ずっと、ずっと好きだった
愛している、吉継」
涙の跡の残る顔で、三成は幸せそうに微笑んだ
←
←
←リクエスト
←めいん
←top